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子どもの将来は蔵書で決まる
自宅の本棚に置いておく絵本はお子さんに強烈な影響を与えます。本をいつでも見えるところに置いておくというのは心理学的にも脳科学的にも知育効果が期待されています。
子どもを医者にしたければ…
ある幼児教室では子どもを医者にしたければ「人体に関する絵本や図鑑を買いなさい」とアドバイスをされます。
蔵書は多ければ多いほどよい
もちろん本棚に置いておく絵本は多ければ多いほどよろしいでしょう。しかし、まるで自宅が図書館のように何百冊もの絵本を買うのは現実的ではありません。
絵本は何冊買うべき?
では何冊くらいの絵本が自宅の本棚にあればいいのでしょうか。
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目安は年に「年齢+2」冊
一つの目安として、年に「年齢+2」冊の絵本を購入することが一つの最低冊数と考えられます。
小学校入学までに30冊!
0歳から小学校入学まで年に「年齢+2」冊の絵本を買えば、小学校入学までに30冊前後の絵本が本棚に並ぶことでしょう。「小学校入学までに30冊」をしっかりと読むことができれば学力の基礎として一定の効果を期待できます。小学校入学までに30冊を乳幼児絵本の蔵書の一応の目安になるのではないかと思います。
年齢別オススメ買いたい絵本
「6年間で30冊」を目標にするといたしましょう。年に「年齢+2」冊の絵本を買うときにおすすめしたい絵本をご紹介します。下の絵本リストは『お子さんが大きくなる前にぜひ読み聞かせたいオススメの絵本リスト』です。0歳から小学校入学までの6年間、こちらのリストから数冊を選んでみてはいかがでしょうか。
▼0歳児に買うべき絵本は2冊
▼1歳児に買うべき絵本は3冊
▼2歳児に買うべき絵本は4冊
▼3歳児に買うべき絵本は5冊
▼4歳児に買うべき絵本は6冊
▼5歳児に買うべき絵本は7冊
▼6歳児に買うべき絵本は3冊
(注)6歳の誕生日から小学校入学まで数ヶ月しかありませんので便宜上「3冊」としています。
「何冊の絵本を買うか」より「どの絵本を買うか」
絵本の購入を考えた時、大切なのは「何冊の絵本を買うか」よりも「どの絵本を買うか」の方でしょう。絵本には「内容の密度」という品質に良し悪しがあります。
キャラクター絵本の弊害
例えば、脳科学的にキャラクターものには子どもの知的な活動を阻害する可能性があることが示唆されています。たとえ家に1000冊の絵本があっても、1000冊の絵本がアンパンマンとしまじろうとノンタンばかりでは読み聞かせの知育的効果は薄いと言わざるを得ません。(具体的に申しますと、ふつうの絵本の読み聞かせであればお子さんは自然に登場人物の性格や行動を自由に想像しますが、例えばアンパンマンの絵本であれば、絵本を開いている間お子さんの脳はテレビの中で動く「飛んで行って誰かを助けるアンパンマン」や「バイキンマンをアンパンチで吹っ飛ばすアンパンマン」など既成イメージをなぞるだけで純粋な想像力をつかっているとは言い難く、さらに絵本のなかのアンパンマンのセリフは無意識に戸田恵子さんの声を想像してしまいます。しかしアンパンマンとしまじろうとノンタンが「知育的効果がない」「知育に悪い」という意味ではありません。むしろ各シリーズの第1作となる絵本はぜひ読み聞かせていただきたいと願っています。)
▼参考:1976年の『あんぱんまん』はぜひ読み聞かせてあげたい名作です。しかしアニメの印象が強すぎて「このアンパンマン、こわい…」「これはアンパンマンじゃない!」などとお子さんが拒否してしまうケースも少なくない『あんぱんまん』の第1作目。当時は「顔を食べさせるなんて恐ろしい」と子ども向けのホラー絵本として批判を浴びたりもしました。
絵本の選び方のポイント
そこで、お子さんの発達に合った「買うべき」絵本の見つけ方について一案をご紹介します。絵本選びのヒントになれば幸いです。
買うべき絵本とは
購入したい絵本はもちろん「お子さんがすごく気に入る絵本」です。すでにお気に入りの絵本があれば、その絵本を購入してあげてはいかがでしょうか。子どもが絵本に対してポジティブで友好的な感情を持っていると、知的効果が高まり、記憶に残りやすくなるという研究結果もあります。
まずは名作絵本の多読を
「お子さんのお気に入りの絵本」以外にも「お子さんが気に入るであろう絵本」も必要です。お子さんが気に入る「であろう」絵本を選ぶのは難しいかもしれませんが、まずは名作と呼ばれるロングセラー絵本をたくさん読みましょう。お子さんが特によい反応を示し何度も何度も読みたがる絵本があればその絵本は「買うべき」絵本と言えます。
▼ 乳幼児期に読んでおきたい名作絵本
少しずつ新刊絵本にも挑戦
