家庭で本格的な幼児教育ができると大人気の「Z会幼児コース」の効果は、「学習習慣がついた」という他社の教材と似た効果もあれば、「Z会幼児コース」だからこそ育まれた効果もあります。今回はそんな「Z会幼児コース」の知育効果に着目し、「Z会幼児コース」に特徴的なアウトプットのメソッドを中心に2つの大きな知育効果について考えたいと思います。
【このページの目次】
幼児コースの体験教材とは
Z会といえば「体験」教材
体験教材『ぺあぜっと』とは
「Z会幼児コース」の他社教材にはない特徴といえば「体験」教材です。
「親子で一緒に」
「身近な実験や工作や観察など」に取り組み
「言葉と絵で体験結果を伝える添削課題」
がある『ぺあぜっと』と言う名前の教材です。
体験教材『ぺあぜっと』の効果
『ぺあぜっと』では学習に取り組むときに
「予想」
「体験」
「考察」
の過程を大切にしています。
親のための『ぺあぜっとi 』
準備の負担を軽減してくれる
『ぺあぜっと』の取り組みは親の準備がとても大変です。「子どもは楽しそうに取り組んでいるけど、毎月毎月親の負担が大きい」という口コミは多く聞かれます。「Z会」ではそのような親の負担をできるだけ軽減するために、必要な道具は一覧にしてくれています。
体験学習の不安を軽減してくれる
体験型の学習は親の関わり方で知育効果が変わってきます。『ぺあぜっとi 』にはスムーズに学習を進めるためのアドバイスや間違いやすいポイント、アドバイスのコツなども細かく紹介してくれていますので、「上手にできるかどうか不安」というママやパパにも安心です。
体験学習と学校の授業を連動させる
『ぺあぜっとi 』には、各取り組みが小中学校で「いつ」「何の授業で」習う内容なのかも記されています。オリジナルカリキュラムを組んでいるZ会の学習と学校での義務教育の内容を連動させることができます。
おすすめ絵本の紹介
さらに嬉しいのが、体験学習に関連したおすすめ絵本を紹介してくれていることです。親が時間と手間をかけて、子どものために用意してあげる貴重な体験学習の学びを漏らさず「知識」として定着させ、さらに知識を深めるきっかけになります。
他の幼児通信教育の特徴
「Z会」の体験教材が特徴的なことは他の幼児通信教育をちょっと調べてみれば明らかです。各社の公式サイトを見ていただければ詳しく分かるのですが、各社教材の知育効果について、また各社教材のメリットとデメリットについて別記事でご紹介してます(ご紹介している通信教育は「幼児ポピー」「こどもちゃれんじ」「ぷちドラゼミ」「がんばる舎」「Z会幼児コース」「七田式はっぴぃたいむ」の6社です)。
Z会体験教材の巷の口コミ
幼児教育というのは親のバイタリティに大きく左右されるため、幼児向けの通信教育にはまるで正反対の口コミが多々見られます。「Z会幼児コース」も『ぺあぜっと』もご多聞にもれず、さまざまな意見が聞かれます。
「これなら自分でできる」
反対派意見の代表格は「これなら自分でできる」です。確かに『ぺあぜっと』の取り組みは、糸電話であったり、寒天ゼリーであったり、ちょっと考えれば思いつきそうなほど身近な学習テーマばかりです。「毎月2500円も払って、こんな代わり映えしないことをさせるのか」と思う方がいらっしゃるのは事実です。
「やっぱりプロは違う」
賛成派意見をまとめると「やっぱりプロは違う」でしょうか。詳しい口コミの内容は次にご紹介する別記事にまとめているのですが、取り組めば取り組むほど「これは自分では思いつかない」「この内容を自分の力だけで再現するのは無理だった」などという声が多くなるようです。
Z会幼児コースの口コミ集
「Z会幼児コース」の口コミはこちらにまとめています。
Z会の体験教材の3つの特徴
さまざまな口コミ評判の「Z会幼児コース」ですが、ここで「Z会幼児コース」最大の特徴である『ぺあぜっと』の特徴を3つご紹介します。主にこの3点を「自分でできる」と思うか「自分では無理」と思うかが、Z会を受講するかどうかの口コミ意見の分かれ目であるような気がします。
