知育にはさまざまな教育法がありますが、そのメソッドは実は単純で家庭でも取り入れられるものばかりです。実際にやってみて特に効果を感じたものの中から、「すぐに」「簡単に」「格安で」をキーワードに家庭でも取り入れやすいオススメの知育子育て法をご紹介しています。
今回はその第1弾で『モンテッソーリ教育』!モンテッソーリ教育で使われいてる知育メソッドからオススメのものをご紹介したいと思います。
【このページの目次】
モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育とは手先の動きを通して脳の発達を促し、自信によって心を育む教育法です。モンテッソーリ教育を家庭で取り入れる際に知っておきたいモンテッソーリの特徴や考え方などを簡単にこちらの記事にまとめています。
モンテッソーリ教育は子どもに「自分でできた!」と達成感を感じさせ自信を持たせることで自己肯定感を育みます。言い換えますと、子どもに「自分で」させてあげられれば何でもよろしいのです。歯みがきでも食事の配膳でも暮らしのすべての場面で知育子育てができますが、今回は「お片づけ」を例にとって、特に効果的でおすすめの方法をご紹介したいと思います。
モンテッソーリ流お片づけ
お片づけの習慣は簡単なようで難しく、一度習慣づけても、帰省後や旅行後など季節のイベントの後には元の木阿弥…すぐに忘れてしまったりします。お片づけがストレスにならないように、お子さんを上手にエスコートして、お片づけ上手&収納上手になってもらいましょう。
準備するもの
おもちゃを片付けられる棚を用意しましょう。おもちゃの量よりも大きな容量の収納棚が必要です。理想的な収納イメージは「収納スペースの8割にものが入っている状態」ですが、おもちゃはどんどん増えるので、棚を買い足したり、棚に外付けできたりするなど、おもちゃが増えたら収納スペースも大きくできるような家具やレイアウトの工夫が必要かもしれません。
知育家具がおすすめ
お子さんの自主的なお片づけのために新しく子ども用家具を買うのであれば、お子さんの知育のために設計された知育家具がオススメです。
知育家具の代表的なものでは、例えば、トイハウスラックがあります。(画像をクリックすると楽天市場の商品ページにとびます)トイハウスラックの知育家具というコンセプトは「子どもが自分でお片づけができる家具」です。子どもの小さな手で使いやすい棚や引き出しの大きさ、子どもの発達途中の筋力でも出し入れしやすい位置と軽さなど、子どもが使いやすいことが一番に考慮されています。
デザイン性も機能性もすぐれているトイハウスラックですが、私が個人的に気に入っているのはいつでも買い足しができる点です。必要な時に必要な大きさの子ども用収納家具を買い足しても、お部屋の統一感、スッキリ感がくずれません。
おすすめの下準備
まず、おもちゃを全部棚から出してみましょう。持っているおもちゃがズラッと床に並ぶと、どんなおもちゃを持っているのかがよく分かります。面倒ですが面倒だと感じないように、「今日はおもちゃたちの『お外遊び』の日にしようか」などと盛り上げて、事前に『トイストーリー』を見たり、『おもちゃのチャチャチャ』を3番まで歌ってみたり、お子さんと楽しめるような工夫をしてみてください。
おもちゃをいくつかのグループに分けます。最初に考えるのは遊ぶ頻度です。遊ぶ頻度によって、「1. 毎日のように遊んでいるおもちゃ」「2. 友達が来たら遊ぶおもちゃ」「3. 年に数回しか遊ばない特別なおもちゃ」の3つのグループに分けます。「毎日遊んでいるおもちゃ」以外は、お友だちと一緒に片付けをしたり、家族みんなで片付けをしたりするでしょうから、お子さんの手が届く場所に片付ける必要はありません。むしろ、毎日の片付けの邪魔になってしまうので「毎日遊んでいるおもちゃ」以外は大人が使いやすい高めの収納スペースに置いておくといいかもしれません。
次に「毎日遊んでいるおもちゃ」をいくつかのグループに分けます。グループ分けの基準は「お子さんのお気に入り度」です。お子さんのお気に入り度によって、「1. お子さんが自分から『遊びたい』と言い出すおもちゃ」「2. 出せばよく遊ぶけれど、片付けておいたら忘れているおもちゃ」「3. 出してあげたら、集中して遊ぶこともあれば遊ばないこともあるおもちゃ」の3つのグループに分けてみましょう。
収納場所を決めます。「1. お子さんが自分から『遊びたい』と言い出すおもちゃ」はお子さんが自分で楽に取り出せ、片付けられるように、収納スペースの中で一番いい場所に収納してあげましょう。「2. 出せばよく遊ぶけれど、片付けておいたら忘れているおもちゃ」は、お子さんの手が届く収納場所のうち、できればママが見せたり隠したりを調節できる場所が理想的です。「3. 出してあげたら、集中して遊ぶこともあれば遊ばないこともあるおもちゃ」は、収納スペースが限られている場合には、お子さんの手が届かない場所でも仕方がないかもしれません。その場合は「今日はこのおもちゃで遊んでみる?」などと定期的に言葉かけをしてあげてください。
