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選ぶべき「いい」絵本とは
条件1 良質な絵本
絵本は文と絵の複合芸術でした。幼い子どものために、昔は貴重だった紙をふんだんに使って、作家が言葉をつむぎ、画家が絵をえがき、子どもたちの将来のために愛情にあふれる絵本を作っていました。しかし残念ながら、モノがあふれる今の時代は作り手の愛情をあまり感じられない絵本もたくさんあります。
子どもは愛情のこもった絵本であっても、大量生産されたような絵本であっても、等しく楽しむことができてしまいます。大好きなママやパパが読んでくれれば、どんな絵本だって子どもにとっては最高の遊び道具になるのですが、やはり名作と呼ばれる愛情のこもった絵本は子どもの心に残るものが違います。乳幼児期の貴重な時期は短いので、せっかく子どもへの読み聞かせに時間を割くのであれば、子どもによりよい絵本を読んであげたいものですよね。
良質な絵本とは作り手の愛情が感じられる絵本。
条件2 発達にあった絵本
赤ちゃん向け絵本にも、乳幼児向け絵本にも、未就学児向け絵本にも、それぞれに難易度が違う絵本が混在しています。書店や図書館では「赤ちゃん絵本」とか「小さい子ども向け絵本」などと大雑把に分類された大量の絵本の中から、お子さんの発達にあった絵本を選ぶ必要があります。
絵本の読み聞かせはなるべく早い時期から始めた方が、のちのち、うれしい効果がたくさんあります。絵本を初めて経験する大切な時期に赤ちゃんの発達にあった絵本を選んであげることができれば、赤ちゃんはその分だけ早く絵本の楽しさに気づくことができ、その分だけ長く絵本を楽しむことができます。
3歳児から6歳児までの幼稚園期の絵本も子どもの発達に合わせて選ぶことがとても大切です。3歳児向けの絵本と6歳児向けの絵本を見比べていただくと一目瞭然なのですが、幼稚園期の3年間に幼児向け絵本はどんどんどんどん長くなっていきます。そうして、小学校で教科書をきちんと読めるように鍛えることができるわけなのですが、幼稚園期の絵本の選択を誤ると、絵本を読んでいる途中ですぐに飽きてしまいます。この時期は個人差が大きく、絵本の対象年齢の表記はほんの参考程度にしかならないので、「自分の子どもの発達にあった絵本を選ぶこと」はずいぶんと難しくなってしまいます。絵本選びは難しくなるのですが、発達にあった絵本でないと子どもが絵本への興味をなくしてしまうことがあるので一大事です。乳幼児期のたのしい絵本の読み聞かせは学習の基礎なので、絵本嫌いはひいては文字や数の学習の遅れにつながることもあります。
子どもの発達にあった絵本は子どもの学習の基礎であり、楽しい絵本の時間の土台になる大切な要素。
条件3 くり返し読める絵本
幼児教室の中には「とにかくたくさんの絵本を読みましょう」と多読をすすめるところがあります。一方で、「1年に3冊でいいので暗唱できるくらいまで何度もくり返し読みましょう」と精読に力を入れているところもあります。どちらにもメリットがありますので、通っている幼児教室がそのような取り組みをしているのであれば、どちらの方法であれ、3年間きちんと取り組めば小学校入学時にはかなり差があらわれます。
もし、幼児教室がオススメする読み聞かせ方が特にないのであれば、私は多読&精読の「T字型読み聞かせ」をおすすめします。「T字型読み聞かせ」とは、Tの字のヨコ線のようにたくさんの絵本を広く浅くよみながら、お子さんが特に興味を示した絵本は何度も何度も、親の方が覚えてしまうくらいまでじっくりと読み聞かせることで、厳選した絵本はTの字のタテ線のように深く深く読んでいく読書法です。
何度も何度もくり返し読める絵本を探すためにも、絵本の読み聞かせをする際にはお子さんの様子をじっくりと観察してください。何度も何度もくり返し読むことになる絵本は、たいてい1回目に読んであげた時からお子さんの目の輝きと全身で集中しているさまが格別だと思います。
何度も何度もくり返し読める絵本というのは「子どもが好きな絵本」に限られます。親が子どもに読んでもらいたいと希望する絵本を楽しく読んであげて、好きにさせることはできるのですが、子どもが好きになれなかった絵本を何度も読み聞かせることはできません。
絵本の読み聞かせをしながら、くり返し読みたいと思える大好きな絵本を探してあげよう。同じ本を何度もくり返し「読んで」と言えるような楽しくリラックスした絵本の時間を作ろう。
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「いい」絵本を選ぶヒント
1. 絵本を選ぶときの基本
