子どもにはたくさんの絵本を読み聞かせてあげたいと思うものですが、どんな絵本を選んであげたらいいのか迷うものですよね。さらに海外で子育てをしていると気軽に好きな絵本を購入することも簡単ではありません。そんな時には絵本の定期購読を利用してみませんか?
【このページの目次】
海外発送可4社の定期購読
日本語の絵本を海外に発送してくれる定期購読サービスが4社ほどあります。ここでは海外発送してくれる定期購読を徹底的に比較して、メリットとデメリットを検討した上でおすすめランキングにしてみました。絵本の定期購読で海外発送をしてくれるのは以下の4社です。
童話館
福音館
海外子女教育振興財団
定期購読に選ばれている絵本
日本国内で利用できる乳幼児向け絵本の定期購読に選ばれている絵本はこちらでご覧いただけます。日本の人気大手10社の定期購読サービスの配本リストに選ばれている絵本を年齢別に一覧にしたものです。
▼0〜1歳児の配本絵本はこちら
▼1歳児〜の配本絵本はこちら
【1〜2歳児の配本絵本】【2〜3歳児の配本絵本】【3〜4歳児の配本絵本】【4〜5歳児の配本絵本】【5〜6歳児の配本絵本】
頻繁に日本に帰国できる方や、日本に住む親戚や知人に発送を頼める方は、配本リストに載っている絵本をまとめて購入して自分で海外に発送するのが一番安く、多く、早く絵本を入手することができます。
海外発送可4社の徹底比較
では、それぞれのサービス内容や配本リスト、支払方法や変更方法など細かく比較検討していきたいと思います。
各社のイメージを比較
「海外子女教育振興財団」は少し特殊ですが、「絵本ナビ」「童話館」「福音館書店」は3社とも国内の絵本定期購読サービスではトップクラスの人気と実績を誇る会社です。まずは各社のイメージと4社の違いをつかんでいただきたく各定期購読サービスの概要を比較してみます。
【絵本ナビ】
絵本ナビの定期購読は「絵本クラブ」という名前です。「絵本ナビ」はその名の通り絵本を専門にあつかう近年急成長をとげたオンライン書店です。絵本ナビの定期購読サービスは、ロングセラーの名作絵本を中心にユーモア作品などの良書が年齢別にバランスよく選ばれています。公式サイトで配本リストが公開されていたり、買った本をポイントと引き換えに引き取ってくれたり…新しいサービスに貪欲です。
【童話館】
童話館の定期購読は「ぶっくくらぶ」という名前です。絵本の復刊を使命としている童話館の定期購読は30年以上の実績をもつ絵本配本サービスで、絵本の選び方に独特の強い信念を持っていることが非常に有名です。いわゆる「子どもに媚びていない本当に優れた絵本」を配本してくれます。絵本と一緒に毎月送られてくる情報誌「ぶっくくらぶ通信」には童話館の絵本に対する審美眼が熱くつづられていて、子どもの絵本より「ぶっくくらぶ通信」が読みたくて購読を続けているという方も少なくありません。子どもの病気や子育ての参考になる親のための本や情報誌も年に何度か届けてくれます。
【福音館】
福音館の定期購読は、物語絵本の「こどものとも」と科学絵本の「かがくのとも」の2タイプがあります。日本で売れている絵本のトップ10は常にすべて福音館書店の絵本が占めているとすら言われる日本最大手の出版社が提供する定期購読です。配本される絵本はすべて福音館書店から出版された新刊絵本という他に類を見ないサービス内容ですが、出版社が偏っているという配本のハンデをものともせず根強い人気を誇る定期購読サービスです。
【海外子女教育振興財団】
海外子女教育振興財団では「海外子女のための通信教育幼児コース」として絵本の定期購読を提供しています。
▼日本国内の定期購読10社
日本国内であれば多くの定期購読サービスの中から選ぶことができます。
配本される絵本を比較
絵本の定期購読を検討するときに一番きになる配本内容を比較してみたいと思います。比較するときのポイントはお子さんにどのような絵本を読んであげたいかという点です。どんな絵本が手元に届いたら嬉しいのかを具体的に考えながら
- 定期購読で宅配されることになっている絵本の「配本リストの内容」
- 自分が好きな絵本に差し替えてくれる「変更の自由度」
の2点を中心に比較すると選びやすいと思います。それでは3社の配本リストと配本サービス内容を詳しく見ていきましょう。
【絵本ナビ】
絵本ナビの「絵本クラブ」では「毎月1~4冊、年に30冊」ほどの絵本が配本されます。配本コースは0歳児コースから小6までの「年齢別コース」に加えて、「パパ向けコース」「大人コース」「プレママコース」があります。
配本リストはすべて公開
絵本ナビの定期購読サービスでは公式サイトで配本リストを公開してくれています。そのため「いつどんな絵本を届けてくれるのか」を申し込み前に確認することができるので安心です。
