胎教の効果には未だ科学的根拠はありません。しかし、赤ちゃんの脳が絵本の読み聞かせによって知能面でも情操面でもよい刺激を受けることは今や通説です。ここでは「胎教効果」を「赤ちゃんが生まれた時の効果」と定義をして、絵本の読み聞かせが胎教に良い3つの理由と5つの胎教効果について考えています。
【このページの目次】
胎教と絵本と知育効果
胎教効果なんてない?
胎教の効果には未だ科学的根拠はありませんが、科学的に実証されていないだけで絵本が赤ちゃんによい影響を与えることは間違いありません。
「科学的」根拠がないだけ?
絵本の胎教効果は、例えば「妊娠○週までに××冊以上の絵本を読み聞かせた赤ちゃんは脳の数値が△倍だった」などという科学的な数値が証明されていないだけで経験則的には確実によい効果があると言えます。ご縁があった幼児教室ではどこも「小学校入学時点の子どもの学力はその子が読んだことのある絵本の冊数におよそ比例するというのは業界内の通説」という認識でした。
絵本の5つの胎教効果
では、実際に絵本の読み聞かせをしてどのような効果を感じることができるのでしょうか。私は胎教のプロでも脳科学のプロでもありません。こちらでご紹介する「胎教効果」はこれまでの個人的なヒアリング調査(過去10年間でおよそ100人のお母さまにヒアリング)が主な根拠になります。胎教で絵本の読み聞かせをされたお母さまは例外なく出産後も読み聞かせを続けますので、こちらでご紹介する「胎教効果」が妊娠中の読み聞かせの効果なのか産後の読み聞かせによる効果なのかは定かではないことをご了承ください。
絵本好きな子になる
たくさんの絵本を読み聞かせてもらったお子さんはもちろん絵本好きです。そして、6歳までにたくさんの絵本を読んでもらったお子さんは、特別なケースを除いて小学校6年間の成績はとても優秀です(中学以降の成績は小学校時代の勉強習慣の質に依ります)。
集中できる子になる
絵本は対象年齢が上がれば上がるほど、長く複雑になっていきます。0歳児向けの単語のみの、簡単なのにとても魅力的な短い絵本からスタートして、年齢にあった絵本を読み続けるだけでお子さんはとても質の良い集中力を自然と身につけることができます。
言葉に敏感な子になる
幼児向けの絵本の中には意外と難しい言葉が含まれている作品があります。単語の難易度だけで言えば小学校高学年のレベルに該当する形容詞や比喩などです。絵本をたくさん読み聞かせてあげると、お子さんは幼児向けの簡単な言葉に混じって「難しい」というイメージを持たずに高尚な言葉に触れることができます。そのような聞き覚えのある「難しい」言葉に、児童書や教科書の中でその言葉を学ぶべき時期に出会えば、その言葉を初めて聞く子どもよりも理解も定着も桁違いです。一語一語の小さな成功体験が積み重なり「国語が好き」「言葉が好き」というポジティブな感情を生み、言葉に対して敏感になっていきます。
文字を覚えるのが早い
稀に、絵本を「文字を教える道具」として扱うことに非常に強い嫌悪感を抱く方がいらっしゃいますが、子どもたちは絵本を通して文字に慣れていくことは事実です。絵本をたくさん読み聞かせてもらっている子どもたちなら3歳台でひらがなが読めるのはふつうのことです。年長さんにもなれば漢字も読めてしまいます。小学校入学前に漢字がいくつも読めることは特別なことではなく、絵本を読むときにちょっとだけ文字に注目させてあげるだけです。教室ではいつもゲームのように楽しんでいて、子どもたちはますます絵本が好きになっているように感じました。それほど嫌悪するほど悪いことだとは思わないのですが、中には「絵本は芸術作品だから物語を楽しむことだけに集中すべき」とおっしゃる方は毎年いらっしゃいました。
知識欲が旺盛な子になる
絵本をたくさん読み聞かせてもらった子どもは知識欲が旺盛です。書物はもともと知識の集合物です。大人の読書には「学びの読書」と「娯楽の読書」があります(ハウツー本などの実用書は前者、芥川賞や直木賞などの受賞作品などは後者)が、子どもの絵本は両方です。学びでもあり娯楽でもある読書ですから、子どもたちは学びながら楽しみ、楽しみながら知識を吸収しています。知識というのはある程度蓄積されますと、ある時期から急に知識自体に対して強い興味を抱くようになります。絵本をたくさん読み聞かせてもらうと子どもの中に有象無象の知識が溜まっていき、その知識が日常体験や学校の勉強などのきっかけで使える知識として定着します。幼児教室で知的好奇心がとくに強いなと感じたお子さんのママは例外なく「妊娠中から読み聞かせをしていました」とおっしゃっていました。
