不登校中にやっておきたいこと。学校の勉強をすれば復帰が早まる可能性を高めます。自己肯定感を高める勉強をすれば復帰後に再び不登校になるリスクを軽減できます。
【このページの目次】
不登校中の2つの勉強
主要5教科と実技4教科
学校の勉強は主要5教科に加えて実技4教科も忘れないでください。登校を再開したいときに一番不安になるのが実技教科です。実技教科のせいで不登校が無駄に長引くことがないようにサポートしてあげたいところです。
自己肯定感を高める勉強
自信と自己肯定感を高めるための何かを探してみませんか? 好きなこと探し、生きがい探し、自分探し…一般的に何も考えてこなかった大学生が就職を前にして直面するテーマです。ヨーロッパでは10歳前後でじっくり考えられるように、学校の勉強はゆっくりと進められたりしますが、日本では子どもが人生を考える時間はそうはありません。そんな日本で幸か不幸か、不登校により人生のこんな早いタイミングでじっくりと自分のやりたいことを探す時間が手に入りました。お子さんの人生の目的を一緒に探してあげてください。
なんでも試してみて「やってみた感じ」を反芻しながら自分の好きなものを探していくことになりますが、まずは英語とプログラミングから始めてみてはいかがでしょうか。
【主要5教科の勉強】
主要5教科の勉強はとても大切です。「勉強をしたくない」という理由で不登校になった場合を除き、家での勉強は「授業に遅れないように」というよりもむしろ「不登校中にクラスメイトに差をつけてやるぞ」くらいの気持ちが持てたならば不登校中の勉強習慣は早期に安定します。
毎日計画的に
勉強は毎日決まった時間に勉強しましょう。学校の時間割にそって勉強をすることができれば最も楽で確実な方法です。
学校の時間割を見ると気持ちが沈んでしまうという場合には、学校の授業とは全く異なるタイムラインで勉強を進める必要があります。有名な通信教育「チャレンジ」などは毎月の勉強計画表もポップで可愛らしく、勉強環境を整えやすいかもしれません。
通信教育か家庭教師か
不登校中の家庭学習というと通信教育か家庭教師かという選択肢を考える方がいらっしゃるかもしれません。私のおすすめは通信教育(および通信教育と家庭教師の併用)です。
家庭教師のみという勉強法はあまりおすすめしません。不登校で対人関係に自信をなくしているところにマンツーマン授業というものができるかどうかも怪しいですが、まずお子さんにあう講師探しに何人もの講師とお試しレッスンをしなければいけません。あまりにも心のエネルギーを無駄に消費してしまうと思います。最終的にはお子さん本人の希望が第一ですが、まずは通信教育で様子をみてはいかがでしょうか。
おすすめ家庭学習教材8選
不登校中に利用しやすい家庭教育教材はいくつもありますが、それぞれメリットとデメリットがあります。例えば先ほどご紹介しました「チャレンジ」のデメリットは問題数が少なく、難易度が高くないことです。お子さんに合いそうな教材をいろいろと試させてあげてください。個人的におすすめなのは「Z会通信教育」もしくは「ネット松陰塾」です。
【実技4教科の勉強】
「学校に行って大丈夫かな」という不安を強く大きく感じるのは実技4教科です。実技4教科である体育、家庭科、音楽、美術ではみんなで同じことを行います。自分がしていることはみんなに見られてしまいますし、できるだけ存在感を消してその場を乗り切るということもできません。
体育
体育の授業ですることは経験を
不登校が長引いたお子さんが一番に心配するのは、上手にできるかどうかではなく、他の子が知っていることを自分が知らないのではないかということです。
例えば、小学校入学直後に不登校になって小学校高学年もしくは中学生になって学校に行きたいと思った場合、そのお子さんの体育の授業の経験はドッジボールくらいでしょう。バスケットボールやバレーボールの授業があったとしてもそもそもルールを知らないかもしれませんし、体操服に着替えたらまず用具を出すこと、片付ける係があらかじめ決まっていることなど授業のいつものお約束も知らないはずです。