配本のバランスが秀逸
配本リストをご覧いただければご確認いただけますが、絵本ナビの配本リストは選書のバランスが非常によいのが特徴です。作家の重複率も出版社の重複率も非常に低く、日本の絵本も海外の絵本も程よく混ざっていますし、他の定期購読ではあまり配本されない2000年以降に出版された新しい絵本も多く選ばれています。
配本はいつでも自由に変更可
絵本ナビは会員サイトで配本内容の変更をすることができるため、いつでもどこでも気軽に絵本を選ぶことができます。さらに配本冊数も10冊までであれば自由に変更することができます。これは海外在住者には非常に嬉しいサービスです。絵本ナビの配本リストには「科学絵本」や「行事絵本」が入っていませんから、毎月、気になる絵本を何冊か足して注文すると本棚を一気に充実させることができます。
【童話館】
童話館の「ぶっくくらぶ」では「毎月2冊、年に24冊」の絵本が配本されます。配本コースは0歳児コースから中3までの「年齢別コース」のみ。
配本リストはすべて非公開
すべて公開している絵本ナビの配本リストと対照的なのが童話館の配本リストです。童話館の配本リストは「配本例」として挙げている各コースの5冊以外すべて非公開です。個別に問い合わせても教えてもらえません。ホームページには以下のように書かれています。
Q.「申込みの前に1年間の配本リストを送ってもらえますか?」
A. 配本リストはお申込み後、初回の配本時にお渡ししています。 私たちは、絵本・こどもの本は、楽しく美しいとともに、できれば、子ども、それに読み手の親(大人)へも、ある、深い言葉を語りかけるものであってほしいと願っています。 その願いを拠りどころに、私たちは、絵本・こどもの本の一冊一冊をきびしく選んできました。ですから、そうやって練り上げられた配本リストは「童話館ぶっくくらぶ」の生命そのものです。私たちが最も大切にしているものですので、お申込みいただきましてからのお渡しとなります。ご理解ください。
童話館HPより
配本は子どもに媚びない絵本
童話館の定期購読の絵本は「子どもに媚びない、本当に子どもの心に届く絵本」が選ばれています。ホームページには「子どものピュアなたましいに響きあう真にすぐれた絵本」や「童話館ならではの味わい深い絵本」だと書かれています。さらに童話館は絵本選びへの熱い情熱を以下のように紹介しています。
Q.「どんな本が配本されるのでしょうか」
A. 童話館は、ほんらい、こどもの本の専門書店です。書店であるということは、基本的に、すべての出版社と平等に取引ができる、ということです。…中略…ですから、特定の出版社にかたよることなく、その絵本が、「ぶっくくらぶ」でお届けできるほどのすぐれたものかどうかが、選定の基準です。実際に、さまざまな出版社の絵本が選ばれています。…中略…私達が、子ども達へ手渡していきたいと願う絵本は、おおむね、地味で目だたないものです。…中略…でも、それらはほんとうは、子どもの文化にとって貴重な財産なのです。…中略…「ぶっくくらぶ」をとおして、直接、家庭の中の子どもへ届けられるや、ほんらいの力と輝きを見せはじめます。…中略…もちろん、童話館出版の絵本も、他の出版社の絵本と全く同じように、「ぶっくくらぶ」の会員による、定期的な配本のアンケートのふるいにかけられます。
童話館HPより
子どもに媚びない絵本とは
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長く味わえる絵本
本物の絵本は本当に長く味わうことができます。子どもの年齢が絵本の対象年齢に達していない場合にも子どもの言葉が少し遅い場合にも、細かく丁寧に描かれた挿絵だけで十分に読み聞かせを楽しむことができますし、このサイトでご紹介している「読み聞かせ後の語りかけ」も毎年毎年新しい発見があり違った楽しみ方ができました。
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地味で目をひかない絵本
