- わかやましずこ/福音館書店
【このページの目次】
【絵本の内容】
「てんてんてん」ページをめくると「てんとうむし」だ!「ぐるぐる」ページをめくると「かたつむり」だ!「ひらひらひら」はもちろん「ちょうちょ」だよ!「ぽっぽっぽっ」これは何だろう…。
【0〜2歳】読み聞かせのヒント
安心安全な赤ちゃん絵本
この絵本は固い素材の紙が使われているボードブックです。0歳児は絵本を振り回したり床に叩き付けたりして、触感を楽しみますが、この絵本のページの角は丸く処理されているので安心安全な1冊です。
赤ちゃんも見やすい色と絵
絵はとても単純で、色のコントラストがはっきりしています。まだ視力が0.1ほどしかない0歳児の赤ちゃんにも見分けやすい絵です。
赤ちゃんとのタッチ遊びに
この本は赤ちゃんとのスキンシップ、タッチ遊びに応用できます。お子さんの体を触りながら、その名前を言って遊んであげましょう。
例えば、「てんてんてん てんとうむし」のリズムで、「ぽんぽんぽん ◯◯ちゃんのおなか」と言ってお腹をくすぐったり、「くりくりくり ◯◯ちゃんのおめめ」と言って目をなでてあげたり。
ポイントは先にオノマトペを言ってから、次に赤ちゃんの体を触ることです。何度か「ぽんぽんぽん ◯◯ちゃんのおなか」と言ってお腹をくすぐってあげると、お子さんはそれを記憶します。
ママ&パパが「ぽんぽんぽん」と言ったら、赤ちゃんの脳はその言葉を聞いて「次にどんな刺激がくるんだろう」と予測し、想像します。記憶したことを思い出し、「お腹をこちょこちょしてもらえるんだ」と期待します。
脳は、刺激を感じて(「ぽんぽんぽん」という声を聞く=知覚)、それを理解する(「ママの声だ」と理解する=認識)ことで発達します。さらに、その後にくる刺激を想像する(「ママがこちょこちょしてくれるのかな?」と思う=予測)ことで、脳はより複雑な働きをします。
簡単な遊びの中でも、赤ちゃんの脳はいつもフル回転で働いています。
【1歳から】語りかけのヒント
ママが質問、子どもが答え
ものの名前を覚え出す1歳すぎには、ママやパパが「てんてんてん…」までを読んで先を促すと、お子さんが「てんとうむし!」と答えてくれるようになります。
何度も読んでもらって、もうすっかり覚えてしまっているのでしょう。覚えてしまうくらいに絵本を読み込んでいると、次の体験でよりたくさんのことを学べます。
例えば、公園でてんとうむしを見つけたとしましょう。お子さんは「あ!『てんてんてん』のてんとう虫だ!」とすぐさま絵本のことを思い出すかもしれません。そして、「『てんてんてん』のてんとう虫とはちょっと色が違うね」などと大発見をするかもしれませんね。
昆虫の名前を覚える
この絵本に載っている昆虫は親しみのあるものばかりです。お子さんが1歳くらいになったら、他の絵本を読んでいるときに一緒にこの絵本を開くのもオススメです。
例えば、他の絵本を読んでいててんとう虫が出てきたら、「あ!『てんてんてん てんとうむし』と同じてんとう虫じゃない?『てんてんてん』の絵本を持ってきてごらん。一緒にて見てみよう」とこの絵本に立ち戻って、子どもと一緒に確認してみてはいかがでしょうか。
「何かをしている最中に「あれ?」と思って本を開く」という習慣は、将来子どもが自主的に辞書を開いて調べる姿勢の第一歩です。
2歳くらいになったら、外で散歩している時などに昆虫を見つけた時に「あ!『てんてんてん てんとうむし』のてんとう虫だよ!もっくんの絵本から飛び出してきたのかな」なんて話をしてあげてください。実物のてんとう虫を見ながら、絵本に描いていた絵を思い出すことは、記憶力と想起力のためにもおすすめです。
この絵本を読んだら読みたい絵本
この本と一緒に読むのにイチオシなのは『100かいだてのいえ』です。この絵本に載っている昆虫がほとんど出てきます。
『100かいだてのいえ』はこの絵本よりも対象年齢が少し高いので、『100かいだてのいえ』を読む頃にはこの絵本は開かなくなっているかもしれません。「いつの間にか読まなくなった絵本」をまた開いてみると、お子さんがママやパパが忘れていることまで詳しく覚えていることに驚くかもしれませんよ。
この記事がお子さんへの読み聞かせに役立つと嬉しく思います。
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