「実際のところ、タブレット学習ってどうなの?」効果やメリット・デメリットが紙教材とどう違うのか、科学的根拠を知れば違いがわかりました。その上で元進学塾講師としての意見を添えています。
【このページの目次】
タブレット教材の導入が進む
2020年からタブレット教材の導入が始まりますが、有名進学校ではすでにタブレット教材は導入されており、大きな成果をあげています。
桐蔭学園
西大和学園
杉並区立天沼小学校
タブレットと紙, どう違う?
科学的根拠を示した本
こちらの本に大きなヒントが載っていました。社会学者である有馬哲夫教授の著書です。ご興味のある方は是非ご一読ください。
本書によれば、人は紙に印刷された文章を読むときには、脳生理学的に「分析モード」になり、同時に、心理学的には「批判モード」になるのだそうです。(理由は紙に反射した光だそうですが、詳細は本書をお読みください)
細かいことに注意を払いながら読み進められるのだそうです。
画面上では「パターン認識モード」
パソコンなどの画面上で文章を読むときには、脳は「パターン認識モード」になるのだそうです。パターン認識というは「細かい部分は多少無視して、全体的なパターンや流れを追うような読み取り方(本文より)」なのだそうです。
科学的根拠を示した記事
アメリカのワシントン大学で手書きの効果に関する研究が発表されました。
大学の講義をパソコンを使って受講した学生とノートに手書きして受講した学生とでは、ノートに手書きした学生の方が1週間以上も長く記憶しておくことができ、忘れてもノートを見返すことですぐに思い出すことができたそうです。(別に研究しなくても感覚的に分かりそうなことですが)
しかしながら、パソコンを使った学生は手書きの学生のおよそ150%もの情報を書き留めることができていたそうです。(これも研究しなくても誰もが分かりそうなことですが)
結論
有馬教授によれば、誤字脱字を見つけるためには紙面の方がいいということが「紙の方が学習効率がよくなる」というわけではないそうです。
特に幼児から小学生の学習では、学習内容の全体的な流れをつかむことが大切です。紙に書かれたものを「読む」という作業では細かいことに気が散ってしまうのであれば、低年齢児は文字を一文字一文字追うことにばかり集中してしまう可能性があります。全体的な視野をもって学習内容の流れをつかむためにはタブレット教材は非常に有効。
さらに、ワシントン大学の研究によるとタブレットの強みはスピード。何度も反復練習が必要な漢字や英単語は紙に書いた方が記憶に残りやすくはありますが、タブレットの方が素早く何度も練習できるため、特に書くのが遅い低年齢児の場合は、タブレットの方が勉強効率が高くなる可能性が高いです。
タブレット教材で勉強効率UP
特にインプットには効果的
タブレット学習は特にインプットには効果的です。学習内容の大きな流れを止まらずリズミカルに動画で学べますし、算数の式の意味や漢字の成り立ち、理科や社会の資料など、視覚的に勉強できるため記憶にも残りやすいのは容易に想像できます。
反復演習にも強い
タブレットは反復演習にも効果的だということですから、考えることよりも覚えることの方が多い幼児から小学生の間はタブレットは特に効果的に利用できます。
タブレット教材を使う注意点
タブレットだけ! は時代遅れ
一方で、「タブレットだけは時代遅れ」という記事も見つけました。
タブレット学習が便利で効果的でも、紙教材には紙教材の大切な役割があるという内容です。
勉強のメインはまだまだ紙
大学入試問題がパソコン画面上での回答することにならない限り、受験のための勉強はまだしばらくは紙教材が主体であり続けそうです。
入試問題が手書きである以上、ふだんの勉強をすべてタブレットに置き換えることはできません。そこで、タブレット学習と手書きの勉強をうまく活用する必要があります。
タブレット学習教材(厳密に言えばオンライン教材)でありながら、手書きに大変力を入れている教材もあります。
▼ ネット松陰塾
ノートの取り方を基礎から丁寧に教えてくれるオンライン上のまさに「塾」です。動画を見て、ノートを書き、問題を解く、間違えた問題をまたノートに書き、また問題を解くーーという勉強サイクルでしっかりと学力を伸ばしてくれます。
おすすめの教材と選び方
タブレットは勉強効果で選ぶ
子どものためのタブレット学習教材を選ぶときには、その勉強効果で選びましょう。子どものタブレット学習教材というと、「カラフルで可愛くて、キャラクターが楽しく喋ってくれる」などとゲーム的娯楽性にばかり目を向けがちですが、問題の内容と教材の機能も十分に比較してみてください。
おすすめのタブレット教材
例えば、クラブ活動に熱心なお子さんで勉強にあまり関心を向けないお子さんであれば『チャレンジタッチ』がおすすめです。『チャレンジタッチ』なら疲れて帰ってきても、タブレットのスイッチを入れてみようかという気にさせてくれる機能が満載です。
すでに勉強する習慣があるのに伸び悩んでいたり、勉強が好きでもっと上を目指したい場合には『RISU算数』での苦手克服と先取り学習をおすすめします。
お子さんの現在の勉強状況に足りないものを補ってくれるタブレット学習教材を選んであげるために、こちらの記事をご紹介しておきます。
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