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絵本で「聞く力」が伸びる
絵本の読み聞かせをたくさんすると『人の話を聞ける子』になります。これは事実です。
「人の話を聞く力」とは
例えば、ファミリーレストランで大好きな従姉のお姉ちゃんに久しぶりに会えたとしましょう。子どもは嬉しくて興奮してしまって、大きな声を出したり、ソファの上ではしゃいだりするかもしれません。
人の話が聞ける子であったなら、ママやパパが「やめてちょうだい」と言えば、子どもはどんなに興奮していても動作をとめて親の言うことを聞くことができます。
一度か二度「ダメよ」「しないでちょうだいね」と声をかければ子どもはいたずらをやめますから、ママやパパは怒鳴ったり怒ったりせずにすみます。そのため、周りにいる大人からは「まあ、『育てやすい子』ね」という評価をいただくこともあるかもしれません。
親の言葉を聞くという能力
0歳から5歳までの間に「親の言葉を聞く力」を身につけることはとても大切です。親の話しを聞ける子は、親の言葉に「敬意」を払うことができます。ママやパパの言葉は大切なんだと知っているからでしょう。
これは言葉で説明して教えることはできません。子どもの観察眼を信頼して、子どもとじっくり話しをする機会をたくさん作り、親の感じ方や考え方を共有することでしか、子どもは身につけることはできません。いわゆる「背中で教える」類いの学びです。
話を聞く力を『傾聴力』と言いますが、人の話しを聞けるようになるには、人の考え方に興味をもつこと、人を敬重すること、話しを聞いて理解することなど、さまざまな力が必要です。『傾聴力』はビジネス書でも最近注目を集めているキーワードです。
絵本で聞く力が育つ
ママやパパの言葉を真剣に聞いてもらえるようにするために絵本はとても効果的です。絵本の中の空想の世界も、絵本の読み聞かせという温かい時間も、親の言葉の大切さを学ぶには格好の場です。
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絵本が聞く力を育てる理由
ママといい関係を築けるから
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子育ては実は上下関係が激しい
子どもが1歳前後になると自我が芽生えます。好きなことや嫌いなこと、自分でしたいことやママにしてもらいたいことなどが出てきます。
さらに2歳前後になって言葉を覚えると、一人前の理屈をつけてママを言い負かそうとするようになります。ママのストレスが溜まりやすい時期です。
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子どものための禁止と命令
気がつくと、いつもいつも子どもに「だめよ」と「◯◯しなさい」ばかり言っていると感じるかもしれません。
子育ては実は上下関係が激しいものです。子どもを自立させるには社会のルールを教えなければいけません。子どもが危ないことをしていれば止めなくてはいけませんし、子どもがいけないことをしていれば「ダメよ」と教えなくてはいけません。
子育てをしていると「ダメよ」という禁止と「◯◯しなさい」という命令の言葉ばかりになってしまうのは仕方のないことでもあります。
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禁止も命令もない時間
しかし、親子の会話が禁止か命令ばかりというのは寂しいものです。そこで絵本が大活躍します。
ママが「ダメよ」や「◯◯しなさい」などとばかり言うのは「してはいけないこと」や「しなければいけないこと」があるからです。絵本にはどちらもありません。
絵本を開けば、そこは物語の世界です。空想の世界なので何を感じても何を考えても自由です。ママはお子さんの素晴らしい発想力や想像力に驚くことでしょうし、お子さんはママを驚かせられることをきっと誇らしく思うことでしょう。
子育ての毎日で、子どもにルールやマナーを教える必要のない時間というのはとても貴重です。その貴重な時間を絵本は最高の形で提供してくれます。
どんなに叱られても子どもはママとパパが大好きです。比べることなど到底できないのですが、いつも「ダメよ」「◯◯しなさい」と言っているママと、いつも一緒に絵本を読んでいるママとでは、後者の方が子どもと良好な関係だとは言えないでしょうか。
ママの言葉に敬意を払うから
家庭での絵本の読み聞かせは、図書館や児童館など大勢の子どもに向けた読み聞かせと違って、絵本を読んだ後にいろいろな話しをすることができるのが醍醐味です。
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絆が強まる
家庭での絵本の読み聞かせは、子どもをひざに抱いて、すっぽりと子どもを包み込むように読むのが基本ですから、読み聞かせをすればするほどママと子どもの絆は強まります。
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親密感が増す
また、強い愛情で結ばれた親子ではありますが、人と人との人間関係には違いありませんから、話しをすればするほと親密感は増します。親密感を強く感じる人の言葉は心にまっすぐ届くものではないでしょうか。
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ママの言葉は特別だと学ぶ
強い絆と親密感があれば、子どもは自然と親の言葉に敬意を払うようになります。ママの言葉は大切で特別なものなんだと無意識に学ぶのでしょうか。
比べることなど到底できませんが、もし比べることができたら、いつも「ダメよ」「◯◯しなさい」とばかり言われているママに「騒がないでね」と言われるのと、いつも一緒に絵本を読んで楽しい話しをたくさんしているママに「騒がないでね」と言われるのでは、子どもの反応はきっと違うことでしょう。
愛してもらいたいから
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絵本で学ぶということ
子どもは絵本の中から学んだことは自発的に率先してやろうとするので面白いものです。「靴を脱いだらちゃんとそろえて置こうね」と何度言ってもできなくても、靴の絵本を読んで「こんなに上手に靴をそろえて置いてるね、えらいね」と言うとすぐにできるようになったりします。
子どもは絵本の登場人物へ向けられたママの言葉にとても敏感で、どんな場面で何と言ったのかとてもよく記憶しています。
ふだん「ダメよ」と何度言ってもソファをトランポリン代わりにして飛び跳ねて遊ぼうとするし、「片づけなさい」と何度言っても一向に片づけようとしないのに、絵本の中で自分でない誰かがママに「ソファでぴょんぴょん飛んじゃダメなのにね」とか「きれいに片づけててえらいね」などと言われているのを聞くと、子どもはすぐに学んでしまいます。
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愛されたいという欲求
ふだんはなかなか言うことを聞かなくても、子どもはいつもママとパパにもっともっと愛されたいと願っているものです。幼児心理学では特に4歳前後に顕著な特徴だとされています。ママとパパにもっともっと愛されたいというのは、食欲、睡眠欲に並ぶ子どもの基本的な欲求の一つです。
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まとめ
絵本を読むと
- ママがもっと特別な人になる
- ママの言葉は大切だと学ぶ
- ママにもっと愛されたくなる
だから『育てやすい子』に育ちます。
絵本の読み聞かせは最高の子育て法であり、知育でもあると信じています。時にめんどくさく感じてしまいますが、ぜひお子さんのために1冊でも1回でも多く読み聞かせをしてあげてください。
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