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子供の心をつかむテーマ選び
特に効果的な「身近なテーマ」
「Z会」では幼児教材をつくるにあたり他にもあらゆる学習テーマを検討したはずです。一口に「身近なテーマ」と言っても、言うなれば生活のすべてが学習テーマになり得るのが幼児期です。膨大な学習テーマの中から、小中学校での授業にもっとも効果的な内容が選ばれていると感じます。
子どもの発達段階にぴったり
「これなら自分でできる」と思い、体験学習を家でやってみようとした場合に迷うのが「これを子どもができるかどうか分からない」「この内容を子どもが理解できるかどうか自信がない」といった点です。毎日子どもを見ていても、子どもの発達段階にピッタリあった学習テーマをベストなタイミングで選ぶのは容易ではありません。
子ども目線も忘れていない
『ぺあぜっと』の学習テーマは、義務教育の学習項目や子どもの発達段階だけでなく、子どもが「意欲的に」「楽しんで」取り組むことができるかという子ども目線も考慮されています。「Z会」の教材は良く言えば「シンプルな」、正直に言えば「ダサい」ページデザインですから、「パッと見」のインパクトは他社には劣りますが、よく読めば寒天ゼリーを「ひかりのおやつ」などと言ってみたり、子どもが興味をもちそうな工夫はそこここに隠れています。
意欲を高めさせるアドバイス
子どもへのアドバイス
体験学習も幼児教材ですから、他のワーク学習や他社の教材と同じく、適切なアドバイスが載っています。個人的には、このアドバイスが最も知育効果を左右すると感じています。それほどにママとパパの言葉というのは一言一言が子どもの心にダイレクトに届きます。そのため、この「アドバイス」について「この程度なら意識しなくても普段から言っているな」と感じるようであれば「Z会」は入会する必要もないかもしれません。
親への心配り
さらに「Z会」が心憎いのは親への心配りも忘れていないことです。体験学習に必要な道具が一覧で記されているのはもちろんのこと、体験学習後のおすすめ絵本などは「1枚の紙」にまとめられています。図書館に行くときには、教材冊子を持っていかなくても、この紙1枚だけをバッグに入れていけば大丈夫。こんな心配りはたくさんあります。体験学習は「親のやる気」の方が大切ですから、親が「続けやすい」と感じられることはとても大切です。
知育効果倍増のアウトプット
添削講座ならではの効果
体験学習の「テーマ選び」や「アドバイスなどの進め方」については、少しご経験のあるママやパパならご自分でもできてしまうかもしれません。私が最も「Z会にしかできない」と感じる素材が「添削」です。
「Z会」と言えば「添削」
「Z会幼児コース」の添削講座は体験学習を言葉と絵で振り返るという内容です。この「振り返り」という学習は親には大変億劫に感じられますが、この「振り返り」こそが大切なのは言うまでもありません。しかし、どんな勉強でも復習というのは面倒で、子どもの方もすすんではやりたがりません。親が無理にさせようとすると親子ゲンカになってしまうこともあります。添削という課題があれば、子どもも親も取り掛かりやすくなります。
「添削」は手書きで温かい
「Z会幼児コース」の添削課題は、子ども一人ひとりに専属の指導者が「手書き」のコメントを付けて返信してくれます。手書きという温かみは子どもにも分かるようで、この手書きのコメントはすこぶる好評です。手書きコメントは褒め言葉が一言二言というものではなく、子どもにとっては読み応えのある文量です。今回は「こんなコメントだった」という喜びも添削課題のやる気になっているお子さんも多いようです。
添削課題は言葉と「絵」
「Z会幼児コース」の体験学習は「言葉」と「絵」で振り返ります。「絵を描いて、どうして学力がつくの?」と不思議に思われるかもしれません。幼児が体験結果を字に書いてまとめるのはまだ無理です。そこで話し言葉と絵で「体験を伝える」という学習を前倒しで経験することができます。幼い子どもにとって絵は、言葉よりずっと自分の気持ちを表現することができます。徐々に「絵」と「言葉」の分量が変化し、最終的には言葉による調査報告や実験報告ができるようになります。夏休みの宿題の代表格絵日記にもこのような効果が含まれています。