絵本が胎教にいい3つの理由
赤ちゃんの立場からの理由
1. ママの声が聞ける
妊娠5ヶ月ころになると赤ちゃんの耳はほぼ完成し、ママの声を聞くことができるようになります。赤ちゃんは常にママのやさしい声に耳を傾けています。特に初めての妊娠では、パパが会社に行ってしまうと一人きりの家であまりしゃべることもないというママも多いのではないでしょうか。
妊娠中にあまりしゃべらないママは、ほとんどの方が赤ちゃんが生まれてからもあまりしゃべりません。生まれたばかりの赤ちゃんはたいてい寝ていますし、初めてのママは「反応のない赤ちゃんにどう話しかけていいのか分からない」という方も少なくありません。絵本の読み聞かせを通して、半ば強制的に「赤ちゃんに言葉をかける」習慣をつくることも大切かもしれません。
さらに、おなかの中の赤ちゃんに絵本の読み聞かせをすると普段の会話のママの声ではなく、「本を読む」という穏やかな流れのあるママの声を届けることができます。
▼ママの楽しい声が聴ける絵本
ママの立場からの理由
2. ママがリラックスする
もともと「声を出すこと」「自分の声を聞くこと」にはリフレッシュ効果やリラクゼーション効果があります。学生のころ以来、本を音読することから遠ざかっていたママには特に絵本の読み聞かせは強くおすすめしたい胎教です。
ママがリラックスすると赤ちゃんもリラックスをします。ママがリラックスした状況というものがすでに赤ちゃんにとてもよい胎教であるとする胎教本もありますが、ママがリラックスをすることに慣れると陣痛の痛みや安産に効くと考えるのがソフロロジー出産です。胎教になるかもしれないし、安産にもつながるかもしれない。絵本の読み聞かせはやって損はないと思います。
そして、ママが絵本を読むことに慣れていて、読み聞かせることを楽しむことができればできるほど、必然的に赤ちゃんは本好きな子に育ちます。
▼ママのリラックスにおすすめの絵本
新生児育児からの理由
ママが読み聞かせに慣れられる
「生まれたばかりの赤ちゃんに絵本を読むなんて考えられない」という方もいらっしゃいます。しかし、絵本の読み聞かせは早ければ早い方がよろしいです。生後半年で始めるのであればママが床上げをしたらすぐの方がよろしいですし、出産後に始めるのであれば妊娠中から読んであげる方が確実によろしいと断言できます。
絵本の読み聞かせは続けなければあまり意味はありません。例えば、保育園に入るまでは熱心に読み聞かせをされていたママの中に、保育園に通い始めた途端に「園でも絵本の時間があるのだから…」と、おうちでの読み聞かせをやめてしまう方が稀にいらっしゃいます。乳幼児の間にたくさん読み聞かせをしているので、入園直後は言葉も行動もしっかりとしていて他のお子さんに劣るどころか、むしろ発達が早めに感じられることでしょう。しかし、絵本の読み聞かせをこのタイミングでやめてしまうと学力に差が出るのは小学校に入学するころです。子どもへの読み聞かせは小学校低学年までは続けた方がよいとされますから、妊娠出産から始まるおよそ10年間の読み聞かせ習慣の準備期間としても、妊娠中の読み聞かせは大切だと考えられています。
▼読み聞かせ習慣づくりに役立つ絵本
まとめ
胎教と読み聞かせ
音楽も読み聞かせも胎教の効果には科学的根拠がありませんが、それは胎児にどのような効果があるのかが分かっていないだけで、音楽や読み聞かせが脳によい影響を与えることはすでに実証されています。(各説に議論は残るもののモーツァルト効果や『幼児ポピー』による脳の調査など)
絵本の読み聞かせはこれからのお子さんの知力の基礎を決定づけるにもかかわらず、乳幼児期に読み聞かせを続けることができないご家庭の一番の原因はお子さんではなく「親」にあります。「時間がとれない」「面倒臭い」「子どもが興味を示さない」どれも早い時期に読み聞かせを習慣化できなかったことが原因です。読み聞かせは「万能知育」と呼ばれるほどに大切な幼児習慣ですから、胎教として読み聞かせを始めることで「親が」より早く読み聞かせに慣れておくことはとても大切です。
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