発達障害のお子さまは学校の勉強を苦手に感じる傾向にあります。学校の授業に合わないからです。しかし、学校の成績は伸び悩んでも記憶力はよく暗記自体も得意である場合が少なくありません。
【この記事を書いた人】元幼児教室及進学塾講師。通常授業に加えまして不登校や発達障害のお子さまのサポートをしていました。
【このページの目次】
発達障害の子の勉強のヒント
発達障害だから成績が悪い?
「人の話を最後まで聞けない」「話の内容を覚えておけない」「不注意によるミスが多い」などの発達障害のお子さまの特徴は学校の授業と非常に相性が悪く、問題行動として注意されたり、授業についていけなかったり、成績がどんどん下がってしまったりしてしまう危険があります。
「勉強ができない」は間違い
発達障害のお子さまは勉強ができないわけではありません。45分間席に座っていることや分からない話を聞き続けること、ノートにまとめることなどが得意ではないだけです。しかし、個別対応授業などでない限り学校や塾では「15分授業」「講義なし授業」「板書なし授業」は不可能です。
親がしてあげられること
発達障害のお子さまは一度理解してしまえば記憶力は良い場合が多く、よい学習習慣を身につけられればテストの点数はすぐに安定する傾向も見られます。ご家庭でお母さまにしてあげてもらいたい(と申しますか、お母さまにしかできません)のは毎日勉強したくなるような「快適な学習環境」を整えることです。
学習習慣を整える3つのヒント
毎日勉強したくなるような「快適な学習習慣」には3つの準備が必要です。
勉強する時間
勉強する場所
勉強する教材
です。この3つに「勉強をしたくなくなるようなもの」が少なければ少ないほど、勉強へのハードルは低くなり勉強しやすくなります。
快適な「勉強時間」
● やる気は行動から
最新の心理学によれば(勉強や仕事などの)やらなければいけないことはやる気が出たからできるのではなく、やり始めたからやる気が高まると言われています。
● 勉強はやる気よりもルーティン化
勉強はやる気になるのを待つのではなく、とにかく勉強を始めさせてやる気を高めてもらいましょう。勉強習慣にはやる気よりも「癖」が必要です。
❶ 毎日の勉強量を決める
まず、毎日やってもらいたい勉強内容を考えましょう。できれば学校の宿題にプラスして家庭学習ができれば理想的です。
[レベル2] 宿題 + 授業の予復習
[レベル3] 宿題 + 授業の予復習 + 家庭学習
学校の予復習は、お母さまと一緒に教科書やノートを音読するだけでも効果があります。お子さまが嫌がったり不要な親子ゲンカになったりしてしまうようでしたら、家庭向けの通信教育教材を使うのもおすすめです。
学校の予復習を超えた家庭学習としては授業の進度とはまったく関係のない先取り学習などができます。特に3大実用技能検定試験(漢字の漢検、算数の数検、英語の英検)はゆくゆくは学校の授業に還元されますのでおすすめです。
❷ 一番やりやすい時間帯を探す
お子さまの生活スタイルを観察してみて一番「勉強時間」を確保しやすい時間帯を探してみてください。宿題であれば
「学校から帰ってきてすぐ」
「夕食前後の30分間」
「お風呂前後の30分間」
という時間帯にされるご家庭が多いように感じます。宿題のような期限が限られていない(もしやれなくても問題ない)予復習や家庭学習であれば
「朝30分早くおきて勉強する」
が一番のおすすめです。1週間おきに10分ずつ起きるのを早くして最終的に6時(できれば5時半)に起きられるようになると朝の時間がかなり充実しますが、朝勉や朝活や習慣化するまでのお母さまの負担がかなり大きくなりますのでお子さまとご家族にとって一番やりやすい時間帯を探してみてください。
❸ やってみて子どもの意見を聞く
家庭学習計画を立ててみて1週間ほどやってみて、家庭学習が進んだかどうか振り返ってみてください。もし気になる点があれば「お風呂の後だと疲れてるみたいだったから、勉強は帰ってきてからすぐにした方がいいかな。どう思う?」などと聞いてあげてください。
お子さまに感想を求める際に「やってみてどうだった?」「勉強どう?」と漠然と聞いてしまうと「(そもそも)勉強なんてやりたくない」などと言われてしまいます。あくまでも勉強するのが前提で「A案とB案ではどちらがいいと思う?」などといった選択疑問文(クローズドクエスチョン)で聞いてください。
❹ 少しずつ改善して習慣化する
振り返ってみて良かったところは継続して、やりにくかったところはその都度改善しながら、お子さまにとって最も快適な勉強時間を整えてあげます。
● 習慣化するまでの目安は3ヶ月
勉強習慣は「さぁ勉強しよう!」と始めてみてもそう簡単には習慣にはなってくれません。勉強習慣が固まるのは、お子さま本人が勉強したいと望んでいる場合はおよそ1ヶ月、お子さま本人にそれほど興味がない場合は3ヶ月以上かかると思います。長期戦を想定してゆっくりと習慣を作ってあげてください。
快適な「勉強場所」
勉強時間と同時に快適な勉強場所も整えてあげてください。
● 机の上に出しておくもの
一番大切なことは「机の上に置くもの」です。その瞬間の勉強に必要なもの以外は机に出さないようにしてください。宿題であれば、宿題のノートやドリル、鉛筆1本、消しゴム1個です。ふでばこも出さない方が集中できます。