上でご紹介したホームページにも「私達が、子ども達へ手渡していきたいと願う絵本は、おおむね、地味で目だたないものです」と書かれていますが、童話館の「子どもに媚びない、本当に子どもの心に届く絵本」とは平たく言えば「地味な絵本」です。つまり、童話館の定期購読で選ばれている絵本は、「表紙や挿絵に華やかさがない」ために書店でも目をひかず「作家や編集者など業界の専門家の評価は高いけれど売れない絵本」がたくさん選ばれているということです。表紙や挿絵の地味な絵本は初めて絵本を見たときのお子さんの反応があまりよろしくありません。何度も読み聞かせていると次第にお子さんの反応が変わってくるのですが、それほど読み聞かせをしないまま「この子には合わないんじゃないか」「この子は好きじゃないんじゃないか」と思い、その絵本の読み聞かせをやめてしまう方がいらっしゃいます。また「挿絵が芸術的に美しすぎていつまでも見ていられる」とおっしゃる方がいる一方で「表紙が暗すぎて見ているだけで気持ちが沈んでしまう」などとおっしゃる方もいた絵本もありました。そのような絵本が届くという心づもりは必要かと思います。
絵本は初回に差し替え可
絵本の定期購読を申し込み、1年分の購読料を支払い、初回の絵本が届いたときに一緒に「1年間の配本リスト」が送られてきます。配本リストの年間予定を見て、すでに持っている絵本は代替絵本への差し替えを初回に1年分まとめて返信用ハガキなどで通知しなくてはいけません。これは海外在住者には少々手間になるかもしれません。
▼童話館の定期購読の詳細
【福音館】
福音館の定期購読では「毎月1冊、年に12冊」の新刊絵本が宅配されます。幼児向けコースはおはなし絵本の「こどものとも」コースと、科学絵本の「かがくのとも」コースの2タイプです。ママ向けに「母の友」コースがあるのですが、これが意外に人気で「一度購読し始めたらなかなかやめられない」と言わしめる貴重な読み物がつまった育児雑誌です。
配本リストはなし
福音館の定期購読で配本される絵本はすべて福音館書店の新刊絵本です。年間の配本予定絵本は年度の初めにはまだ出来上がっていないので「配本リスト」は存在しません。
配本は長い実績と高い信頼
配本リストはなくても毎年多くのご家庭が福音館の定期購読を購入しています。これから出版される絵本の質はこれまでの長い実績と多くの名作への高い信頼で担保されていると言えるでしょう。
作家はほぼ日本人作家
福音館の定期購読の絵本作家は大御所作家も新人作家も採用されていますが、ほぼ日本人作家です。外国の作者の絵本は年に1冊あるかないかの年が多いようです。そのため、絵本の挿絵は日本らしい絵が多く、日本を感じられる絵本が多い傾向にあります。これは子どもに日本を感じさせれあげられる機会が少ない在外在住者には嬉しい特徴かもしれません。
絵本は差し替え不可
福音館の定期購読は絵本の差し替えはできません。理由はすべて新刊絵本であるため「すでに自宅にある」という状況がありえないからです。
▼福音館の定期購読の詳細
【海外子女教育振興財団】
海外子女教育振興財団の定期購読では「年に4回6冊ずつ、1年に24冊」の絵本を配本してくれます。1~6歳の6コースがあります。絵本の海外発送に加えて保護者向けの通信やレポート、4歳児コースからはお子さん向けに運筆の基礎となる「線あそび」や「文字あそび」などの付録とチャレンジシートがつきます。
配本リストは非公開
海外子女教育振興財団のホームページには配本例として各コース8冊ずつの絵本が紹介されていますが、配本リストは非公開です。
配本は生きる喜びを読む絵本
海外子女教育振興財団の配本サービスでは「生きる喜び」を伝える絵本を選んでくれています。ホームページには以下のように書かれています。
子どもの健全な成長を応援するためには、絵本の内容も真善美を希求し、自然への関心や人間への興味を網羅していることが理想でしょう。その志は持ちつつ、このコースでは「生きる喜び」をキーワードに選書しています。子どもたちが、生まれ育っていくこの世界を《たのしい!》と感じられる絵本。学ぶことや人と関わることを《おもしろい!》と思える絵本。それを全国図書館協議会が選定した『よい絵本』を参考にし、各年齢グループにちりばめました。
生きる喜びを読む絵本とは
海外子女教育振興財団が配本してくれる絵本は公益社団法人全国学校図書館協議会選定の「よい絵本」が中心で、海外での子育て経験のあるスタッフによって比較的新しい絵本も、比較的新しい作家の絵本も選んでくれています。
特徴は難易度の大きな幅
乳幼児向け絵本の定期購読コースは0歳から6歳まで年齢別に6コースが用意されていますが、すべてのコースにおいて絵本の難易度には大きな幅がある絵本が配本されるのが特徴です。ホームページには以下のように書かれています。
善い絵本、それは長年読み継がれてきたものが多いのですが、年齢を選びません。子どもから大人まで「善い」と支持してきたのです。ですから基本的に年齢を区切ることについて柔軟にお考えいただきたい。年長さんなのにこんなやさしい本にはまっているとか、難しすぎるからまだ無理とか親が先回りして決めないで、お子さんが興味を示す絵本をまず読んであげてください。
