5分で読める!シュタイナー教育って何?家庭で取り入れるヒントに

シュタイナー教育とは
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画像はウィキペディア『シュタイナー教育』より

シュタイナー教育って何?

俳優斎藤工が受けた教育

俳優として活躍する斎藤工氏が『女性自身』のインタビューで幼少期について質問された際に、「シュタイナー教育を受けられたことを今では本当に感謝しています」などと答えたことで主婦層のファンを中心にシュタイナー教育が再び注目されました。

キーワードは「自然」

「シュタイナーの木のおもちゃ」という名前を聞いたことはないでしょうか。シュタイナー教育では子どもを人間の基本的な生活である「衣」「食」「住」を自然でナチュラルな状態で育てることを大切にします。

おもちゃや遊具は木や布など自然素材のものが使われ、食生活は菜食玄米のマクロビオティックで国産の食べ物がよいとされ、食器ももちろん自然素材のものですし、洋服はオーガニック素材のものが推奨されます。プラスチック製のおもちゃやテレビ、スナック菓子、合成洗剤など、人工的なものの多くは禁止されています。

「感性をはぐくむ教育」

シュタイナー教育を一言で紹介するときには、私は「感性を育てる教育」だという言い方をしています。シュタイナー教育は子どもを自然の中で自由にのびのびと育てて、自分の心に素直に生きる力を養う教育法です。

芸術性に富む教育内容

シュタイナー教育の教育手法は芸術性に富んでいるのが特徴です。幼少期のカリキュラムには絵や工作や音楽など、一般的に「芸術教育」とも呼ばれる感性教育がたくさん取り入れられていますが、その内容も子どもの感性をより刺激するように徹底されています。

例えば、工作の時間にモービルを作れば、一般の幼稚園でもよく行われるちぎり絵の要領で「紙が破れる感覚」を楽しみ、「のりを使って細かく貼り付ける作業」で手先の器用さを鍛えるだけでなく、素材に薄い紙を使っているために、飾ればステンドグラスのように太陽の美しく暖かい光を感じられるように考えられています。

また、シュタイナーの教育法として知名度が高い「ぬらし絵」は水で濡らした紙に絵の具を落として描くという手法で描かれる絵です。「赤と青が混ざると紫になる」などと「勉強」をすることはありませんが、子どもたちは経験則的に学び取ります。描いた後に絵を飾れば、その偶然にできた形や色を見て「これはお花みたい」「これは妖精みたい」などと、絵の世界を想像して楽しむことでしょう。

シュタイナーの「勉強」

シュタイナー教育では7歳までは「夢の中にいる時間」であると考え、まずは体をつくることに注力します。子どもが「自分は世の中に受け入れられている」と実感できることで、心にストレスを与えず、自然の中で感性豊かにのびのびと過ごすことが一番の体づくりだと考えます。シュタイナー幼稚園の「勉強」は「遊ぶこと」であり「感じること」です。

体づくりの期間中は子どものすべてのエネルギーが体づくりに使われるために、知能を鍛える教育は一切しません。シュタイナー幼稚園では字の練習もしませんし、数も教えません。7歳まで、つまり小学校2年生までは知能教育はしないのですが、シュタイナー小学校では卒業するまでには必要な勉強はすべて終えられるような、一般の義務教育とは勉強するタイミングが大きく異なった学習カリキュラムになっています。

哲学的・人智的な教育法

シュタイナー教育の理論を作り上げたルドルフ・シュタイナーはドイツの哲学者です。そのためシュタイナー教育は哲学独特のとても複雑でとても難解な考え方から成り立っています。

日本で出版される書籍や雑誌の中では省略されることも多いですが、心を「魂」と「精神」とに分け、精神界からの刺激を大切にしていたり、教育とは「世界を模倣し受容するものである」と定義していたりするなど、シュタイナー教育の理念は非常に哲学的かつ人智学的です。全体像を理解するのは専門家でも難しいと言われる難解な理論と思想に基づき、シュタイナー教育は行われます。

シュタイナー的子育て

シュタイナー教育は非常に難解なため、1990年代に日本で大流行した際の「シュタイナー子育て」は厳密なシュタイナー教育ではなく、シュタイナー教育の難しい説明をすべて省略して、理解しやすく実践しやすい部分だけを取り出した「シュタイナー『的』子育て」でした。その後、木のおもちゃが「シュタイナーのおもちゃ」などと売り出されるようになり、シュタイナーの名前は一般にも広く知られるようになりました。

どんな子どもに育つの?