● 壁の方に向いて座る
最近ではリビング学習が流行っていますが、リビングの食卓で勉強する場合にはできるだけ壁に向かって座るようにした方が集中力が増します。
● 勉強する机について考えてみる
リビング学習をされている場合には家族で使う食卓の上に何も置かない状態に保てるかどうかを考えてみてください。食卓であろうと勉強机であろうと、机の上に物があればあるほど集中できなくなります。
● お子さまの勉強机の状態を確認する
「勉強する机」について考えてみます。お子さまは自分専用の勉強机をお持ちでしょうが、その勉強机は今どのような状態でしょうか。勉強できるスペースはありますでしょうか。
● 発達障害は整理整頓下手
発達障害のお子さまは整理整頓が得意でないケースが多々あります。そもそも子供用学習机には本立てや引き出しなどが付いていまして、勉強という目的以外に収納保管という目的も持ち合わせています。発達障害のお子さまにはこの多目的な机を使いこなすのは少々厄介です。
● 整理整頓と勉強を分ける
学校の成績を上げようと思うならば「勉強するためだけの机」を用意すべきです。その上でお持ちの学習机の整理整頓を練習しながら(物を減らしたり、ラベルを貼ったり、帰宅後の行動をルーティン化したり)、勉強は勉強で進めていく方が効果が出ます。
● 理想は塾の自習室の机
リビング学習で食卓にものを全く乗せない状態が毎日保てればいいのですが、もっとも勉強しやすいのは個別指導塾の自習机のような「勉強するためだけの机」です。勉強部屋かリビングの一角にこちらのような
「勉強するためだけのスペース」を作ってあげると格段に勉強しやすくなります。大きさとしましてはこのくらいあると安心です。
おそらく壁向きに置くことになるでしょうから机上ライトがないと暗くなるでしょうし、中学生になりますと机の上に教科書とノートが必要になります。2冊を広げて置けるだけのスペースとなると、このくらいが理想的かと思われます。
● 集中力がUPする魔法の椅子
勉強中に気が散らないようにするには足場も大切です。足をブラブラさせられる椅子では集中できません。「子どもが勉強する椅子」「集中できる魔法の椅子」として注目されているこちらの一風変わった形の椅子は、
膝、脛、足首までの全体で体のバランスを取るように設計されており絶対に足がブラブラしません。「座れば必ず姿勢が正せる」と中学受験でも注目されている学習椅子です。
特別設計の椅子は値段もそれなりなのですが、少なくとも学習椅子は足置きのあるものを用意した方がよろしいです。せっかく椅子に座らせても(椅子のせいで)集中できないのではせっかくの苦労も徒労に終わります。
快適な「勉強教材」
● 発達障害の子のための教材
市販の書店などにも少しずつですが発達障害の子のための参考書や問題集を見かけるようになりましたが、そのような教材は「集中力が短い」「気が散りやすい」などという発達障害の子の苦手を上手に回避してくれています。
● こんな違いがあります
学習内容をより細かく分けていて集中力が続かなくてもキリの良いところまで学習できたり、教材の中の「気が散りやすい」ものを極力排除してくれていたり(しかし楽しく勉強できるような工夫はある)、確認問題がコンパクトで広いレベルの内容に対応していたり、ちょっとずつでも確実に学習を進められるようになっています。
● もっともオススメできる教材
家庭向けの学習教材に「発達障害の専門機関」と共同開発した発達障害をもつ子どものための学習教材があるのをご存知でしょうか。【すらら】という教材です。
自立学習支援【すらら】とは
【すらら】は復習を交えながらの解説で「とにかく勉強が楽しい!」という口コミがとても多い教材です。
そもそも【すらら】とは…。
すららは無学年制多感覚教材
「自立学習支援プログラム【すらら】」は多感覚学習教材で無学年制学習教材です。
無学年制教材とは
無学年制教材というのは学年の枠をこえて学習できる教材のことで、入会すれば全学年の学習内容の教材を一括でもらえます。
どの学年の学習単元でも好きな時に学習できますから、発達障害のお子さまによくある「でこぼこ理解」にも対応しやすく、苦手が分かったらすぐに学年をさかのぼって復習をすることができます。
多感覚学習教材のメリット
「すらら」の多感覚学習を可能にした教材とはワーキングメモリ研究の成果をもとに発達障害の専門機関と共同開発された教材でワーキングメモリを支えてくれます。
多感覚学習はそのワーキングメモリを支えることで人が記憶しやすいように作られた教材です。多感覚学習が発達障害の
「人の話を聞くのが苦手」
「集中力が長く続かない」
「同じミスを繰り返す」
などという悩みに強いのはワーキングメモリ研究がそもそもADHDや自閉症などの改善に有用であるとして進められている研究でもあるからです。
例えば中1数学「約数」なら
【すらら】が楽しいのは偏に「勉強が分かる!」からです。発達障害のお子さまがつまずきやすいポイントほど丁寧に説明してくれるため1つ1つをきちんと理解して次に進めます。
●「約数」の最初のつまずき
例えば中学1年生で習う「約数」の授業を例に挙げますと、約数の授業は一般的に約数の概念を
