【このページの目次】
モンテッソーリ教育って何?
「稀代の天才」を生む教育
世界長者番付で何年も不動の1位に鎮座するのはマイクロソフトの創始者ビル・ゲイツ氏や、起業当時まったく理解されなかった画期的なシステムを見事に作りあげ今や世界中に広まったアマゾンの創始者ジェフ・ベゾス氏が幼少期にはモンテッソーリ教育を受けたことで有名です。
最近の日本では、前人未踏の最多連勝記録「29」を打ち立て、勝つたびに世間を驚かせてくれた天才中学生藤井聡太四段もモンテッソーリ教育を受けていました。
「生きる力」を育む教育
モンテッソーリ教育では、子どもが主体的にものごとに取り組むことを大切にしています。子どもが自分一人で何かをやり遂げたという成功体験を自信につなげ、自分で考える力を伸ばし、生きる力を育みます。
「自信」で成長させる教育
モンテッソーリ教育では子どもが成長する力の源は、子どもが「自分でできた!」と思える自信であると考えます。つまり、子どもが「自分の力でできた!」と感じられれば、どんなことでも子どもの成長の糧となると考えられます。
子どもが「自分でできた」と感じられる環境づくりに専門の教具は必要ありません。家庭の中にも、子どもが「自分でできた」と感じられる機会はたくさんあります。これが、モンテッソーリ教育は比較的家庭に取り入れやすいと言われる理由です。
モンテッソーリの4つの特徴
偏差値主義、評定主義の日本では今あらためて「新しい教育」などと注目されているモンテッソーリ教育ですが、その魅力は4つの特徴的な考え方にあります。
特徴1 大人でなく子どもが主役
特徴2 テレビよりも実体験
特徴3 子どもがやりたいこと優先
特徴4 集団ではなく個人のため
1. 大人でなく子どもが主役
親や先生が子どもに「学んでほしいこと」「教えたいこと」をさせるのではなく、子どもが自分でやりたいと思ったことを、大人はそっと手助けしてあげるだけです。主役はいつも子ども自身です。
2. テレビよりも実体験
疑似体験(バーチャル)ではなく、大切なのは本物の体験です。なので、見るだけのテレビよりも実際にさわれる絵本が重視されますし、絵本の中でも空想の物語よりも写実的な絵の絵本や実際の物語の絵本を大切にします。そして一番大切なのは、もちろん、実体験です。
3. 子どもがやりたいこと優先
いつ何をするかを決めるのは子ども自身です。大人は、子どもがやりたいときに、やりたいことができるように、必要な環境を整えてあげます。そして適切なタイミングで子どもをサポートしてあげるだけです。
例えば、子どもに聞かれれば「こうすれば上手にできるよ」とやり方や使い方を教えてあげますし、子どもが忘れているようであれば「次の遊びにうつる前に片付けをしようね」と声をかけてあげます。
4. 集団ではなく個人のため
「しっかりとした個人がつくられてこそ、集団が成り立つ」と考えます。そのため、集団行動のために個人の行動を遮ることはしません。何にも邪魔されない集中した時間こそが安定した人間形成に役立つと考えられています。
家庭で取り入れるヒント
「子どもは自分で成長する」
モンテッソーリ教育の中心にある考え方は「子どもの成長を観察して、適切な時期に、適切な環境を用意してあげれば、子どもは自分の力で成長していく」というものです。
自信を持たせる4ステップ
モンテッソーリ教育では、子どもの成長には4つのステップがあると考えます。それが次の4つです。
ステップ1 自分でやりたいことを選ぶ
ステップ2 集中してくり返す
ステップ3 達成感を得る
ステップ4 次の成長への意欲が高まる
子どもは自分が選んだ「自分のやりたいこと」は集中して楽しみます。楽しみながら自分が好きな「やりたいこと」を何度もくり返すことで、手先の筋肉が発達します。手先が器用になると、身の回りのことが少しずつ自分でできるようになり、それが子どもの自信になります。
「選び、繰り返し、達成し、やる気を出す」という4つのステップを踏みながら、螺旋階段をのぼるように、少しずつ確実に成長していくとするのがモンテッソーリの考え方です。