知らないことが多すぎる状況になるので、できるだけ体育の授業を疑似体験できる機会を作ってあげましょう。バスケットボールやバレーボールであれば、テレビでちらりと流れた時にルールについて話をしたり、機会があれば試合を見に行ったり、そんな些細なことでも大きな力になる場合もあります。
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授業に復帰して一番問題になるのは体力
「明日は学校に行こうかな」と言い出すお子さんが、学校へ行く前日に震えるほど不安に感じるのは他の子が知ってることを自分だけが知らないかもしれないということですが、実際に授業に復帰して問題になるのは体力のなさです。なんとかお子さんに合った方法を探し出して、体を動かすことを習慣化できるようにしてあげてください。
習慣化は毎日でなくてもよろしいかもしれません。私の知っているお子さんは毎日走るのが嫌だったので、3~5ヶ月に1回、マラソン大会に参加して、4キロマラソン、8キロマラソン、10キロマラソンなどに参加していました。(4年かけて42.195キロを走破できるようになったらしいのですが、42.195キロを走りきるためにはさすがに毎日練習が必要だったらしく、それでも平坦な道での練習は恥ずかしくてできなかったため代わりに人に会う可能性の極めて低い箱根駅伝のような登山道の歩行者用散策路を走っていたと教えてくれました)
家庭科
家庭科でまず押さえておきたいのは、料理、裁縫、洗濯です。家庭科の授業は調理器具であったり、ミシンの使い方であったり、細々としたことが多いので一夜漬けがしにくい内容です。しかし、授業の内容はもっとも生活に即していますので、うまく生活に取り入れることができれば将来の一人暮らしの練習にもなりますし、もっとも成長を実感できる要素かもしれません。
料理
不登校の間はお子さんと一緒に作ってはいかがでしょうか。はかりや軽量カップを使えば算数の勉強にもなりますし、料理は強くおすすめします。料理はできるようになれば楽しいものなので、料理好きになってもらえると1週間のレシピを考えてくれるようになったりします。
裁縫
裁縫については、ぞうきんを縫うことなど簡単な作業から始めて、家庭科の教科書に載っている程度のバッグやエプロン、刺繍などをさせてあげてください。お父さんの誕生日などを口実にプレゼントとして作る機会をあげるとよろしいかもしれません。
洗濯
洗濯は、実技として学校で実際に洗濯をすることはありませんが、洗濯表示だけは押さえておいた方がいいと思います。洗濯物をたたむ時に洗濯表示の違いについて話をしたり、洗濯をするときに酸性とアルカリ性の洗剤について話題を向けたりしてみてはいかがでしょうか。
音楽
復帰直後に音楽の授業で歌を歌うにしても、楽器練習をするにしても楽譜はできれば読むことができた方がいいと思います。音楽の教科書に載っている曲はどきどき忘れた頃にリコーダーで吹いてみるよう促してあげてはいかがでしょうか。合奏ができるとぐんと楽しくなりますから、可能であればお母さまとお子さんのリコーダーとで合奏するのは非常におすすめです。
可能であれば楽器を習わせてあげたいところですが、楽器の先生とはマンツーマンの時間を過ごすことになりますし、音楽の先生は神経質な性格の方も少なくありませんから運次第、相性次第ということになるかもしれません。
私が知っているお子さんの例では、ヤマハのギターの伴奏レッスンを受けて腕を磨き、登校再開したときに(小学2年生で不登校になり高校入学を機に完全復帰)文化祭でギター演奏をして人気者になったというお子さんがいました。
音楽の教科書は一度お子さんと一緒に読んでみた方がいいと思います。ベートーベンや滝廉太郎などお子さんが興味をもった作曲家は、図書館で伝記を借りてみたり、彼らの音楽を家族で鑑賞したりしてみるのもおすすめです。
美術