乳幼児期の発達には大きな個人差がありますので、同じグループ内の絵本にも種類や難易度に幅を持たせて選んであります。しかし娯楽性の高いものは外してありますし、傾向としては若干難易度を高く感じられるかも知れません。配本されたその時点では興味がわかなかった絵本も、別な機会に、視野を広げる挑戦ととらえ、今度は親が興味津々の様子で率先して絵本棚から取り出して、お子さんと読み合っていただければ幸いです。
難しすぎる絵本が送られてきた時に注意したいのは「まだ難しいからと絵本を読まないでいたら、気がついたら絵本の対象年齢よりも大きくなっていて、読み聞かせに最適なタイミングを逃していた」というケースです。難しすぎる絵本が、いつ、その子にとって読むのに最適なタイミングになるのかを計ることは簡単ではないかもしれません。
易しすぎる絵本でも上手に読み聞かせることができれば非常に楽しく効果的な読み聞かせをすることができます。日本語で会話をする貴重なきっかけになりますし、ひらがなを教えることもできます。上手にお子さんのやる気を引き出せれば挿絵を使って新しい物語を作る遊びをすることもできます。絵本をただ読み聞かせるだけではお子さんが飽きてしまう場合も多いので、易しい絵本の読み聞かせで注意したいのは「この絵本は簡単すぎるから」と親が読み聞かせを諦めないことだと思います。
難しすぎる絵本も易しすぎる絵本も少々読み聞かせにコツが必要かもしれません。未就学の小さな子どもとおしゃべりを楽しむことが好きで得意なママやパパにはおすすめできる定期購読サービスです。
1年間の購読料を比較
絵本の定期購読の購読料は基本的に
です。そのため多くの絵本が届く定期購読サービスでは購読料は高く、届く絵本の冊数が少ない定期購読サービスでは購読料は安くなっています。「絵本の定価」は絵本の対象年齢によって異なります。0歳児向けの赤ちゃん絵本よりも6歳児向けの児童書に近い絵本の方が長く、挿絵も多く、当然価格も高くなりますから、定期購読の購読料もその分高くなります。例として、1歳児コースを1年間、米カリフォルニアで定期購読した時の年間購読料を比較してみます。
【絵本ナビ】
絵本ナビの定期購読は年間30冊ほどで、購読料はおよそ3万円前後に設定されています。送料は童話館と同じです。
絵本:およそ2500円 × 12ヵ月
送料:およそ1500円 × 12ヵ月
つまり、年間で30冊ほどの絵本におよそ5万円弱。
【童話館】
童話館の定期購読は年間24冊で、購読料はおよそ2万円前後です。送料は絵本ナビと同じです。
絵本:およそ1700円 × 12ヵ月
送料:およそ1500円 × 12ヵ月
つまり、年間で24冊の絵本におよそ4万円弱。
【福音館書店】
福音館の定期購読は年間12冊で、購読料は破格の5000円ちょっとです。福音館の安さには秘密があるのですが、海外への送料も絵本ナビや童話館より200~400円ほど安くなっています。
絵本:定額420円 × 12ヵ月
送料:およそ1200円 × 12ヵ月
つまり、年間で12冊の絵本におよそ2万円弱。
【海外子女教育振興財団】
海外子女教育振興財団の定期購読は年間24冊で、購読料は送料込みで設定されています。米カリフォルニアの場合は年間66,600円です。
海外からの申込みで届け先も海外の場合は消費税は基本的にかかりません。絵本の価格と送料のみが請求されます。しかし、海外発送の場合、合計金額や合計重量などによって居住国で関税や消費税、通関手数料などを、別途現地通貨で請求される場合があり注意が必要です。
海外の送料詳細を比較
海外への発送は「絵本の冊数」と「配送エリア」によって金額が変わります。
【絵本ナビ&童話館】
絵本ナビと童話館では海外発送は原則SAL便です。SAL便の取り扱いがない国にはEMSにて発送してします。以下は絵本ナビと童話館のホームページの送料に関する記載です。
【福音館書店】
福音館書店の海外発送は株式会社OCSに委託しています。送料は絵本ナビと童話館より少し200~400円ほど安くなっています。詳しくは福音館のホームページには書かれていませんので、株式会社OCS公式サイト「海外発送の送料」ページをご覧ください。
▼株式会社OCSとは
株式会社OCSは朝日・日経・読売・毎日の各新聞社と全日本空輸(株)による国際エクスプレス事業を展開する日系グローバルエクスプレス企業です。「海外で暮らす日本人に日本の新聞をお届けする」ことを基本理念とし、書籍や食品の海外配達や輸入のサービスを提供しています。
【海外子女教育振興財団】
海外子女教育振興財団の定期購読料は送料込みで設定されています。送料は他社の2倍くらい高くなっています。詳細は海外子女教育振興財団公式サイト「海外子女のための通信教育幼児コース利用料」ページをご覧ください。
