不登校はお子さんの年齢が上がるほど深刻化していく傾向があります。こちらの記事は私の経験により不登校の程度があまりひどくない(学校には行かなくても家では家族と会話できるなど)ケースを想定しております。不登校が深刻化している場合には逆効果になる場合もありますのでご注意ください。
【このページの目次】
不登校中の家での過ごし方
不登校中の過ごし方について質問すれば専門家でなくても「規則正しい生活を!」と答えることだろうと思います。しかしその「規則正しい生活」を不登校中にすることがどれだけ難しいことか…。
ここでは最低限の「規則正しい生活」を維持できる7つのヒントをご紹介します。ヒントになれば幸いです。
朝時間通りに起きるために
朝は学校に行く日の起床時間に起きるよう「毎日◯時に起きる」とお子さんと約束してください。ドイツの大学の研究により、人は起きる時間を知らされて入眠するとその時間に合わせて起床のためのホルモンが分泌され、体が起きる準備を始めることが分かっています。
子供4人を東大理Ⅲに合格させた佐藤ママは、子どもたちを朝起こす時には寝ている子どもに靴下を履かせてあげて10分待つという方法を編み出したそうですが、お子さんがすっきりと起きることができる親子ならではの方法が見つけてみてください。
毎日体を動かすために
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ハーバード大学のタル・ベン・バッハー教授は「まったく運動をしない人は鬱になる薬を飲み続けているようなものだ」と言っていますが、近年、運動は毎日続けなくても精神的に良い影響を与えることがわかりました。
研究では「気が向いた日に20分程度散歩をするだけで精神状態を改善できる」とあります。精神状態の改善というのは、うつ状態が軽減され、勉強への集中力が増し、他人に優しくなるというような心の変化です。
心理的なポジティブ効果を得るために必要な運動時間はたった20分なのですが、不登校中では20分であってもなかなか運動することが難しいものです。不登校中でも体を動かす習い事が続けられると理想的です。有酸素運動である水泳は教室なども全国にありますからおすすめです。住んでいる学区から2~3区間ほど遠くの「知っている人には誰も合わない」水泳教室に通ってみてはいかがでしょうか。
水泳教室に通えない場合は「毎週末は家族でプールに行って50m泳ぐ」などと家族ルールを決めてみたり、習い事や病院などの外出の機会にはあえて少し遠い場所を選び車ではなく歩いて(自転車でも可)20分以上かけて行ってみたりしてみてはいかがでしょうか。
毎日必ず勉強するために
毎日の勉強は午前中をおすすめします。お母さまが働いていなくてお子さんと一緒にいてあげられるならば一緒にゆっくりと朝ご飯を食べて、一緒にゆっくりと食器を洗ってください。そして、出勤と通勤のピークが過ぎて落ち着いたら一緒に運動をしてみてください。
これは有名な幼児教室でよくある手法で、朝登園したらまず体操の時間にするか子どもたちを外で遊ばせると、10時ごろから始められる勉強の時間の充実度が大きく変わるというものです。不登校中の過ごし方にも応用できる考え方だと思います。
腕立て伏せや腹筋などの筋トレは家での中でできるのでおすすめです(続けにくいと言う難点がありますが)。散歩も手軽でおすすめですが、周囲の人の目が気になるかもしれません。車で20分も走れば全く知らない人ばかりの場所へ行けるはずです。
先に運動をすると、脳の中でやる気と集中力を高めるホルモンが分泌されるので勉強効率が上がります。自分から勉強したいという気持ちになりやすいので不登校中の精神的なゆらぎにも有効です。
家事を手伝ってもらう
料理や洗濯、できれば裁縫など家事を手伝ってもらいましょう。特に料理は、本人が学校に行きたいと思い始めたときにも調理実習がイヤだからやっぱり行けないということにもなりかねません。教科書に載っている基本的なレシピは作れるようになってもらいましょう。
裁縫ではボタンつけ、洗濯なら洗濯表示についてなどは知識経験があった方がよろしいと思います。
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読書習慣を作る
本を読む習慣を作りましょう。一緒に本屋さんへ行って本を買います。本屋さんへ行けない場合はインターネットで。お子さんが「欲しい本なんかない」と言う場合にはお子さんには内緒でゲームの攻略本を数冊買ってみてはいかがでしょうか。
お子さんが本に興味をしめさなくても、お母さまが読んでください。小学生であればお母さまが音読していれば数日のうちに興味を示してくれます。思春期の高校生であれば、お母さまが攻略本を読んで基本中の基本だと思われる箇所からいくつか質問し教えてもらってください。教えてくれない場合は「教えてくれなくていいから、私にもゲームをやらせてちょうだい」などとゲームに参加してみてください。本当にそのゲームに興味を持っていただけたら理想的ですが、興味を持てなくても自分の子がそのゲームのどこにそんなに惹かれているのかなどと興味を引き出してください。難しい年頃の男の子でも1ヶ月もすればゲームのことをいろいろと自発的に教えてくれることが多いようです。
小・中学生であれば名作全集や偉人伝記全集などを全冊買い揃えて「全冊音読読破」という目標を設定し、1日数ペーずつお母さまとお子さんで交互に読み上げていくというのも楽しめるかもしれません。
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家族でお互いに感謝する
心理学的に、日常生活の中で「感謝すること」と「感謝されること」が多い人ほど幸福感が高いと実証されています。心から感謝することが大切ではあるのですが、まずはお母さまが日々の小さなことからお子さんへ「生きていてくれてありがとう」を伝えてみてはいかがでしょうか。
朝起きてきたら「自分で起きてきてくれて(※)ありがとう。今日もあなたの顔をみることができてうれしい」と言い、ご飯を食べてくれたら「ご飯を食べてくれてありがとう。これで風邪をひきにくくなったね。あなたが健康でいてくれて嬉しい」と言い、だらだらとゲームをしていたらその時間を計り「今日は昨日よりも35分ゲームをする時間が短かったね。早めに終わらせてくれてありがとう。あなたの目が心配だから嬉しい」ゲームをする時間が長ければ「今日は昨日より15分長かったね。今日クリアしたステージは昨日よりも難しかったの?」などと話題を振ってお子さんの反応を見てみるのはいかがでしょうか。
(※)朝は起こさず、お子さんが自分で起きてくるのを待った方がよろしいと思います。心理学的にはアラームなどを使って脳の睡眠中に無理に覚醒させると、自然に起きてきた状態よりも3〜5時間の効率を無駄にするほど集中力や幸福感が落ちると考えられます。早起きをするためには朝早く起こすのではなく、朝早く起きられる時間に夜寝るようにしてください。手っ取り早い方法は夜寝る前に親子で20分以上の散歩をすることです。運動をすると体温が上がりますので、帰って横になったら比較的すぐに眠れます。
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夜はしっかり寝る
夜寝られない時には体を動かしましょう。10時であっても11時であってもお子さんが寝付けないようならば一緒に20分ほど外を散歩してみてはいかがしょうか。筋トレなどでが有効です。
不登校になると不眠症になる場合がありますが、眠れない状態が3ヶ月未満であれば「寝られる時に寝る」ようにさせてあげてください。眠れない状態が2週間以上続くと急性不眠になっています。急性不眠はストレスによる不眠症です。無理に寝ようと自分で自分の心にさらなるストレスを与えてしまうと急性不眠が慢性不眠に悪化してしまいます。眠れない状態が3ヶ月以上続くと慢性不眠です。病院に連れて行ってあげてください。
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