子連れフライトで使った航空会社は10社以上。60回以上の子連れ国際線フライト(※僻地赴任のため国際線乗継ぎなどを含めた回数で、現在も着々と記録を更新中…)の体験を踏まえた子連れフライトのコツをご紹介中。今回は「赤ちゃんが飛行機に搭乗した場合の健康への影響とリスク」について書いてみたいと思います。
【このページの目次】
記事を書いたのはこんな人
生後2週間の赤ちゃんと
次男が生後2週間の時に、どうしても11時間の長距離フライトを利用する必要がありました。その際に、産婦人科医と小児科医に指導された内容を中心にご紹介したいと思います。ご紹介する見解が医学界で常識なのか異端なのかはわかりません。もしかしたら、私の担当医の独特の意見かもしれません。「こう考えている医者もいる」程度にお読みください。
赤ちゃん連れで地球を2周!?
1歳未満の赤ちゃん連れでの国際線フライトを6回ほど経験しています。一度は生後2週間の新生児と搭乗したことも。興味本位で計算したら、飛行機で赤ちゃんと一緒に地球を2周していました。
飛行機の赤ちゃんへの影響
結論は「影響なし」
世の中の「乳幼児を飛行機に乗せると難聴になる」「乳幼児を飛行機に乗せると放射能を浴びる」などという情報について質問をしてみましたが、私がお話を聞いた先生は「飛行機搭乗による赤ちゃんへの悪影響はない」とおっしゃっていました。
難聴などは、稀に、生まれつきの体質により(飛行機に乗ったことが遠因となって)なんらかの影響が出る場合もあるけれど「それは1%未満です」だそうです。
放射能については、例えば手荷物チェックの時のX線検査や機内の強い紫外線などは「赤ちゃんが通常経験しうる数値の範囲内(例えば、X線は、先天性の病気などを持って生まれた赤ちゃんはみんな経験するレントゲンのX線よりも微弱)で特に心配する必要はない」とおっしゃっていました。
飛行機の赤ちゃんへのリスク
最悪の場合は内臓破裂!?
健康的な影響よりも、特にママが注意しなければいけないことがあると指導を受けました。ママが十分に気をつけていないと、最悪の場合、赤ちゃんが内臓破裂をおこしてしまうのだそうです。
げっぷ、上手にできますか?
「赤ちゃんが内臓破裂をおこしてしまう」というのは、赤ちゃんが新生児であったり、まだ上手にげっぷができないと、授乳のタイミングによっては、授乳の時に飲み込んでしまった空気を外に出せないまま飛行機で上空へのぼってしまい、上空で赤ちゃんの体内の空気が膨張して、結果として内臓が破裂してしまうのが理由なのだとか。
「離陸前」の授乳は厳禁!
赤ちゃんが一緒にいると優先搭乗をうけることができるので、ほかの乗客よりも先に機内に案内してもらえます。赤ちゃんと一緒では荷物が多いので、先に機内に入り、より出し入れしやすい場所に荷物を入れておくということは大切です。
しかし、先に機内に入ってしまうと、機内の独特の空気と雰囲気に不安になった赤ちゃんはおそらく泣いてしまうでしょう。ぎゃーぎゃー泣いている赤ちゃんを、次々と入ってくる乗客に冷たい目で見られてしまうかもしれませんが、絶対に離陸前に授乳をしてはいけないそうです。この点を私の担当だった小児科医は強く念を押していました。
確かに、新米ママだったころには赤ちゃんの泣き声がいたたまれず感じたものですが、よく考えてみると、乗客が次々と乗り込んでくる搭乗時間は周りもざわざわしていますから、ほかの乗客への迷惑はほとんどありません。それよりも、飛行機が離陸して水平飛行に入ってからのリラックスタイムに赤ちゃんが泣き止まない方が、よっぽど周りの方に迷惑をかけてしまうのかもしれません。
授乳は「水平飛行」で
小児科の先生がおっしゃるには「安心して授乳できるのは水平飛行に入ってからです」とのこと。離陸から水平飛行に入るまでに、だいたい20分前後かかりますから、赤ちゃんがぎゃん泣きしてしまうと、ママにはかなり長く感じてしまいますが、赤ちゃんの健康のためになんとか頑張ってください。
赤ちゃんの耳抜きは?
機内に入ったばかりの赤ちゃんもよく泣くことがありますが、離陸したばかりの飛行機でも赤ちゃんはよく泣きます。これは気圧が変化するために、大人と同様に赤ちゃんも耳に不快感をおぼえるからです。
「おしゃぶり」が安全安心
慣れていない赤ちゃんは拒否してしまうかもしれませんが、もし、赤ちゃんが口にくわえてくれるならば、飛行機での耳抜きに一番安全で有効なのは「おしゃぶり」だそうです。
耳抜き授乳は「ほんの一口」
授乳も赤ちゃんの耳抜きに非常に有効だそうですが、離陸から水平飛行に入るまではベルト着用サインが出ていますから、そもそも授乳はできません。離陸前に少しの白湯を哺乳瓶に入れて準備しておきましょう。
しかしながら、飛行機が離陸したばかりで、まだ気圧が上がりきらないタイミングでたくさん飲ませてしまうと、内臓破裂とまではいかなくとも、内臓の壁面に負荷をかけた状態でのフライトになってしまい赤ちゃんの機嫌が悪くなったり、目的地に到着してから病院へ行かなければいけなくなったりすることがあるそうです。
耳抜きのための授乳は、ほんの一瞬、ほんの一口で十分だそうです。離陸前に授乳してもらえなかった赤ちゃんは、この「ほんの一口」で空腹感を思い出し、ぎゃんぎゃん泣いてしまうと思います。しかし、ここは「心を鬼にして我慢してください!」とお医者さんに言われました。
〇〇までは乗せない方がいい
新生児を生後2週間で飛行機に乗せたのは上の子の手術のためでした。上の子の病気のことは小児科医の先生もご存知で、私たちがどうしても国際線に赤ちゃんを乗せなくてはいけない事情を承知してくださってはいましたが、最後に先生がぽつりとおっしゃいました。
「ま、本当は、首がすわるまでは、赤ちゃんは飛行機には乗せない方がいいけどね」
赤ちゃん連れフライトで親の注意が必要なのは飛行機の中だけでなく、空港の中では手荷物検査や入国審査など親が赤ちゃんを十分に支えてあげられない場面も多く、赤ちゃんの体に不必要な負荷がかかってしまい、長距離移動で赤ちゃんは極度の疲労を感じるためだそうです。稀に「過労」で熱を出してしまう赤ちゃんもいるのだとか。
赤ちゃんとの飛行機搭乗、がんばってくださいね! この記事がどなたかのお役に立てば幸いです。
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