稀に「大きな画板が嫌だ」「大きな作品を作るのが恥ずかしい」などと感じる子がいます。美術の道具は使いきりの消耗品ですし、お値段もお安くはありませんが、可能であれば何か大きな作品を作らせてあげてください。
私が知っているお子さんでは不登校中に製作した大きなキャンパスの絵を「不登校で成長した証」としてずっと大切にしているという男の子がいます。
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【夢中になれること探し】
主要5教科と実技4教科に加えまして、お子さんが夢中になれること、時間を忘れて没頭できることを見つけることができると復帰も早まりますし、登校再開後に再び不登校になるリスクを軽減できます。
おすすめ1. 英語
不登校中にやりたいことNo1は「英語」です。金銭的な余裕があり、近くに教室があるならば公文がおすすめです。公文の英語は英検に直結していますから、学年よりも上の英検の級にすぐに挑戦できるようになります。
小学生卒業時に5級で通常レベル、4級で先取りレベル。中学生卒業時なら3級で通常レベル、準2級で先取りレベル。高校卒業時なら2級で通常レベル、準1級で東大問題レベルです。
もし公文の英語を受講することが難しければ、タブレット学習教材「スマイルゼミ」がおすすめです。スマイルゼミは(追加料金はかかりますが追加料金がかかっても公文1教科より安いです)有料コンテンツである「英語プレミアムコース」にある「英検コース」がかなり優秀です。タブレット教材なので画面をタッチするだけでリスニングに取り組めるのが一番のメリットでしょうか。英検までの勉強スケジュールも自動表示されますし、もともと毎月配信の通信教材ですので主要5教科も学べます。
▼ スマイルゼミの資料請求
送付される無料資料の一つ「英検コースの年間カリキュラム」は英検の各級受験までの勉強項目(すなわち合格に必要な文法事項)が一覧になっていて、英検対策にとても役に立つ ”お宝資料” ですよ。
(ただし、不登校中にタブレット教材を家庭学習のメインにすることはおすすめしません。学校に行かない状態でタブレット学習を重きをおくと目にも姿勢にも大きな負荷をかけることになってしまうからです)
さらに、やる気があれば英会話もおすすめです。英会話は英検のようなモチベーションUPのための良い試験がないので上達を感じにくいかもしれませんが、例えばオンライン英会話でも「グローバルクラウン」などは都度予約ではなく、毎週決まった曜日の決まった時間を指定することができますから、平日の午前中などに予約をしておけば毎日の規則正しい生活にも一役買ってくれます。
▼ オンライン英会話グローバルクラウン
講師は全員日英バイリンガルなので安心。レッスンの曜日&時間を固定できる小・中学生向けのオンライン英会話レッスン。レッスンと連動したアプリも人気。
おすすめ2. プログラミング
不登校中におすすめな学習は英語ともう一つ「プログラミング」。新しい習い事として注目を集めているプログラミング教室ですが、時間がたっぷりとある不登校中に取り組んでお金をもらえるレベルに到達する子もいるほど不登校っ子とは相性のよい勉強内容です。
ゲームで遊ぶように本格的なプログラミングが学習できる子ども向けオンライン教材なのでおすすめです。
▼ 小学1〜6年生におすすめ
基本コースを終えたら「英語で学ぶプログラミング講座」が楽しい!
▼ 小学5年生〜高校生におすすめ
アナ雪やアラジン、アリエル、プーさん…可愛らしいディズニーキャラクターたちが登場するミッキーの魔法学校の生徒になって魔法(プログラミング)を学びます。もともと中高生向けに作られたオンライン教材ながら受講生の3分の2は大人というハイクオリティで、終了すると自分だけのウェブサイトやゲームを作れるようになります。しかし人気の一番の理由はキャラクターでもカリキュラムでもなくゲーム感覚で学べる(=続けやすい)こと!
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