この記事は幼児教室もしくは海外での家庭教師先のご家庭への聞き取り調査に加え、ネットで最新の情報を加味して執筆しています。実際の口コミであるため個人的な感想や出版社の古い情報などが含まれている可能性があることをご了承ください。
【このページの目次】
童話館の定期購読とは
過去記事『絵本の定期購読人気10社を徹底比較』では大手人気10社をまとめて比較して特徴を洗い出しましたが、今回は童話館の定期購読サービス「ぶっくくらぶ」にしぼって検討してみたいと思います。「長崎から届く」で有名な童話館の「絵本の定期購読」は実際にはどんなサービスなのかを生の口コミ情報の中から探りました!
いつからできるの?
童話館の定期購読の対象年齢は0歳児の赤ちゃんから15歳の中学生までです。幅広い年齢の子どもを対象に絵本や児童書を提供しています。
毎月何冊くらい届く?
童話館は毎月2冊ずつ絵本を届けてくれます。『定期購読10社徹底比較』で例に挙げた人気10社の中では配本絵本冊数は少なめな定期購読サービスです。「毎月2冊」にこだわっている理由として、童話館のHPでは
子どもは、心の容量を大きくしていくとともに、心の層も幾重にも深く、複雑にしていきます。そのような、多様な心の層に語りかけていく物語りの言葉が必要です。
きびしく選びぬかれた、とっておきの、違うタイプの2冊の絵本は、そのぶんだけ、多様な言葉に満ちています。(中略)子どもの成長の節目ごとに出会っておいてほしい絵本・本は、それほど、たくさんあるわけではありません。でも、少なくとも、“毎月2冊”のペースで出会うほどは充分にあると、私達は考えています。
と説明しています。「子どもの成長の節目」に読み聞かせたい絵本が「それほどたくさんあるわけでは」ないか否かについては私は童話館とは異なる意見を持っていますが、「絵本の定期購読で毎月2冊」という方針には理解できる点もあります。童話館HPではこのあとに
どうぞ、それほどご負担でなければ、長い目で見ていただいて、“毎月2冊の、心の栄養補給”をお願いできれば、嬉しく思います。ただし、ご事情によっては月に1冊での配本も可能ですので、ご相談ください。
このような文章が続いています。絵本の定期購読価格は
「絵本自体の定価」+「送料」
ですから、絵本が多くなると定期購読価格が高くなってしまいます。子育て中のママ&パパとしては「絵本がいいのは分かるけどできれば安いほうがいい」というのが本音でしょう。これは私の推測ですが、童話館が市場調査をして「最も売れるだろう」と見込んだ定期購読の価格帯が「絵本2冊分」だったのではないかと思います。
童話館の送料はいくら?
童話館の定期購読の送料は「200円」です。乳幼児向け絵本の定期購読サービスの中には送料無料というところも多くありますが、一方で送料が300円以上する定期購読サービスもありますから、送料が毎月200円という童話館の設定金額は定期購読業界の平均的な金額と言えます。
毎月の支払額はどのくらい?
絵本は対象年齢が上がれば上がるほど高くなりますから、定期購読価格も0歳児向けコースより3歳児向けコースの方が高くなります。毎月の支払額はお子さんの年齢や配本絵本の価格にもよりますので一概には言えないのですが、私がお話しを聞いたご家庭では0歳児から3歳児くらいでは900円前後の絵本が多いように感じましたので、毎月の支払いは
900円の絵本 × 2冊 + 200円 ≒ 2000円/月
で、おおよそ2000円前後だったとのことです。これは他社の定期購読価格と比べると比較的安い方です。
海外発送もしてくれます
童話館の定期購読サービスは海外でも利用できます。
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童話館のおすすめ理由
何と言っても「復刻版」!
童話館の絵本の特徴は何と言っても「復刻版絵本」にあります。童話館という出版社は名作傑作でありながら、ちょっと地味だったりタイトルがイケてなかったりするなど書店での売り上げに貢献しそうな条件に恵まれない絵本に光を当ててくれている出版社ですから、定期購読で配本される絵本にもこのような味のある絵本がたくさん選ばれています。
例えば、こちらの2冊の絵本は過去に童話館の配本リストに入っていた絵本ですが、表紙を見てどのような印象を持たれますか?