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Z会だけの2つの知育効果
アウトプットが効果的な理由
ここでは、「Z会」のアウトプットは主に体験学習『ぺあぜっと』の振り返りシート(=添削課題)を指しています。
1つめは「短期的な知育効果」
言葉で知識を定着させる
「Z会」の添削講座は「言葉と絵」です。「字」ではありません。自分が体験したことを文章で書き表すのはまだ無理です。添削問題用紙の上部には
『ぺあぜっと』を やった ときの ことを はなそう
とさらりと書いています。話すだけなので回答を書き込むスペースなどなく、話すだけなのでやってもやらなくても目に見えず、やらずに飛ばしてしまいたくなりそうなほどです。しかし、ただ話すだけという地味な訓練が子どものその後を左右します。この課題で、子どもは何をしたかをよく思い出し、学んだことの何をどう表現するべきか熟考します。この思考過程が体験を知識に変える第一歩です。
絵で知識を定着させる
「言葉」で体験したことを説明した後に絵という添削課題があります。絵を描くことによって自分が言葉で表現したことを目に見える形で伝えることになります。絵を描くことでより細部まで思い出そうとする効果もありますし、添削されて返ってきた絵を数週間後に再び見ることで学習したことや絵を描いていた時の感情を思い出すことができます。「想起」も記憶を定着させる重要なファクターです。
伝える喜びを覚える
「Z会幼児コース」を受講しなくても『ぺあぜっと』に似た取り組みはできますし、言葉での振り返りも、絵での振り返りも自宅で行うことができます。唯一自宅では行えないのが「添削」です。「添削課題」はお子さん一人ひとりの「担任の先生」が添削し、コメントをつけて返してくれます。コメントは前月までの学習を踏まえており親近感が湧くため、添削のコメントを楽しみにしているお子さんは多いと言います。このような関係を構築した上で毎月絵を描きます。「誰かに見てもらうための絵」です。この点を意識して絵を描くお子さんはほとんどいないと思いますが、自分が好きなように描くお絵かきではなく、「テーマが決まっていて、見てくれる人がいて、伝えなくてはいけない内容があって、さらに絵を見たらコメントをくれる」このような体験ができるのは「Z会幼児コース」の添削課題だけです。
「伝えたいこと」が成長させる
言語力が伸びるのは「伝えたいこと」があるときです。英会話力が「言いたいことを言おうとした瞬間」を多く経験すれば経験するほど伸びるように、子どもも「伝えたいことを伝えようとした時」に伸びます。幼児期にはふつうの生活をしていればそれほど難しいことを「伝えたい」と思うことはありません。普段とは違う、少し難しいことを伝えようと「言葉」と「絵」を駆使する機会は「Z会」ならではのことです。語彙力や表現力が伸びるだけでなく、論理的思考力や集中力なども鍛えられ、さらに、知的好奇心がさらに豊かになります。
文字への関心が強まる
「Z会」の添削課題で文字への関心が強まることも期待できます。この点は副産物的なものですが、体験したことを伝えようと言葉を探していると、言葉に対して敏感になります。言葉への鋭い感覚はそのまま文字への興味関心へもつながりますから、文字の習得が早まると考えられます。(ただし、それはいつかは分かりません。「Z会」の「あと伸び力」はいつ伸びる力なのかは分かりません。自分から「字に書いて伝えたい」と思った時が成長のタイミングですから、もしかしたら小学校に入ってからかもしれません)
2つめは「長期的な知育効果」
「あと伸び力」は何を「考える」のか
幼児向け通信教育のサイトはどこも「学ぶ楽しさを」「考える楽しさを」と書かれています。しかし、楽しく感じる「学び」や「思考」の質はまったく異なります。
問題に正答する楽しさ