収納場所が決まったら、どこに何がしまってあるのかが分かるように、棚やひきだしに印をつけましょう。印はイラストでも字でも何でもよいのですが、オススメは、可愛いイラストと一緒に漢字と読み仮名を書いてあげることです。脳は頻繁に見れば見るほど記憶を定着させますから、片付けをしながら字も覚えられます。
最後に、お子さんと一緒に収納場所の印を確認しながら、一度すべて床に出したおもちゃを決めたばかりの収納場所に片付けてみます。収納スペースが大きすぎたり小さすぎたり、不具合がでた場合は、その都度お子さんと話をしながら一緒に収納場所を決めなおしてください。ポイントはお子さんにたくさん声をかけながらお子さん主導で作業をすることです。お子さんは「自分で決めた!」「自分で片付けた!」と達成感と満足感を味わうことができます。これが次の日のお片付けのやる気につながります。すべてのおもちゃが収納場所に収まったら、下準備はおしまいです。
おすすめの片付け方
●『お片付けの音楽』をかける
(動画は『Barneyのお片づけソングby Youtube』)片付け専用の音楽を用意しましょう。私が自分の子どもたちのために「お片づけの曲」を探していた時は、日本のお片づけの曲はどれもテンポが遅く、バラードや子守唄のようにも聞こえるものしか見つけられませんでした。英語の「tidy up songs」で検索をしてみると自分の好きな曲を見つけることができたので、わが家では片付けの時にはいつも英語の曲をかけていました。これが結果的に大正解でした。子どもが5歳になったとき、何の前触れもなく突然、お片づけの英語の歌を歌い始めたからです。いつものように車の中でご機嫌で「アイアイ」や「汽車ポッポ」を歌っていたと思ったら、突然「clea~n up, every body, clean up~」ときれいな発音で歌い出した時にはとても驚いたものです。英語の曲もオススメできそうです。後片付けをする時には「そろそろ片付けをしようか」という声かけの前に、まず片付けの曲をかけるのがオススメです。
● 時計を読む練習をする
(画像は『電波掛け時計フォルリby楽天』)片付けの曲をかけたら、次は時計に注意を向けさせましょう。「時計を見てごらん。長い針が12、短い針が7だね。7時だよ。7時は絵本の時間だからおもちゃは片付けようか」などと声かけをします。「〇〇時だよ」と言ってから「だから片付けようね」と言うのがポイントです。このように言葉かけを続けていると、いつか必ず、自分で時計を見て、自分で時間を読み取って、自分で判断して片付けられるようになります。蛇足ですが、「長い針が12、短い針が7だね。7時だよ」という言い方はアナログ時計の読み方を教える時のコツです。アナログ時計の読み方を教えるコツは他の記事に譲りたいと思います。
● お子さん主導のお片づけを
お子さんが片付ける態勢になったら、何をどこにどうしたらいいのかを細かく言葉で説明してあげてください。当たり前のことを言葉にしてあげると、言葉の発達を促します。「ちゃんと片付けようね」という言い方は子どもには理解しづらい抽象的な表現です。「そのクマさんはぬいぐるみの引き出しに入れてね」などと、お子さんにしてもらいたい動作を細かく描写して伝えてあげてください。お子さんが新しい収納場所でのお片づけに慣れてきたら「積み木はどこにしまうんだったっけ?青い引き出しだっけ?赤い引き出しだっけ?」などと質問をしながら、お子さんに考えさせると自発的に考えることを学べます。
●「きれいになったね」と言う
おもちゃが片付いたら「わあ、きれいになったね。お部屋が片付くと気持ちがいいね」と言ってあげてください。「きれいになったね」という事実と、部屋が片付くと「気持ちがいい」という心の動きもまた逐一言葉にして教えてあげる必要があります。お子さんが片付けを頑張った日には「すごく上手にお片づけしてくれたね。ママ、嬉しかったよ」などと褒めてあげます。逆に、お子さんがあまり片付けず、結局ママが一人で片付けたような場合でも「ママ、頑張って片付けたから気持ちがいいな。お片づけって楽しいから、次は〇〇ちゃんと一緒に片付けたいな」などと明るく言葉かけをしてあげてくださいね。
注意したいポイント
■ いつ片付けるか
モンテッソーリ教育ではおもちゃは遊び終わったら、その都度、次のおもちゃを出す前に片づけます。家庭では、例えば、おもちゃの台所で遊びながら折り紙で創作野菜を作って料理をしたり、線路を組み立てながら積み木で線路沿いの家を作ったり、いろいろなおもちゃを組み合わせて自由に遊ばせてあげることも大切です。
そのため、出したおもちゃをいつ片付けるべきかはママの判断になります。「遊び終わったら片付けようね」と言っても、「まだ遊んでいる途中だよ」などと言われることもあるかもしれません。片づけのような習慣は毎回同じ条件でくり返さないと身につかないものなので、どれくらい自由に遊ばせて、どのくらい片付けを徹底させるのかは、ママの子どもの観察眼と子育てセンスに依ることになります。
