「さあ!新しい絵本を買ってあげよう!」と意気揚々と本屋さんへ足をはこんでみたものの、本屋さんに並ぶ大量の絵本を前に悩んでいると「もう…どれが何歳向けだか分からなくなる…」なんてゲンナリすることはありませんか?今日はとても簡単な絵本の対象年齢の見分け方をご紹介します。
【このページの目次】
絵本の対象年齢の見分け方
絵本の対象年齢は字を見る
ポイントは「文字」です。文字の大きさと量を見れば、たいだいの対象年齢は推測できます。
もちろん例外もたくさんありますが、このポイントを知っていれば、少なくとも「ものすごく」難しすぎる絵本や「あまりにも」簡単すぎる絵本を買ってしまって、せっかく買った新しい絵本に子どもが全く興味を示してくれなくてガッカリ…という失敗は防げると思います。
0歳児&外出時向けの絵本
0歳児向けの絵本は物語を楽しむためでなく、絵本の形をした『おもちゃ』で遊ぶための絵本です。
0歳児のおもちゃ絵本は、外出のときに持っていくと、赤ちゃんがしばらくは機嫌よく遊んでいてくれるので便利です。
赤ちゃんが生まれたら、みんな1冊は買ってしまうおもちゃ絵本。おすすめは「軽くてコンパクト」で「防水加工」が施してあって「フック付き」のものです。
0~1歳児向けの絵本
0歳児から1歳児向けの絵本は、絵のインパクトとその絵のために選ばれた日本語を楽しむ絵本です。
見開きのページに1語、2語しか言葉が書かれていません。そのほとんどが「じゃあ、じゃあ」「どんどん」「てんてんてん」などの擬態語や擬音語です。
絵に描かれているものは一つで、背景などはほぼなく、字がとても大きくて、字が絵と同じくらいインパクトが強いのが特徴です。パッと見て、字も絵の一部のように感じられるかもしれません。
これほど字が大きな絵本が0歳児から1歳児向けの絵本です。
1~2歳児向けの絵本
1歳児から2歳児向けの絵本は、同じ言葉がくり返し使われている絵本です。楽しく美しい絵と一体になって、くり返される言葉を楽しむことができます。
見開きのページに文が1つ、2つ、多くても3つほどしか書かれていません。その文は多くが登場人物のセリフであるのが特徴です。最初から最後まで全部がセリフなので、「」記号は使われていないことがほとんどです。
絵が大部分を占めていて、文がほんの少ししかなく、印象的な言葉がくり返される絵本が、1歳児から2歳児向けの絵本だと言えます。
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2~3歳児向けの絵本
2歳児から3歳児向けの絵本は、ほんの少しだけ文が長くなっています。くり返される表現がある絵本もあれば、とくに同じ表現はくり返されていない絵本もあります。
見開きのページに書かれている文は2~4文で、以前の絵本に比べて「ほんの少し長くなったかな」程度です。
2歳児から3歳児向けの絵本に特徴的なのは文の長さではありません。文を一つひとつ丁寧に見てみると、主語がつき、述語がついて、文法的に完全な『文』になっています。ここが大きく異なる点です。読み聞かせるママやパパとしては、きっと読みごたえを感じられるようになることでしょう。
そして、2歳児から3歳児が対象になる絵本は内容が高度です。子どもが「何かを学べる」絵本になっています。
「あいさつ」であったり、「着がえ」であったり、「はみがき」であったり、絵本を読むことで身の回りのことができるようになります。恐らくは3歳児の幼稚園入園を意識しているのでしょう。
主語述語がそろっている「ふつう」の日本語の文になっていたら、2歳児から3歳児向けの絵本だと判断していいかもしれません。
3~4歳児向けの絵本
3歳児から4歳児向けの絵本は、内容が一気におもしろくなります。そして絵本が長くなります。
物語がおもしろくても絵本が長くなると、3歳児から4歳児はまだ集中力が続きません。そのため絵本の中では、同じできごとがくり返されます。
ネズミくんがしたことを、次はウサギさんがして、今度はロバさんがして、最後にゾウさんがする…などというように、人が変わったり物が変わったりしながら、同じことをくり返すことで、3~4歳児の集中力でも長い物語を楽しめるように工夫されている場合が多いです。
物語を進めるための説明文が登場し、登場人物のセリフには「」記号がつくようになりました。
パラパラとめくってみて描かれている場面がくり返されていて、文が説明文とセリフに分かれていたら、その絵本は3歳児から4歳児向けだと言えると思います。
5~6歳児向けの絵本
5歳児から6歳児のママ&パパには是非おすすめしたい絵本があります。小学校で学ぶための準備ができる絵本です。
- 白黒の絵本…色のない絵を見ると子どもは色を想像します。色を想像すると、動きを想像し、物語を想像できるようになります。色のない絵本は、挿絵のない本への第一歩です。
- 漢字が使われている絵本…漢字によみがなが振ってある絵本もたくさんあります。漢字を教える必要はありません。「画数が多くて複雑な字があるんだな」とお子さんが感じれば十分なのですが、漢字のある絵本を読み聞かせるとお子さんの漢字への興味や書き取り練習への意欲がまったく違うので、おすすめできる絵本です。
- 少し古い絵本…1970年代から1990年代前半に出版された絵本の中には、少し古い日本語が使われている絵本があります。絵本の中の子どもたちが下駄をはいていたり、おかっぱ頭だったりするかもしれません。海外の絵本の翻訳本であれば少し形式ばった表現になっていたり、回りくどい言い方になっていたりするかもしれません。少し難しい日本語もママ&パパと一緒なら子どもは楽しめるものです。小学校に上がる前に、そして小学校に上がってからも何冊かは読み聞かせてあげたい絵本です。
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さいごに
絵本対象年齢判別法まとめ
0歳から5歳までの絵本の特徴をこのように並べてみると、絵本の変化を通して、子どもの発達を感じられます。
- 0歳児&外出時のための絵本…「軽くてコンパクト」で「防水加工」&「フック付き」のおもちゃ絵本
- 0~1歳児向けの絵本…字がとても大きくて見開きのページに1~2語の絵本
- 1~2歳児向けの絵本…絵が大部分を占めていて、文がほんの少ししかなく、印象的な言葉がくり返される絵本
- 2~3歳児向けの絵本…主語述語がそろっている文で日常的な内容の絵本
- 3~4歳児向けの絵本…同じできごとがくり返され、文は説明の文とセリフに分かれている絵本
- 4~5歳児向けの絵本…文が長く、説明の文ばかりでセリフが少ししかない絵本
- 5~6歳児向けの絵本…「白黒の絵本」「漢字が使われている絵本」「少し古い絵本」がおすすめ
これらをとりあえずの基準にして絵本を選ぶと、少なくとも「ものすごく」難しすぎる絵本と「あまりにも」簡単すぎる絵本を買ってしまった…という失敗は防げるのではないかと思います。
注意点はどんな基準もはやりただの参考にしかならないことです。一般的に絵本の対象年齢が実年齢より低い絵本の方が子どもは何度も読みたがるものですし、一方で、子どもは自分が興味のあることなら絵本が多少難しくても夢中になって読んでしまいます。また親としては驚くほど意外な絵本に夢中になったりもします。こんな基準なんてまったく当てはまらないお子さんもたくさんいることでしょう。
子どもの興味関心は生ものですから絵本選びはとても気ぜわしいものかもしれませんが、この記事が絵本選びの一助になれば嬉しく思います。
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