購読料支払方法を比較
【絵本ナビ】
絵本ナビの支払い方法は次の5つです。詳細は絵本ナビHPの支払い方法ページをご覧ください。
- クレジットカード(毎月払い/一括前払い)
- 振込送金(一括前払い)
- 現金書留(一括前払い)
- 代金引換(毎月払い)
【童話館】
童話館の支払い方法はクレジットカードの1つです。詳細は童話館HPの支払い方法ページをご覧ください。
- クレジットカード
【福音館書店】
童話館の支払い方法はクレジットカードの1つです。詳しくは福音館のホームページには書かれていませんので、株式会社OCS公式サイト「海外発送の送料」ページをご覧ください。
- クレジットカード
【海外子女教育振興財団】
海外子女教育振興財団の支払い方法は次の4つです。詳細は海外子女教育振興財団HPの支払い方法ページをご覧ください。
- クレジットカード
- 振込送金
- 口座振替
- 財団窓口
メリットを比較
【絵本ナビ】
絵本ナビの定期購読の一番のウリは利便性です。絵本クラブのサイト自体が非常に使い勝手のよいサイトです。持っている絵本の「差し替え」サービスだけではなく、例えば、年間送料を安くするために毎月の配送ではなく2ヶ月分の絵本を2ヶ月に1回配送してもらうように変更したり、兄弟で違うコースを申し込んだ上でそれぞれのコースの配本を1冊ずつにしてもらい定期購読料を安くしたり、年度の途中でのコースを変更したり退会したり、あらゆるニーズに対して365日24時間インターネットで手続きができます。これは在外居住者にとっては非常にありがたいサービスです。
【童話館】
童話館の定期購読の一番のウリは配本リストでしょう。童話館の配本リストの特徴は「売り上げの伸びない隠れた名作絵本」が多数選ばれていることです。童話館の絵本を頼んだ先輩ママの感想の中でも一番多いのが「本屋や図書館では表紙を見てもきっと素通りしていたと思うくらい意外な絵本がたくさん届き、そんな意外な絵本ほど子どもが大好きになってくれた」という意見です。
童話館がもともと絶版になった絵本の復刊を企業理念としているため、童話館が配本リストに選んでいる自社絵本は他社の定期購読のみならず書店でもなかなか見る機会のない絵本かもしれません。知名度は低くても傑作と言われる良質絵本を配本してもらえるのは定期購読の醍醐味と言えます。
さらに童話館には嬉しい嬉しいサービスがあります。それは配本される絵本のうち童話館出版の絵本は自社絵本割引ということで特別価格にしてくれています。本来、絵本は出版社保護のため値引きできないことになっています(絵本が定価以下の価格で買えるのは中古のみです)。1冊につき300~500円ほど割り引いてくれているのですが、この自社絵本を割引価格で配本してくれる定期購読は童話館のみです。出版社が提供する国内の絵本定期購読サービスには金の星社やこぐま社の定期購読もありますが自社絵本の割引などしていません。童話館の「新品の絵本をお安く買える」価格設定は童話館の定期購読のみの子ども想いの本当に嬉しいサービスです。
【福音館書店】
福音館の定期購読のウリは安さと品質です。自社の「新刊」絵本をどこよりも「安く」提供することだけに特化し、他社絵本を一切配本しないという男気(?)あふれるサービスは他社と一線を画しています。福音館の新刊絵本だけで満足のいく定期購読サービスを受けられるという顧客の信頼があり、福音館書店にはその信頼に足る実績があります。実際に定期購読の配本として420円で購入した絵本が数年後にはどの書店でも平積みされるほどロングセラー作品になる絵本も少なくありません。
【海外子女教育振興財団】
海外子女教育振興財団の定期購読のウリも童話館と同じく配本リストです。隠れた名作絵本を配本してくれる童話館に対し、海外子女教育振興財団の配本の特徴は「外国で生活する子どものために選ばれた絵本」であるという点です。
もともと海外子女教育振興財団は「海外に勤務する邦人の子女および海外勤務を終了した邦人の子女」のために特に母語である「日本語教育を支援」するために設立された財団です。選書には自身が海外で子育てを経験し、海外の日本人学校で教諭として働き、さらに大学では児童文学者として教鞭をとる宮地敏子教授が携わり、公益社団法人全国学校図書館協議会選定の「よい絵本」が中心に選ばれています。公益社団法人全国学校図書館協議会選定は夏休みの読書感想文コンクールを主催していることで有名ですが、学校の図書館の蔵書の基準も示しており、日本の学校教育における読書の指針でもあります。
デメリットを比較
【絵本ナビ】