絵本というのは古い作品ほど売れるという特徴があります。せっかく買うのなら「自分が子どものころに読んだ絵本を買ってあげたい」と思うのは自然な親心ですから新刊絵本が売れにくいのは仕方ありません。現在、日本には約1万冊の絵本が売られていると言われています。そのうち約3割が何とその年に出版された新刊絵本です。そして新刊絵本の9割以上がその年のうちに休版か絶版になって姿を消します。「見慣れない新しい絵本を買う」というのはなかなか容易ではありません。しかし新刊絵本にも「将来のロングセラー作品」が必ず混ざっているものです。そのような質の高い絵本は子どもにぜひ読んであげたいものですが、新刊絵本を図書館で試し読みするのはほぼ不可能です。
【新刊絵本から傑作を探すヒント】
① 出版社の新刊情報をチェックする
手間がかかりますが確実です。しかし手間がかかりすぎるでしょう。大手出版社数社の新刊は定期的にチェックできても、中小出版社の新刊チェックはすぐに面倒になるのでは…。
② 絵本の定期購読を利用する
絵本が定期購読できることをご存知ですか?市販の絵本を厳選して月に数冊づつ一定期間自宅に届けてくれます。参考記事『絵本の定期購読は市販絵本タイプと月刊絵本タイプの2種類あるって知ってた?』
過去記事『絵本定期購読人気10社『特徴』比較!』でご紹介しているように、定期購読サービスの中には出版年の比較的新しい絵本を届けてくれるところもあります。参考:おすすめは『絵本ナビ』です。出版から数年間の評価と動向を見て選書されている点が信頼できる理由です。
③ 福音館書店の定期購読を利用する
福音館書店も絵本の定期購読サービスをしていますが、一風変わった特徴を持っています。『福音館の定期購読はなぜ安いのか?なぜおすすめなのか?ソフトカバー「こどものとも」「かがくのとも」を他社と比較してみる』熱く語っているのですが、福音館書店の定期購読サービスは宅配される絵本がすべて新刊絵本です。
そして破格の1冊420円!福音館書店の絵本が420円で読めるとは!他の定期購読サービスと比べても年間約6000円と他社の半額以下の価格設定です。
▼参考:『福音館の月刊誌』
参考記事:『福音館の定期購読はなぜ安いのか?なぜおすすめなのか?』
絵本の定期購読を利用する
絵本の定期購読を利用すると、購入することになる絵本は年間20〜30冊です。足りない絵本は買い足すとして、この程度なら定期購読サービスを利用するのも一つの選択肢かとも思います。お子さん本人宛に小包が届くという喜びもありますし。
定期購読サービスでオススメをするなら、『乳幼児定期購読おすすめランキング』でも第1位に選ばせていただきましたが、断然『絵本ナビ』です。『絵本ナビ』は非常にバランスのよい選書をしているので出版年の新しい絵本も「適度に」読むことができます。
▼『絵本ナビ』の定期購読サービス『絵本クラブ』
読み聞かせ絵本の数え方
乳幼児向け絵本は存外お高く、家計の負担になることがあります。しかし子どもにはよい絵本を読んで育ってほしいと思うものでもあります。上手に絵本選びをしながら、お子さんに合った絵本をお子さんに合ったタイミングで読んであげてください。
ご質問をいただきました
【2017年9月19日追記】
この記事に関しまして、ご紹介しました目安となる絵本の冊数について幾つかのご質問をいただきましたので、この場を借りて回答させていただきたいと思います。
お答えさせていただきます。こちらの記事は新米ママへ書かせていただきました。そのため、お子様への初めての読み聞かせを想定し、読み聞かせにまだ慣れていないママさんへ向けた内容になっております。
お子様への読み聞かせにとてもご熱心で、お勉強もされており、意欲的なママさんパパさんには物足りない内容になっているかもしれません。年に3〜10冊というのは一つの目安として提示させていただきました。購入して自宅に置いておける絵本は多いに越したことはありませんが、乳幼児用の絵本というのは存外負担のかかる買い物でもあります。絵本以外の大切な家庭教育環境を考え合わせまして、自宅に置かれます絵本の冊数をお決めになったらよろしいかと思います。
年に3冊の絵本を購入するのが難しいと思われる方へ。ご自宅にある絵本は多ければ多いほどよろしいのですが、ご自宅に数冊しか絵本がないという状況もまたお子様にとって学び多い環境になり得ます。自分の家に数冊しか絵本がなければ、その数冊の絵本がお子様にとって自然と特別な絵本になるからです。覚えてしまうくらいに何度も何度もお子様と一緒に読んで楽しみ、親子の会話に頻繁にその絵本を登場させてあげてください。また、絵本を購入できずとも図書館で同じ絵本を何度も何度も借りるというのも、お子様にとっては貴重な経験であり、良い思い出になりえます。
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家庭知育の参考記事
絵本は教育の基本である「五育」の実に4分野の能力を伸ばせる「万能知育」ですが、それでも絵本の読み聞かせだけというのは少々偏りがあるかもしれません。絵本以外の分野も、ぜひお子さんの知育環境を整えてあげたいものです。