ちょっと地味ではないでしょうか(笑)Amazonでも中古が1円から売られているほどパッとしない古い絵本です。しかし、 Amazonでもカスタマーレビューの評価高く(★)は内容は日本国内外で認められた一流絵本です。
売れる絵本というのは「親が自分が子どもの頃に読んだ絵本を買う」という独特な特徴を持っています。親の子ども時代にはまだまだ新作絵本で知名度は高くなかったけれど傑作と名高い絵本というのもかなりあります。
また絵本というのはどうしても「見た目が派手」で本屋さんでも「目に留まりやすい」作品が売れます。そのため海外の名作の中には絵本の内容は素晴らしいのに、表紙が「外国の絵本独特」の落ち着きや渋さ(という名の「地味さ」)があり日本ではなかなか売り上げが伸びない作品もあります。
童話館の絵本はこのような「隠れた傑作&名作絵本」もたくさん含まれているので、絵本が届いた時には「ちょっと地味だな」と思っても何度も読み聞かせていると作品の奥深さに親子一緒にハマってしまうという絵本も少なくないと思います。
童話館の社命は絵本の復刊だった
そもそも童話館という出版社は絶版になってしまった絵本を復刊することから始まった出版社で、ホームページには以下のように紹介されています。
私たちもグループの中に、童話館出版という出版社を持っています。この出版社の役割は、絶版になった絵本を復刊することから始まりました。私達が、子ども達へ手渡していきたいと願う絵本は、おおむね、地味で目だたないものです。それらの多くは、店頭で売れないという理由で絶版になっていかざるを得ません。でも、それらはほんとうは、子どもの文化にとって貴重な財産なのです。童話館出版では、それらの絵本を復刊し…
良書とされる絵本が多い
まず一番大切な配本される絵本の内容について見てみたいと思います。童話館の定期購読の配本絵本は業界内で良書との評価をされている絵本が多いのが特徴です。
ぶっくくらぶ配本の一部をHPで公開
絵本の定期購読で配本される絵本の内容は童話館のホームページで5冊のみ公開されています。見やすいように年齢ごとに並べてみましたので、ちょっと見てみてください。
▼ 0歳児向け童話館の配本例5冊
▼ 1歳児向け童話館の配本例5冊
▼ 2歳児向け童話館の配本例5冊
▼ 3歳児向け童話館の配本例5冊
▼ 4歳児向け童話館の配本例5冊
▼ 5歳児向け童話館の配本例5冊
▼ 6歳児向け童話館の配本例5冊
いかがでしょうか。お気づきの方もいらっしゃると思いますが童話館の配本絵本には少々特徴がありますので、童話館で定期購読をお考えの方は後述の『配本コースの選び方』をお読みください。
ぶっくくらぶ通信がいい
童話館の定期購読サービスでは毎月絵本と一緒に「ぶっくくらぶ通信」という小冊子が送られてきます。この小冊子には一緒に送られる絵本を選んだ理由や普段の絵本選びのコツ、童話館の絵本に対するこだわりなどを読むことができます。
絵本を自分で選ばず出版社に代わりに選んでもらう定期購読サービスで「なぜその絵本を選んだのか」「その絵本の何が良かったのか」などを理解して読み聞かせをすることができるのは大きなメリットです。童話館は絵本に対してとても厳しい眼をもっていますので、童話館の審美眼を学べる機会は大変貴重だと言えます。
童話館以外の絵本も配本
童話館の定期購読では童話館以外の出版社の絵本も配本されます。これは同じく絵本の出版社であるこぐま社や金の星社の定期購読サービスが自社絵本のみしか配本しないのとは対照的な配本内容です。童話館のホームページでは以下のように決意表明をされています。
童話館は、ほんらい、こどもの本の専門書店です。書店であるということは、基本的に、すべての出版社と平等に取引ができる、ということです。同時に、こどもの本の専門、という“のれん”をかかげています。この“のれん”に責任をもつ仕事を続けている…(中略)…
特定の出版社にかたよることなく、その絵本が、「ぶっくくらぶ」でお届けできるほどのすぐれたものかどうかが、選定の基準です。…(中略)…実際に、さまざまな出版社の絵本が選ばれています。この点で、1社や数社の出版社だけでつくられる、他の同じようなこどもの本の配本システムとはちがいます。
なお、私たちもグループの中に、童話館出版という出版社を持っています。この出版社の役割は、絶版になった絵本を復刊することから始まりました。私達が、子ども達へ手渡していきたいと願う絵本は、おおむね、地味で目だたないものです。それらの多くは、店頭で売れないという理由で絶版になっていかざるを得ません。
でも、それらはほんとうは、子どもの文化にとって貴重な財産なのです。童話館出版では、それらの絵本を復刊し、折にふれ、「ぶっくくらぶ」の配本へと提供してきました…
童話館の絵本は「安い」!
