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英語と絵本
英語力と『英語の絵本』
書店にならぶ英語の絵本が年々増えています。英語の絵本を読み聞かせるとお子さんの英語力を伸ばすことができます。
大好きなママ&パパに絵本を読み聞かせてもらって身についた英語力は、幸せなぬくもりの記憶とあいまってお子さんの英語力を長く支えてくれます。
英会話と『行事の絵本』
英語力のための絵本というと英語の絵本ばかりが人気を集めていますが、実は「行事の絵本が英会話力に効く」と最近にわかに注目されているのをご存知でしょうか。
なぜ日本の行事の絵本を読み聞かせると英会話力がつくのか、理由を3つご紹介します。
「英会話に行事の絵本」
理由1 日本を知る
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英語で何を伝えるか
英語はただの「コミュニケーションの道具」なので、英語で何を話せるのか、その内容が重要になります。
ふだんの暮らしで「日本人としての自覚」や「愛国心」などを意識する機会は多くはないかもしれませんが、海外に行けば、さまざまな場面で日本や日本人についてたくさん質問をされます。それに一応の「日本人代表」として答えなくてはいけません。
英語を勉強するために語学留学にいく学生が、英単語の本と一緒に必ず「日本に関する本」を持っていき、帰ってきたら日本の人口や歴史や経済に詳しくなっている理由です。
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日本を語る
人口や歴史や経済の話しと違って、日本の行事というのはこちらが積極的に話そうとしない限り話題にならないものです。
例えば、こいのぼりやひな祭りを例に挙げてみましょう。外国には「男の子の祭り、女の子の祭り」という概念がない国が多いので、「日本の男の子のお祭りはいつなの?」とか「日本の女の子のお祭りはどうやってお祝いするの?」などと聞かれることはありません。こちらが「日本には男の子のお祭りと女の子のお祭りがあって、男の子のお祭りは…」と1つずつ説明しなければいけません。
もともと話し好きな外国人の会話に入っていくには、相手の会話をさえぎってまで伝えたいという強い気持ちが必要です。なじみの薄い行事では「なんか会話もりあがってるし、別に話さなくてもいっか」と思ってしまうかもしれません。
「日本にはこんなにおもしろい行事があるんだ」と英語で自信をもって伝えられるようになるには、行事を楽しんだ経験があった方が絶対によろしいでしょう。行事の絵本を読んでから行事を体験すると、楽しさも、楽しかったという記憶も桁違いに大きく深くなります。
理由2 日本を経験する
行事の絵本が英会話力を伸ばしてくれる2つ目の理由は、行事の絵本が「絵本」だからと言えるかもしれません。
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経験に裏打ちされた日本
インターネットが普及した次の時代には「日本に関する本」では不十分になります。知りたいと思えばスマホで調べれることができるのですから。
調べれば分かることなのに話しを聞きたいと思うのは、ウィキペディアのような一般的な情報でなく、その人の体験談や意見を聞きたいからではないでしょうか。
本に載っている辞書のような情報ではなく、自分が経験した日本文化や自分が考える日本の政治経済を、お子さんには堂々と英語で伝えられるようになってもらいたいと願います。
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絵本で日本を知る
子どもに日本の文化や行事を経験させてあげたいと思っても、都市化してしまった今のライフスタイルではできなくなってしまったものもたくさんあります。
マンションに住んでいる場合は大きな雛飾りやこいのぼりは飾らないかもしれませんし、しょうぶやイワシの頭を飾ることもできないかもしれません。
しかし絵本の中なら体験できます。
子どもは教えればどんどん学びますが、教えられないことは知らないままです。行事の絵本を読んで日本古来の伝統や文化について少しでも学んだ子どもは、幼稚園の行事にもずっと積極的にかかわりますし、偶然見かけた日本の風習にも敏感になります。
行事の絵本はお子さんが行事を経験するきっかけにすぎません。絵本を読んだことがきっかけになって、町の行事に参加したり、スーパーの飾りについて話しをしたりする小さなことで、お子さんは季節の移り変わりと季節の楽しみ方を体で感じられるようになります。
理由3 抵抗感がない
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古いものへの抵抗感
英会話力のために行事の絵本をおすすめする3つ目の理由は、絵本を読めるくらいの乳幼児であれば「古くさいもの」に対する抵抗感がないことです。
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「古いものはダサい」
小学生から中学生くらいになると、日本古来の伝統や文化に対して「めんどくさい」とか「ダサい」とか「興味ない」などと言うようになるかもしれません。本当にそう感じているのだとしても、気恥ずかしくてそう言ってしまうのだとしても、乳幼児期に比べて感性も想像力も落ちていますから昔のことを考えるよりもアニメやゲームの方が楽しいと感じてしまうのも仕方のないことかもしれません。
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温かく幸せな記憶として
この点について乳幼児であればまったく問題ありません。少し難しい絵本でもママやパパが読んでくれれば、すぐに絵本の世界に入っていけます。ママやパパにすっぽりと包まれて温かく幸せな気持ちと一緒に記憶されることでしょう。
将来外国人と話しをするときには「大きな笹の葉をかざって面倒だった」ではなく「大きな笹の葉をかざってすごく嬉しかった」と言ってもらいたいと願います。
日本人という自覚
日本の絵本と外国の絵本
たくさんの絵本を読み聞かせるママやパパは、外国の絵本もたくさん読んでくださる方が多いです。ですが、アレンジが加わっていない日本の昔話や古事記や行事の絵本を読み聞かせてくださるママやパパは、残念ながら、多くはありません。もしかしたら「古いもの」はママやパパにとってもあまり面白味のない内容なのかもしれません。
「日本」と「外国」
子どもにとっては外国の絵本も昔の日本の絵本も似たようなもので、どちらも「身近でないもの」です。しかし絵本の時間にママやパパが「これはずっとずっと昔、おじいちゃんやおばあちゃんが子どもだった頃のことなんだよ」と言ってあげたり、「わあ、おもしろい形をした家だね。これは外国の家だね。ママも見たことないな。見てみたいな」と言ってあげたりすると、子どもはおぼろげながら『外国』と『日本』という違いを感じとります。
日本の行事の絵本を読んで、外国の絵本も読んであげることで、絵本は子どもの初めての異文化体験になります。
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