■ ママは手伝うのか
2歳半~3歳くらいまではお子さんよりもママが片付けることになるかもしれません。この時期は片づけとは何をすることなのか、はっきりとは理解できない時期です。お子さんの手をつないで、ママのそばでママが片づけている様子を見せてあげてください。お子さんは言葉以上にママとパパの背中を見て学んでいますから、「大好きな」ママが「楽しそうに」片付けをしている姿を見せることはとても大切です。そして、お子さんが自分で、積み木をたった1個でも、折り紙をたった1枚でも片付けることができたら褒めてあげましょう。
3歳を過ぎると、「まだ遊ぶの!」「片付けしないもーん」「片付け、いやだ、ママがやって」などと自分の意思で片付けに参加しなくなるかもしれません。お子さんの言い方によってはイラっとすることもあるかもしれません。できるだけ怒らないように、たとえママが99%を片付けて、お子さんがたった2、3個のおもちゃしか片付けようとしなくても「片付けてくれてありがとう」と言ってあげてくださいね。そして、時間に余裕がある日には1時間かかっても2時間かかっても、お子さん一人の力でおもちゃをすべて片付けさせてあげてください。
■ あえて「片付けない」の効果
お子さんが第1次反抗期に入ると、お子さんがあまりにも片付けずにいるために、
幼児心理学的にはこのような逆説的反面教師的な言い方には効果が薄いことが証明されています。さまざまなお子さんがいるでしょうが一般的には「悪いことだから、しちゃダメ」と教えるより、「良いことだから、しよう」と教えた方が効果的ですから、根気強く「片付けたら気持ちがいいよ。一緒に片付けよう」と言い続けてみましょう。全く関係のない状況で後片付けのことを言うのも効果的です。例えば、「逆上がりができるようになったの?すごい!頑張ったね!お片づけも頑張ろうね」「お歌を上手に歌えたね。ママ、〇〇ちゃんの歌声大好き!聞かせてくれてありがとう!お片づけだって〇〇ちゃんがしてくれたらママすごく嬉しいな」などです。効果が出るまでに数日から数週間かかることが多く、ママが忘れた頃に思わぬ効果があったりしますので一度試してみてはいかがでしょうか。
モンテッソーリ流子育て
モンテッソーリ流子育ての方法は他にもまだまだたくさんあります。
「洋服えらび」もおすすめ
お子さんの「自分でできた!」自信づくりには毎日の洋服えらびもおすすめです。ものの場所や順番ややり方などにこだわる時期は、モンテッソーリが言うところの「秩序の敏感期」ですが、魔の2歳児期やイヤイヤ期とほぼ重なる時期なのが特徴です。
「この洋服じゃイヤだ!」
洋服を着替えさせていると「この洋服じゃイヤだ!」と、ママが選んだ洋服をお子さんが拒むことはありませんか?「秩序の敏感期」の到来です。このような時期には、着る洋服をお子さんに自分で選んでもらいましょう。
準備するもの
準備したいのは小さな入れ物です。例えば、このような箱やカゴがオススメです。新しく購入する時にはお子さんに色を選ばせてあげたり、お子さんに自由に絵や模様を描いてもらったり、好きなシールを貼ってもらったり、お子さんが入れ物に愛着を持てるような工夫をしてください。空き箱をペンや色紙で飾り付けるのもオススメです。
おすすめのやり方
お子さんが着替えを始める前、お子さんに気づかれないように入れ物の中に「ママが着てほしい洋服」を3着入れます。「ママが着てほしい洋服」はその日の気候や活動を考慮したものにします。
「さあ、今から着替えよう」という時間になったら、お子さん好みにカスタマイズした入れ物に用意しておいた「ママが着てほしい3着」の中から、お子さん自身に「その日に着たい」好きな洋服を選んでもらいます。
おすすめポイント
お子さんに選ばせる前に用意しておく洋服は3着がおすすめですが、言葉の発達が早めで2歳の誕生日前後にイヤイヤ期が始まったお子さんの場合は2着から始めるのがオススメです。イヤイヤ期は大人から言われるのが嫌で何でも自分でしたがりますが、2歳では多くの子が「3つのものから選ぶ」ことに完全には対応しきれません。3歳になるまでは一般的に2着から選ばせる方が上手くいくことが多いようです。
3歳を過ぎて「自分で洋服を選ぶ」ことに慣れてきたら、再び「この洋服じゃイヤだ!」が始まることがあります。その場合は、すぐに選択肢を3着から4着に増やすのではなく、できるだけ雰囲気の違う洋服を3着用意してみてください。色や模様や柄がまったく異なり、かつ、3着ともそこそこお子さんが気に入っているものを用意してあげられれば理想的です。3着の選択肢の質を充実させてから、3着から4着へ、4着から5着へと増やし、最終的には小学校へ上がる前にお子さんの洋服ダンスの引き出しから、その日着る服をお子さんが自分で選べるようになることが一つの目標になります。
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