童話館の定期購読の絵本は「安い」というか「お得」です!どういうことかと言うと、童話館では絵本の定期購読で童話館が出版する絵本を配本してくれる場合には特別割引価格で購入できます!非常に親切なサービスです。
持っている絵本の差し換え可
選書は定番の名作絵本を押さえつつ、さまざまなジャンルのさまざまな特徴をもつ絵本を選んでくれていますし、もちろん配本予定の絵本がすでにご自宅にある場合には「配本絵本の変更」にも対応してくれます。(この絵本交換サービスをしてくれない定期購読サービスはほとんどありませんが)
どんな方にもおすすめできる
童話館の定期購読は毎月2冊の配本というお手軽さと選書の豊富なバリエーションのため、「読み聞かせを始めてみようか」という読み聞かせにまだ不慣れなご家庭にも、「絵本は何冊も買うけれど定期購読もしたい」という絵本好きで読み聞かせに熱心なご家庭にもオススメできます。
「親のための本」が実はいい
定期購読を申し込む段階ではあまり注目されない特典なのですが、童話館の定期購読を申し込むと「親のための本」として年に3~4冊子育てに役立つ書籍を送ってくれます。「親のための本」の配本例として童話館ホームページには以下の6冊が挙がっています。
親のための本のテーマは「育児」「遊び」「食」とあります。このような「なくてもいいけど、あると便利な育児本」というのは自分で買うことはおそらくない本でしょうから、子どもの絵本と一緒に配本されれば重宝するかもしれません。
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童話館の定期購読の不安点
童話館の絵本が多くなる
すでにご紹介した通り、童話館の絵本の定期購読では「童話館以外が出版する絵本もたくさん配本」されますし、「童話館の絵本が配本されたら特別割引」で購入できます。しかし、私がお話しを聞いたほとんどのママさんが
という印象を持たれていました。実際に童話館の名作定番絵本とされているロングセラー絵本は3歳児以降の絵本が多い傾向にありますから当然のことかもしれませんが、お子さんが幼稚園や保育園に通うようになると絵本の定期購読サービスをやめたり(これは月刊絵本の影響もありますが)、定期購読サービスを乗り換えたりするケースが多いなと感じました。
定番絵本が少ない
絵本の定期購読というのは結局のところ「書店でも買える市販の絵本を選んで宅配してくれるだけ」のサービスです。そのため絵本の購入冊数が多くないご家庭では、定番絵本以外の「隠れた傑作絵本」を送ってくれる童話館に対して
というご不満を持つご家庭もありました。定番絵本やみんなが持ってる絵本、図書館でも書店でもよく見かける絵本がいいという場合には『絵本ナビ』や『クレヨンハウス』の定期購読の方がいいかもしれません。
HPが見にくく使いにくい
童話館のホームページは正直に言いまして「見にくい」し「使いづらい」です。サイト内部のリンクを貼ってくれていませんし、サイトの構成があまり考えられているとは言えず、特定の情報を探していても必要な情報がどこに書かれているのか分からず本当に困ります。
絵本の定期購読の公式サイトは「絵本の定期購読サービスを早くから始めた会社ほどホームページが古く見にくい」という残念な特徴があります。童話館のホームページが見にくいのも、裏を返せば「童話館が定期購読の老舗」である証ということでもあるのですが、しかしこのネット時代に不便なサイトというのはストレスになりますし、童話館の定期購読自体への不信にもつながりかねないので早々にサイトを改善した方がいいと、私は感じているのですが…。
童話館のホームページは定期購読の申し込みをするにもちょっと迷ってしまうような「困ったちゃん」サイトですが、偽サイトなどではなく、ちゃんと絵本の定期購読はできるので安心してお手続きをされてください(笑)
ためになる賛否両論口コミ集
ブログをはじめとするYahoo!知恵袋や発言小町などの口コミ情報の中から「これは役に立つ!」と思った口コミをご紹介。すぐに削除されたり頻繁にアクセスできなくなったりするため情報の出典元は掲載していません。ご了承ください。では先輩ママの口コミを見てみましょう!