「こどもちゃれんじ」や「幼児ポピー」のような小学コースで教科書に対応している教材では「学ぶ楽しさ」というのは、「問われている答えが分かる」楽しさであり、「書かなくてはいけないひらがなが書ける楽しさ」です(【こどもちゃれんじ】 は2018年度より「思考力特化コース」を開設していますので2018年度以降は自由な思考力の鍛錬も期待できます)。
考えをめぐらせる楽しさ
対しまして、「Z会幼児コース」や「ぷちドラゼミ」など小学コースでもオリジナルカリキュラムの教材では、回答を見つける楽しさではなく、「もっと違った考え方はできないか」「自分ならどう考えるだろうか」という内容を「考える楽しさ」です。ひらがなであれば問われた字を正しく書けるかではなく、自分の気持ちや考えを「どう書くか」考えることができます。
「あと伸び力」は「熱中できる力」
「Z会」の長期的な知育効果とは「あと伸び力」そのものです。『数学に感動する頭をつくる (ディスカヴァー携書)』という本をご存知でしょうか。著者は国際数学オリンピックのメダリストを何人も育てた数学の英才教室講師です。この本では「コツコツ型の勉強」と「熱中型の勉強」について触れられており、「コツコツ型」の方が小・中学での成績がいいものの、高校で伸び大学受験に成功しやすいのは「熱中型」だと書かれています。
抽象的なもの・複雑なものの理解
以下、著書から引用します。
熱中型の勉強をする子どもは能力自体を開発している。コツコツ予習復習型の勉強をする子どもは(中略)能力開発自体はしていないので、学ぶ数学が抽象的、複雑なものになるにつれて、理解することさえままならなくなり数学は難しいと嘆きだす。
「未知のものを自分に取り込む力」
さらに著書の中で、数や図形を頭の中で操るためには「イメージ力」が必要で、未知のものを自分の世界に取り込むためには、自分の世界を「構造化された記憶」として持っている必要があると説いています。
「抽象」「複雑」「未知」こそ「Z会」
「Z会」は「抽象」「複雑」「未知」というキーワードをすべて押さえています。一つのことに熱中する力、ものごとをイメージする力、未知のものへの姿勢、どれも数学だけでなく勉強の根幹になる大切な力です。『数学に感動する頭をつくる (ディスカヴァー携書)』で触れられている幼児教育は5歳からですが(5歳から小学校低学年までは「暗算をさせよ」)、暗算ができない3歳児や4歳児にだって「熱中力」や「イメージ力」を育んであげられると思います。
楽しいと感じた経験がやる気に
やる気の源になるのは、過去に「何かをして楽しいと感じた経験」です。楽しいと感じると脳はそれを記憶し、似た状況になったら過去の経験を思い出し、脳はまた同じ楽しさを感じたいと欲します。幼児期の学習経験で「勉強好き」にするというのは、脳のこの働きを利用したものです。
「何を」楽しいと感じるか
ここで大切になるのは、幼児期に「何を」楽しいと感じさせるかです。問題に正答することを楽しめると学校の成績に直結します。たとえIQが高くても受験で失敗すればなかなか難しいのが日本社会ですから、学校の成績を一定以上に保つのは大切だと考えられます。
一方で、今後は小学生から英語を学び、大学受験からセンター試験がなくなり、日本の学校教育はしばらくは五里霧中かもしれません。学校教育がどんな方向へと舵が切られようとブレずに勉強を続けていくためには柔軟な思考力と貪欲な知識欲が必要になるかもしれません。
口コミや評判に惑わされずに
「Z会幼児コース」の口コミは別記事でまとめましたが、どの側面においても賛否両論です。ある人は「簡単すぎる」と言い、ある人は「解き応えがある」と言う。ある人は「『ぺあぜっと』は素晴らしい」と言い、ある人は「『ぺあぜっと』にはお金を払う価値はない」と言う。どれもお子さんの性格やご家庭の学習環境に大きく左右された極端な意見です。口コミや評判に惑わされず、お子さんだけを見て、ぜひお子さんを最も伸ばすことができる教材を選んでいただきたいと思います。
▼まずは無料おためし教材でお子さんの反応を見てあげてください。
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