ホームページで配本リストをご覧いただくと一目瞭然ですが、絵本ナビの配本リストは非常に鮮やかで華やかです。確かに絵本ナビの配本リストは選書バランスがよく、採用されている作家の多さも出版年代の幅も申し分ないのですが、すべて書店でも売れ筋の人気定番絵本ばかりです。いわゆる「静かに味わう絵本」と呼ばれるような落ち着いた色合いの絵本…言葉を変えれば「あまり売れていない(が評価は高い名作)絵本」は配本されません。
いろいろな条件の変更は自由にできるのですが、過去には変更をすると次の月の配送がかなり遅れるというトラブルが頻出していました。この問題が口コミなどで広まって数年経つのでおそらくは改善されていると思うのですが、配送の遅延という問題があったことは知っておいた方がいいかもしれません。
【童話館】
本される絵本を並べると絵本ナビとは対照的に非常に地味です。童話館のホームページに掲載している5冊の「配本例」の絵本はもっとも色鮮やかな絵本が選ばれているので、実際に手元に届く絵本はかなり地味だという印象を持たれるはずです。地味だから売れないのですが、売れないから知名度が低く、知名度が低いために「この絵本は本当によい絵本なのだろうか」と疑いたくなってしまう絵本もあるかもしれません。
【福音館書店】
福音館の定期購読のデメリットは、メリットでもある福音館の新刊絵本のみだという点です。いくら絵本の質が高くても1年で配本される12冊を比べてしまうと「良い絵本」と「良くない絵本」と分けることができてしまうものです。お子さんとママ&パパにとって「良くない絵本」の冊数が多いと「福音館書店の絵本以外の絵本も買いたかった」と思ってしまうのは仕方がありません。
さらに「新刊」絵本だという点も不安要素ではあります。いくら福音館品質と信頼があっても見たことも聞いたこともない新人作家の新作絵本が配本されるということに不安を感じない方は少ないはずです。たとえ大御所作家の絵本であっても新作絵本は「子どもが気にいるだろうか」という不安と「今回の絵本はハズレだったのかな」という猜疑心は常につきまとうことになります。
また福音館の絵本には「ぐりとぐら」シリーズや「だるまちゃん」シリーズなどがありますが、福音館の定期購読で配本される絵本は海外で暮らす子どもたちには理解しにくい絵本が多い場合があります。この点については具体例を後述します。
【海外子女教育振興財団】
海外子女教育振興財団の定期購読のデメリットは価格が高いことです。定期購読利用料に送料も含まれているので送料が高いのかとも考えられますが、同じ内容の絵本は「会員価格」では他社の定期購読料と同じ価格帯に設定されていますから、他よりも高い分は送料ではなく配本や選書のサービス料なのではないかと推測できます。配本される絵本は市販の絵本ですから、日本に帰国する機会さえあれば自分で購入して自分で発送すればこのような手数料は支払わずに済みます。
また配本に公益社団法人全国学校図書館協議会選定の「よい絵本」が多く選ばれていますが、裏を返せば邪道な面白みをもった絵本や作家や出版社が大きな冒険をして製作された「意欲作」などと呼ばれる絵本は選ばれていない傾向があります。
海外発送可4社のランキング
さて、いろいろな点を比較してきました。
という方へ、私が考えるおすすめランキングをご紹介します。おすすめの度合いは「絵本の定期購読にどんな絵本を求めるか」によって異なりますので、希望条件別におすすめランキングにしてみました。
購読料の安さのランキング
まずは一番ランキング付けしやすい価格面から見ていきたいと思います。
年間約4万円:童話館
年間約5万円:絵本ナビ
年間約6万5000円:海外子女教育振興財団
絵本の定期購読を安さで選ぶと「福音館」です。福音館の定期購読を選ぶ場合に気になるのは「福音館の新刊絵本のみ」であるということですから、いわゆる定番絵本と呼ばれるロングセラー絵本もいくらか買い足したいところです。海外に住んでいれば日本のロングセラー絵本の原作である洋書版や現地語版が購入できると思いますので、外国語の絵本をママやパパが自由に訳して読み聞かせるというのもとても良い家庭知育法です。プロの翻訳家の美しい日本語はぜひ帰国の際にお気に入りの絵本を購入されてください。
配本バランスのランキング
安さでは他に追随を許さない福音館のデメリットを補った選択肢と言えば、配本される絵本のバランスでしょうか。絵本の配本バランスがよい定期購読ランキングは私は以下のように考えます。
【第1位】絵本ナビ