この他にも絵本の定期購読選びをする時にとても役に立つと感じた有益な口コミをたくさん集めています。賛否両論の口コミ集にご興味があれば、ぜひどうぞ。
他社定期購読と比較検討する
福音館書店の定期購読
乳幼児向け絵本の定期購読を考えるときに福音館書店の定期購読は避けては通れません。信頼の福音館品質を激安の1冊420円で購読できる「こどものとも」「かがくのとも」は侮れない!
クレヨンハウスの定期購読
乳幼児向け定期購読人気10社
絵本の定期購読は12ヶ月以上の長期的なサービスですから、購読を決める歳にはよく比較検討して後悔のないようにお選びください。親の小さな「後悔」は毎日の読み聞かせでどうやってもお子さんに伝わってしまうものですから。
乳幼児向け絵本の定期購読サービスを展開している大手人気会社は上の10社です。私はこれまで他の方よりも多くの「絵本の定期購読」に触れてきたのではないかなと自負しておりますが自分の経験とネットでの市場調査を『定期購読10社徹底比較』という記事にまとめました。その結果私が特に注目する定期購読はランキングにして以下の記事にでご紹介しています。
童話館に申し込む時は
童話館の定期購読基本情報
童話館の絵本の定期購読サービス「ぶっくくらぶ」のお申込みはホームページのこちらのページからできます。
▼ 童話館ぶっくくらぶ申込みページ
童話館配本コースの選び方
配本絵本は対象年齢より難しめ
上でご紹介した童話館の配本予定の絵本をタイトルや表示が描いているものに注意してもう一度見てみてください。
▼ 0歳児向け童話館の配本例5冊
▼ 1歳児向け童話館の配本例5冊
▼ 2歳児向け童話館の配本例5冊
▼ 3歳児向け童話館の配本例5冊
▼ 4歳児向け童話館の配本例5冊
▼ 5歳児向け童話館の配本例5冊
▼ 6歳児向け童話館の配本例5冊
読み聞かせに慣れている方や乳幼児絵本に詳しい方はお気づきかもしれませんが、対象年齢に対して選ばれている配本予定絵本は若干難しめです。というより、必ず1冊は1年上のレベルの絵本が混ざっています。
配本コースは1年下のものを
乳幼児期の絵本は1年ごとに難易度も読み聞かせ方も変わります。
定期購読する配本コースに迷ったら1年下のコースを定期購読されることをオススメします。乳幼児向けの絵本はたいてい表記されている対象年齢の前後2年間は楽しく読み聞かせができますので今ちょうど楽しめる絵本や若干簡単な絵本でも「元は取れます」し、絵本の読み聞かせの知育効果は「難しい絵本を読んだこと」ではなく「絵本を楽しんで読んだこと」に起因しますので易しい絵本の方がお子さんの脳によい刺激を与えることは往往にしてあります。
「定期購読する配本コースに迷ったら1年下のコースを定期購読」することは童話館のホームページでも推奨されています。
コースをお決めになる時は、できるだけお子さまの負担にならないよう、心もち下のコースから始められることをおすすめします。たとえば、4才になって間もないようでしたら、「小さいくるみコース」(およそ3~4才から)を、というように。そうやって、しばらく様子を見ていただいて、ものたりないような感じでしたら、その時に、ひとつ上のコースに変更されるのがよいと思います。コースの変更は、いつでもできます。お申し込みの際、コースをお迷いでしたらご相談ください。
絵本の定期購読比較なら
この記事がお子さんへの定期購読選びに役立てば嬉しく思います。