と説明したらすぐに「では6の約数を考えてみましょう」などと例題に進むことになるのですが、この
という解説の「割り切ることができる数」という部分を瞬時に理解できない生徒は少なくありません。
● ここが理解の分かれ目
「割り切ることができる数」という解説を理解するためには、わり算だけでなく
ということが理解できていなければなりません。この点を【すらら】はきちんと丁寧に押さえてくれています。
●【すらら】の授業では
【すらら】の解説は「音声」「イラスト」「文字」が連動しているのですが、この連動が計算され尽くされています。
● 実際の教材はこんな感じです
【すらら】の約数の授業はわり算の復習から始まります。先生役であるキャラクターが「まずこの式を見てちょうだい」と言うと、その声に合わせてパッと
わり算の計算式が表示されます。まずここで約数とわり算が結びつきます。そして先生役が「この式ではあまりはないから、8は4で割り切れていると言えるわね」と言うと、それが文字になって
このように表示されます。聞こえた解説が文字に起こされるので文字を読んで理解する必要はありません。
発達障害の子は何かをしながら別の何かをする(解説を聞きながらイラストや文字の意味を考える等)のが不得手である場合が多いですが、【すらら】は「音」と「絵」と「字」のタイミングがすべて計算されているので安心です。
約数の授業ではわり算の復習をすると「約数」という新出概念の解説に進みますが、【すらら】の先生は明らかに声色を変えて
「はーい! ここで新しい言葉の登場~!」
と受講生の注意を引きつけながら(今から新しいことを学びますよ)という雰囲気を作ってくれます。そして「この4と2のような…」というセリフと同時に
わり算の計算式の「割る数」が赤い丸で囲まれます。そして少々こむずかしい用語を話し言葉で
「ある数をちょうど割り切れる数のことを『約数』と言うの」
と説明してくれるのですが、キャラクターが『約数』と言ったちょうどその瞬間に
吹き出しに『約数』という文字が現れます。そして
「ちょっと専門的にまとめるとこういうことね」
と少し形式ばった雰囲気に変えながら
という教科書に載っている約数の概念を説明する正式な表現を教えてくれます。
「ちょっと専門的にまとめると…」
という前置きのおかげで(専門的なまとめなんだからココはさっきの説明と同じ意味なんだ)という安心感を持てます。
そして約数の概念の説明が一通り終わったら次に進む前にさらっと
「これだけのことよ。そんなに難しいことじゃないわよね」
と付け加えてくれます。この「簡単だよ」には一種の暗示効果があって、この一言のおかげで「約数って簡単だったな」という印象を残して学習を終えられます。
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●「分かったつもり」を作らない
【すらら】は「対話形式の講義」と呼ばれる双方向型スタイルで授業が進みます。
対話型というのは授業の中で「先生役のキャラクター」と対話するという意味です。例えば先ほどの中1数学の約数の授業であれば、約数の概念の説明が終わるとすかさず「じゃあ、ちょっとやってみようかしら」などと言われて
問題が出題され、10の約数をすべて答えなくてはいけません。答えが合っていても
こうして軽く解説してくれますし、答えが間違っていても
丁寧に解説してくれます。
さいごに
発達障害と言われる偉人たち
発達障害の天才といえば発明王「トーマス・エジソン」が有名ですが、ADHDの疑いがあったエジソンの他にも、多動性や衝動性が疑われている音楽の天才モーツァルト、自閉症スペクトラム障害が疑われている童話の天才アンデルセンなど、発達障害が疑われている歴史上の偉人はたくさんいます。そしてほぼ全員に、幼少時代には先生に「呆れられた」「諦められた」「退学させられた」という学校教育から否定的評価を受けてきたという逸話が残ります。
現在では発達障害は脳の機能が大多数の子どもとは異なる働きをしているからだとされています。そして、大多数の子どもが得意なことが苦手な代わりに、大多数の子どもが不得手なことが天才的に上手いと言われます。ただ、発達障害の子どもたちが得意なことが学校という場で評価対象外であるというだけです。
エジソンの母は子どものためになけなしのお金で学校以上の実験道具を購入しました。モーツァルトの父は子どものために自らの音楽活動をやめています。アンデルセンの親は「ムチで打たれるから学校を辞めたい」という子どもを躊躇なく転校させた(ムチで打たれるのは授業中に先生の話を聞いていないからだがアンデルセンの親は子どもの才能に盲信していた)と言われます。
お子さまの才能を信じてあげられるのはお母さま、お父さまだけです。お子さんを信じて信じぬき、お子さまに眠る才能を開花させてあげていただきたいと願っております。
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発達障害のために開発された教材「すらら」は一度は試してみる価値があります。学習教材にはお子さまとの相性を見てあげてください。
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