自由な発想力

シュタイナー教育は子どもの自主性に任せ強制しない教育法ですから、子どもたちは社会の常識や既成概念にとらわれない自由な発想や考え方ができるようになるようです。

自分で判断・選択する自立心

自分の感情に正直で、自分が好きなこと、やりたいことをはっきりと自覚でき、その上で自分のすべきことを判断し、選択することができるようになるため、最近流行している「自分探し」などをしなくても自分のことを自分でしっかりと把握できる人間になります。

豊かな感性

さらに、感性豊かに育つことも特筆すべきです。最近は「何をしても、誰かに何か否定的なことを思われている気がする」と思ってしまう感受性の強すぎる子どもが多い一方で、「何を見ても、何をしても、特に何も感じない」という感性の乏しい子どもも増えています。感性は、美しいものを見て「美しい」と感じることができる力です。感性はストレスに対処する力としても注目されていますから、感性を豊かに磨ける教育法は大きなメリットと言えるかもしれません。

規格外の自由な生き方

シュタイナー教育では既成概念にとらわれない個性を大切に育みますので、社会生活や集団生活には向かないようで、教育学者の遠藤孝夫氏は「シュタイナーの自由への教育を受けた人間が、卒業後「厳しい」社会に適応できるのか」と述べています。実際に、ドイツやアメリカでは実際には大学進学率は低くはないものの、ドイツではシュタイナー教育に否定的な書籍や子どもをシュタイナー学校に通わせた保護者の暴露本が出版されていますし、アメリカにおいては「シュタイナー出身者で定職についている人を知らない」と言う在米日本人は多いようです。

シュタイナーは賛否両論

賛成派の意見

ドイツが生んだ偉大な童話作家であるミヒャエル・エンデは、戦後シュタイナー教育を受けていますが、「学ぶ楽しさを知った」と教育法を高く評価しました。

『美味しんぼ』の作者である雁屋哲氏は子どもをオーストラリアのシュタイナー学校に通わせましたが、心をのびのびと育むシュタイナー教育は「創造力を養い、人間としての倫理観と優しさ」を育んだと賞賛しています。

否定派の意見

子どもをシュタイナー学校に通わせた教育学者の前原健二氏は、自由にのびのびと教える教育であり、強制もされないし、学力テストも成績評定もないために学力は本人にやる気次第で、学力は個人差が大きかったと述べています。

シュタイナー学校を体験するとシュタイナー教育の理念をカルト的だと感じる日本人は多いようですが、ドイツ在住のジャーナリストである福田直子氏は、家庭生活への指示まで出すシュタイナー教育に対して「自由な教育どころか、全体主義思想に近かった」という感想を残しています。

以下、Yahoo!知恵袋や発言小町などインターネットに載っていた意見をいくつか挙げてみます。

ママ
「シュタイナー小学校に通う近所の子が風変わりだったのが忘れられない」
パパ
「自己主張が強すぎて、これから世の中でやっていけるのか心配になった」
ママ
「シュタイナー教育ではテレビは禁止なはずなのに、うちに遊びにきたら、子ども同士では遊びもせずにソファに寝そべって何時間でもテレビを見ていた」
パパ
「ママも子どもも自分たちは特別な教育を選んだ特別な人間なんだという物言いが癪に障った」
ママ
「シュタイナー教育を選んでいるママたちは、宗教を思わせる狂信的なシュタイナー信奉者が多いなと感じた」

シュタイナー教育の問題点

予防接種の拒否と人種差別

シュタイナー教育の否定的な側面として、必ず挙げられるのが予防接種と人種差別の問題です。人工的なものは排除するという教育理念ですから、予防接種も受けないようにと指導されます。人種差別に関しては、日本ではあまり大きくは取り上げられませんがドイツやアメリカではシュタイナー教育のとても有名な問題ですので事実として知っておいた方がよろしいでしょう。

もっと知りたい時は…

オススメの読み物

関連記事『簡単比較!モンテッソーリ教育とシュタイナー教育はどう違う?』

ウィキペディア『シュタイナー教育』

日本シュタイナー幼児教育協会HP

読んでおきたい体験談

早稲田大学教授の子安美知子氏はシュタイナー教育を日本に初めて紹介し、自身もシュタイナー教育で子育てをしました。シュタイナー教育についてなら、まず子安美知子氏の著作をおすすめします。

娘さんはエッセイストとして活躍していますが、シュタイナー教育で育ったことについてを本にしています。シュタイナー教育を選択した親の意見と、シュタイナー教育を受けた子どもの意見を読み比べることができるために非常に参考になります。

オススメ書籍

参考書籍

子どもの教育 (シュタイナーコレクション) 4つの気質と個性のしくみ シュタイナーの人間観 いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか (ちくま学芸文庫) 健康と食事 人智学・心智学・霊智学 (ちくま学芸文庫) シュタイナー哲学入門――もう一つの近代思想史 (岩波現代文庫)

 

 

この記事は筆者のシュタイナー学校訪問体験及びシュタイナー校の先生による外部幼児のためのイベント参加体験に加え、記事の最後に紹介しておりますシュタイナー教育に関する関連書籍を元に執筆しています。

 

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シュタイナー教育とは

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