第一位は「絵本ナビ」です。人気の定番絵本が作家、出版社、出版年代に偏りなく配本されるのは定期購読業界では極めて稀なことです。配本リストにはどうしても選者の好みが色濃く影響されてしまうものなのですが、絵本ナビはもともと絵本の口コミサイトであり評価サイトの側面も持っていました。現在も絵本のレビューには非常に注力していますが、年間1000万を誇る利用者の忌憚ない意見を配本リストに反映させているといいますから、箱を開けた時の絵本の印象は一番よいはずです。
【第2位】海外子女教育振興財団
第二位は「海外子女教育振興財団」でしょうか。配本バランスは多少ストーリー展開が王道の絵本に偏っているものの、海外で生活する子ども向けに選ばれている絵本は安心できます。公益社団法人全国学校図書館協議会選定の「よい絵本」も海外で生活するお子さんにはやはり大きなメリットだと思います。
【第3位】童話館
童話館の配本は「絶版になった名作絵本の復刊」という特徴ばかりご紹介してきましたが、配本リストには童話館以外の絵本もかなりの割合で含まれています。ただし年齢が上がれば上がるほど童話館の絵本の割合が大きくなるという傾向があり、対象年齢が高い絵本ほど「しっとりと味わう」タイプの絵本はぐっと地味になるという傾向もあり、5~6歳児コース以上の定期購読では「暗い印象の絵本ばかりだな」という印象が強くなるようです。
【第4位】福音館書店
福音館の定期購読は「福音館の新刊絵本」のみの配本ですから、このランキングでは最下位に沈むのは仕方ありません。
絵本の質のランキング
次に配本される絵本の質について考えてみたいと思います。「絵本の質」というのは「子どもの絵本の好みの数」だけあると思っているのでランキングにするのは非常に難しいのですが、ここでは「その絵本を読む可能性」を絵本の質であると置き換えてランキングにしてみました。その絵本を読む可能性が高い絵本はわざわざ定期購読で購入せずとも、他の機会に出会える可能性があるということだと考えました。
【第1位】童話館
童話館から配本される絵本はなかなか出会う機会はありません。自社絵本の割引価格という業界では破天荒なサービスも含め、童話館の定期購読サービスは「あえて利用する」価値を感じます。もちろん人気絵本も定番絵本も含まれています。およその割合をご紹介すると0~2歳の未就園児向けコースでは6割以上が、3~6歳の園児向けコースでは5割以上は人気定番絵本だという印象を受けました。
【第2位】福音館書店
福音館から配本される福音館書店の新刊絵本も「出会いの可能性」という観点からは非常に貴重なサービスだと言えます。人気がある絵本は数年後、もしかしたら数ヶ月後にはハードカバーの絵本に製本され書店に並んでいる可能性もあります。しかし、日本で出版される新刊絵本の9割は出版された年に絶版もしくは休刊が決まります。親としては初めて見る絵本よりも自分が子どもの頃に親しんだ知っている絵本を子どもにも読んであげたいと思うのが親心ですから、絵本業界で新刊が売れにくいのは仕方のない傾向ですが、当然新刊絵本の中には1年で絶版になってしまうには惜しい名作も多く含まれています。特に福音館の新刊絵本は絵本としての質は保障されているようなものですから、未来のロングセラー絵本を420円という破格で読んであげられるのは大きなメリットだと思います。
【第3位】海外子女教育振興財団
公益社団法人全国学校図書館協議会選定の「よい絵本」はおそらく書店にも図書館にも目立つ場所に置かれているはずですから、意識せずとも目に留まり手に取る可能性が大いにあります。ただし、配本リストの中に1割ほど、定期購読の配本としては非常に珍しい絵本が含まれています。おそらく監修者である宮地教授のご経験による判断なのでしょうが、海外で子育てをする親としては一読の価値がある絵本だと思います。
【第4位】絵本ナビ
絵本ナビの配本は人気絵本と定番絵本が9割以上占めます。絵本ナビの配本リストは大型書店で平積みされている絵本とあまり変わりません。帰国した時に図書館やいとこのおうちに行けば読めそうな絵本ばかりです。
変更の自由度のランキング
海外で子育てをしなければいけない親として、実は一番重要になるのがこのランキングです。絵本の定期購読業界は若干時代に乗り遅れている感があり、ホームページなども少々見にくい古いタイプのものも散見されます。Amazonや楽天のように好きな時にクリック一つで…という便利さは結構貴重な特徴なのです。
【第1位】絵本ナビ
持っている絵本の差し替えは、絵本ナビに登録しているすべての絵本の中から選べます。利便性で言えばダントツで絵本ナビをおすすめします。絵本ナビは一度定期購読に申し込んでしまえば、10冊までという上限はありますが、好きな絵本を好きな時に注文できます。実質、送料が格安のオンライン書店として利用できることになります。途中の退会も自由です。サイトも見やすく、モバイル対応もされており、まったくストレスを感じずに利用することができます。
