- ルース•クラウス、マーク•シーモント、きじまはじめ/福音館書店
【このページの目次】
【絵本の内容】
動物たちは冬の間ずっと眠っていました。ある時、野ねずみ、くま、かたつむり、りすたちが、みんな何かを感じて目をさまします。いっせいに外に出てきて「はなをくんくん」、一目散に駆けていきます。いったい何が起こったのでしょうか…。
【2~3歳】読み聞かせのヒント
自然と科学の絵本
春になったら花が咲く、花が咲いたら春になる。自然の移り変わりと、それを感じる心を教えてくれる絵本です。
子どもには難しい表現も
「みんな かけてゆく」
「みんなは はなを くんくん」
「みんな ぴたり」
「みんな とまった」
絵本の読み聞かせとしては少々難易度の高い日本語です。物語の臨場感を表現する言葉が少ないからです。難しい言葉を、子どもにすっと理解させてくれるのは絵の力です。ゆっくりページをめくってあげてください。
間の取り方やセリフのスピードを変えると、また違った雰囲気になります。読み手の工夫次第でいかようにも楽しめる絵本です。
最後の場面を楽しみに
みんなが笑い出して踊り出す最後の場面は、子どもが思い思いに反応を見せてくれます。もしかしたらお子さんが動物たちと一緒に体を揺すり出すかもしれませんね。
【3歳から】語りかけのヒント
一緒に「くんくん」しよう
この絵本の日本語はなかなか難しいんです。何が難しいかというと、例えば「みんなははなをくんくん」の「くんくん」や「みんなぴたり」の「ぴたり」です。
これは絵本を読んだだけでは子どもには理解できないタイプの日本語です。読んで理解できないのであれば、一緒にやってみましょう。
この絵本を最初から最後まで一度読んだら、ぜひまた絵本を開いて「くんくん」と、お子さんと一緒にやってみてください。
家の中では、いくらママやパパが「くんくん」と鼻で空気を吸っても、それが「匂いをかいでいる」ことだとは子どもには伝わりにくいので、事前に香り豊かな切り花でも用意できれば理想的です。
しかし、お子さんが「くんくん」を「匂いをかぐこと」だと理解できなくても、絵本を読んだ直後にママやパパと一緒に「くんくん」とする経験が、子どもにとってはとても大切です。
一度家で「くんくん」としたことがあれば、次にお散歩でお花を見つけて「くんくん」したときにお子さんの記憶はすぐにリンクします。花の香りをかぎながら、お子さんは絵本の中でみんなが「くんくん」した場面を思い出し、「くんくん」という日本語と一緒に、今自分が香りをかいでいる花のことや、風や音や気温などその時の状況と一緒に知識として蓄積します。
このように体験に裏打ちされた知識はしっかりと身につき、今後の学習の土台になってくれます。
この記事がお子さんへの絵本選びに役立てば嬉しく思います。
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