なぜ自信が大切なのか
自分がやり遂げたことで自信をもった体験をつみ重ねた子どもは、大きくなっても「自分を信じること」ができるようになります。「自分を信じる」とは、自分の可能性を信じ、自分の才能を信じることであり、自分の生きる力を信じることでもあります。さらに、自分を信じることができる人間は社会を信じることもできるようになります。自分を信じ、社会を信じることができれば、人生に大きな可能性を見出すことができるでしょう。
成長するタイミング
最良のタイミング「敏感期」
子どもは毎日少しずつ新しいことができるようになって成長していきます。モンテッソーリ教育では、子どもが習得する新しい能力を細かく分け、それぞれの能力について子どもが習得するのに最適なタイミングを「敏感期」と呼びます。
「敏感期」に学ばせよう
敏感期には、子どもは自分から興味をもって、楽しみ、喜びながら学ぶことができます。「敏感期」には「言語」の敏感期や「離乳」の敏感期、「書くこと」や「読むこと」の敏感期などたくさんの種類がありますが、例えば、子どもが「書くこと」に敏感になる時期には「書くこと」を楽しめる遊びやゲームを通じて、字にも運筆にも自然と興味をもち、自分からくり返し書く練習をするようになります。そうすれば、ひらがなやカタカナはもちろん、小学校入学前に少しの漢字も自然と書けるようになってしまうものです。
子どもをよく観察し、成長の敏感期を逃さずに学びのきっかけを与えることができれば、楽しく「できた!」体験をつみ重ね、子どもは自信をつけながら、のびのびと成長していきます。
「敏感期」を逃しても大丈夫
もちろん敏感期を過ぎたら手遅れということはまったくありません。例えば、子どもの興味を向けることに、もしくは子どもの興味を持続させることに、その他いろいろなことに少しだけ余計に時間と手間がかかるかもしれない、というだけのことです。
モンテッソーリの親の役割
モンテッソーリ教育では子どもの主体性を大切にします。親の役目は、子どもの主体的な学びをサポートすることです。具体的には次の2つだけです。
「子どもが自分でできるような環境を提供してあげること」
「子どもが必要とするタイミングで、必要としている情報をさりげなく提供してあげること」
例えば、子どもがハサミに興味を持った時、大人用の大きなハサミでは子どもには上手に扱えません。子どもに初めてのハサミを与えるならば、小さく子どもの手にちょうど良い、しかしプラスチック製のおもちゃではなく本物のハサミと一緒に、子どもにも切りやすい厚すぎず薄すぎない紙を用意してあげます。すると、子どもは一人でちょきちょきとハサミを使いこなします。もし、ハサミを左手で持ったり、上下逆さまに持ったりして上手に切れない時には、「ハサミはこう持って使うものだよ」とお手本を見せてあげます。余計な説明をしたり、無理に正しく持たせようとしたりはしません。すると、子どもは自分のハサミの使い方とママのハサミの使い方は何がどう違うのかを観察し、見比べて、気づき、ハサミの正しい使い方を学びとります。
このような子どもの小さな成長の一つ一つにしっかりと寄り添い、子どもの「自分でできた!」という成功体験をサポートしてあげるために、特別な専門教具は必要ありません。モンテッソーリ教育の考え方や知能発達のためのテクニックは家庭でも簡単に取り入れることができます。
もっと詳しく知りたければ
モンテッソーリ『的』子育て
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おすすめの読み物
公益財団法人才能開発教育研究財団 日本モンテッソーリ教育綜合研究所
オススメ書籍
参考書籍
この記事はモンテッソーリ教育に関する関連書籍や筆者が子どもをモンテッソーリ幼稚園(日本)に短期通園させた時の体験及びモンテッソーリ校の先生による外部幼児のためのイベント参加体験(ドイツ及びアメリカ)などを加味して執筆しております。
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