【第2位】童話館
持っている絵本の差し替えは、童話館があらかじめ用意している「予備リスト」の中から選べます。配本冊数を1冊にしたり、途中で退会することもできます。
【第3位】海外子女教育振興財団
持っている絵本の差し替えをしてもらえます。途中退会も可能で「JOESが設定した利用中止申出期限までにご連絡いただいた場合は、配本を中止し、一部返金にて対応します」とのことです。
【第4位】福音館書店
配本の差し替えはできません。新刊絵本が配本されるので「すでに持っている」ことがないためです。年間購読は途中退会もできますが、インターネット上では手続きできず、福音館書店が委託している株式会社OCSに直接問い合わせをする必要があるため少々手間がかかります。
海外でおすすめの定期購読
絵本はママやパパが好きな絵本がお子さんにとって一番良い絵本だと言われています。ご自身では意識されていなくても好きな絵本を読み聞かせるときには、声もリズムもスピードも、お子さんがその絵本を最も楽しめるような読み聞かせになっているのだそうです。
定番絵本を読んであげたい方は「絵本ナビ」を、じっくりと読み聞かせができそうであれば「童話館」を、「ぐりとぐら」や「だるまちゃん」など福音館の絵本がお好きであれば「福音館」を、学校図書に選ばれるような堅めの絵本から読み聞かせてあげたい場合は「海外子女教育振興財団」を選んでみてはいかがでしょうか。僭越ながら私が考える「海外で子育てをしているご家庭におすすめの定期購読」をご紹介させてください。
頻繁に帰国できない方へ
日本では書店で自由に購入できる絵本をわざわざ送料を払ってまで定期購読として購入する一番のメリットに「自分では選ばないであろう絵本が届く」という点があります。日本に住んでいて好きな絵本をいつでも気軽に購入できる状況であれば、定期購読を利用することでよりバリエーション豊かな読み聞かせができるようになります。
頻繁に帰国できない場合は、自宅の蔵書の基礎となるべき絵本すら購入することができませんから、バリエーション豊かな絵本を購入することよりもまずは基本的な絵本をそろえることが先決ではないでしょうか。このように考えると、頻繁に帰国できない方におすすめしたい定期購読は「絵本ナビ」か「海外子女教育振興財団」です。
絵本ナビの配本リストは乳幼児期に一度は読んであげたい絵本ばかりが選ばれていますから、あまりたくさんの絵本を買えない状況では絵本ナビの絵本を持っていればひとまず安心ですし、日本の学校図書に準ずる絵本を読んであげられるという海外子女教育振興財団の絵本もおすすめできます。
頻繁に帰国できる方へ
頻繁に帰国できる方は比較的自由に絵本を買えるでしょうから、「自分では選ばないであろう絵本が届く」という絵本の定期購読のメリットを活かすこともできます。定期購読で「自分では選びそうにない個性的な絵本」を購入する選択肢もよろしいのではないでしょうか。
すでにたくさんの絵本を持っている場合
すでにたくさんの絵本を持っているご家庭では「福音館」か「童話館」が良いのではないでしょうか。「童話館」の配本リストには翻訳絵本が比較的たくさん選ばれているので、英語や現地語が自在に扱える方は現地で英語版絵本や現地語版絵本を購入してご自身で日本語に訳して読み聞かせをすることもできるため、翻訳絵本がほとんど入っていない「福音館」がよろしいかもしれません。
まだ絵本はほとんど持っていない場合
まだ絵本をほとんど持っていない場合、「福音館」の定期購読には不安点があります。例えば、福音館の代表的な絵本に「ぐりとぐら」シリーズがありますが、ぐりとぐらの絵は小さな子にはネズミなのかウサギなのかネコなのか分かりにくい絵です。本来であれば他にも野ネズミの絵本をたくさん読んで「野ネズミがどんな動物であるか」という概念を学んでいくのですが、読んであげられる絵本が限られている場合は日本語の概念を学ぶことは難しくなります。
もし選べるのであれば、できるだけ日本語の概念を学びやすい絵本を選んであげた方が乳幼児期の日本語の発達は早くなります。まずはお子さんにやさしい絵本から読み聞かせてあげて、絵本にも日本語にも慣れてから他の絵本も読んであげられるとよろしいのではないでしょうか。「童話館」の絵本が抽象的な挿絵の絵本ばかりだということではないのですが、童話館から配本される絵本は海外にいても比較的理解させてあげられる挿絵が多いのではないかと思います。
海外発送可4社の申込ページ
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この記事が絵本の定期購読選びのお役に立てば嬉しく思います。