絵本を選ぶときの基本は「借りる」→「買う」の順です。図書館でたくさん絵本を借りて、たくさん読み聞かせてあげていると、きっと自然と「買いたい」「手元に置いておきたい」と思ってしまう絵本に出会うはずです。
もちろん、贈り物としていただいたり、一目惚れした絵本を中身を吟味せずに購入したりする絵本も大切です。未就学児期の絵本の読み聞かせは「本棚に並んでいる絵本がすべて」と言われます。図書館でたくさんの絵本を借りてきて多読するのも非常に有効で、同じ絵本を何度もくり返し読むのとはまた違った効果があるのですが、毎日、目にして手に取る本棚の絵本の影響力には及びません。お子さんの本棚には、ぜひ、ご本人や親御さんの好みとはちょっと違う絵本も置いてみてくださいね。
まず、図書館で借りてみよう
図書館で絵本を借りるときには「ママが読みたい絵本」「お子さんが選んだ絵本」に加えて「この絵本を買う気にはなれないなと感じる絵本」を何か1冊借りるのがおすすめです。お子さんの反応に予想もしなかった大発見があるかもしれません。
気に入ったらその絵本を買おう
図書館で借りた絵本の中で、お子さんが特別に気に入ったものを買ってみてはいかがでしょうか。毎日毎日「読んでちょうだい」と持ってきたり、読んでも読んでも「もう一回、おねがい」と言ったりする絵本は、ぜひ本棚に置いておいてあげてください。
お子さんのお気に入りの絵本をいつでも手が届くように置いておくと、お子さんは自分で絵本を読む力をつけますし、他で経験したことを絵本に戻ってもう一度体験したりもします。お子さんが自分で自分の絵本の楽しみ方を見つけるのに大いに役立ちます。
2. 絵本を『文』で選ぶ
絵本は『絵』と『文』の両方を楽しむ作品です。絵本の絵にも文にもいろいろな種類がありますから、絵本を選ぶときには『絵』と『文』の種類が偏らないように選ぶと、お子さんの絵本体験は一気に広がります。
乳幼児期の絵本の文の難易度は大きく分けて7段階あります。お子さんの発達と読み聞かせ習慣の成熟度を考慮して、お子さんが今どの段階の絵本を楽しんでいるのか考えてみると、絵本選びのよいヒントになるかもしれません。
3. 絵本を『絵』で選ぶ
乳幼児期の絵本の絵は千差万別であり、玉石混合です。絵本の絵に関してはママやパパの好みが大きく影響するポイントではありますが、油絵や木版画や切り絵や描画や…一例を挙げることすら迷ってしまうほどに多種多様ですが、お子さんにはそんな絵本の世界をできるだけ偏りなく味わわせてあげてください。
4. 絵本を『対象年齢』で選ぶ
絵本に記載されている対象年齢はすこし注意が必要です。まず第一に、出版社による対象年齢はかなり幅広く設定されていることです。対象年齢を広めに記載していた方が絵本の売れ行きがよいという背景もあるのかもしれません。第二に、絵本の対象年齢は時代によって変わっていることも知っておく必要があります。例えば、大人気ロングセラー絵本『ぐりとぐら』は
5. 絵本を『定期購読』で選ぶ
書店や図書館では絵本の多さに圧倒されてしまいますよね。書店ではすべての絵本がピカピカの新品でどれがいいのか迷ってしまうかもしれませんし、図書館ではロングセラーの名作絵本は手垢がついていたり破れたりしていることが多く、新しく購入された絵本の方が「よく」見えるかもしれません。何より小さな子どもと一緒にゆっくりと絵本を選ぶのは至難の技ですよね。
そんな時におすすめなのがプロが選んだ絵本を読んでみることです。子どものための絵本の定期購読サービスがあるのをご存知ですか?よく広告を見かけるのはクレヨンハウスや絵本ナビでしょうか。家庭保育園の絵本の宅配も有名ですね。
定期購読をヒントに絵本選び
有名な絵本の定期購読サービスの配本リストに載っている絵本から読んでみてはいかがでしょうか。各社のホームページを調べてみると配本リストを公開している場合がありますから、絵本選びの大きなヒントになります。こちらに人気有名各社の配本リストを一覧にしてみました。ご興味がありましたら参考にされてみてください。
定期購読をしてみる
人気があり、かつ知名度の高い絵本の定期購読サービスを比較してみました。比較してみた結果、これは個人的な感想ですが、どの絵本を選んでいいのかよく分からない方におすすめの絵本定期購読サービスは絵本ナビかクレヨンハウスです。保育士ママや読み聞かせボランティアの経験があるようなママにはおおきな木やメルヘンハウスをおすすめしたいです。金銭的に余裕があるのであれば家庭保育園一択でしょうか。
素敵な絵本に出会えますように。
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