絵本を解説すると?意味不明な絵本の読み聞かせで感性を磨くヒント

読み聞かせを楽しむために絵本『まるさんかくぞう』で感性を鍛えるヒント
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突然ですが、最近名画と呼ばれる絵画を見て「何だこの絵は!意味が分からない!」と思ったことはありませんか。芸術に触れて「意味が分からない」と思ってしまうのは、もしかしたら感性が鈍くなっているからかもしれません。お子さんへ絵本の読み聞かせをしながら、鋭い感性を少しだけ取り戻して、お子さんが感じている絵本の世界を一緒にのぞいてみませんか?

絵本は「感じる」もの?

絵本にはさまざまなものがあります。余白をたっぷり取って、絵を一つひとつじっくり魅せようとする絵本や、文のない絵本、色のない絵本…。

絵を見て文を読むのが絵本、という既成観念では楽しめない「感じる」絵本という種類の絵本があります。例えば『まる さんかく ぞう』という絵本です。

この絵本は1ページ目を開くと「まる さんかく しかく」。赤い三角と、ピンクの丸と、青い四角が、タテに並んでいます。すべて色が違います。大きさも違います。「まる しかく さんかく」「さんかく ぞう まる」「ぞう ぞう しかく」…。

色鮮やかな絵が3つずつ、大きさや形や順番を変えて現れます。それだけです。この機会にお子さんと一緒に感性を鍛えてみるのはいかがでしょうか。

感性を磨くヒント

そもそも感性は磨けるのか?!

本来、意図的に感性を鍛えようとして、思いどおりに鍛えられるものではないかもしれません。

感性を豊かにするには、外に出てゆったりした心で自然の中で過ごして「心地いいな」と感じたり、美術館や演奏会などに足を運んで質の高い芸術作品に触れ「美しいな」と感じたり、リラックスした状態である程度の時間、自分の感覚を自由にする必要があると思うからです。

毎日、仕事や子育てに追われているママやパパに、自分のためのゆったりした時間が簡単に取れるとは思いません。しかし、絵本であればお子さんと一緒に毎日くり返し楽しめます。

感性を磨く3ステップ

この絵本をくり返し読むだけで日々どんどん感性を磨いているお子さんに追いつくためにも、お子さんに絵本を読み聞かせながら、例えば、このようなことを感じてみてはいかがでしょうか。

ステップ1:見開きの左右の絵を比べて、どこがどのように変わったのかを確認する

ステップ2:「これが心地いい変化なんだ」と感じてみる

ステップ3:絵本を通して読んで「これが心地いい変化なんだ」と思ってみる

 

  • ステップ1

例えば、この絵本の最初の見開きを開いてみましょう。

ふつうに読めば、「さんかく まる しかく  まる しかく さんかく」と3秒で読み終わってしまいます。しかし、お子さんへ読み聞かせをするのであれば、「さんかく まる しかく」と読んで3秒待って、次に「まる しかく さんかく」と読んで3秒待つくらいの時間をとると思います。

お子さんが絵と音を味わっているその間に、大人は見開きの左右のページの絵を比べてみます。すると「同じ四角だけど、色が青からオレンジに変わったな」とか「同じピンク色の丸だけど、ちょっと色が薄くなってないか?」などと気付くと思います。

1ページ1ページの変化を、改めて確認してみてください。さらっと読んでいた時に考えていたより、ずっと多くの変化が描かれていることに気付くと思います。

ちなみに、おそらくお子さんはこのすべての変化をちゃんと感じ取っているはずです(笑)

  • ステップ2

発見した変化を「これが『心地いい』と言える変化なんだ」と思ってみてください。そして「心地いい(のか)な(…?)」と感じてみてください。

とても無粋なことではありますが、この絵本のすべての変化に意味づけをしようと思えばすることができると思うのです。

私のようにウンチク大好きな者に勝手に「解説」などをさせると、例えば…

最初の見開きであれば、右ページでは一番上にあった赤い三角が、左のページでは一番下に来ています。

まず右ページを見てみます。三角が一番上、真ん中に丸、一番下に四角という構図は、人が帽子をかぶっている様子などを連想しますから、比較的「日常的」で「慣れ親しんだ」バランスと言えます。

さらに、赤という色は元気の象徴ですから、この絵本はとても元気よく始まるようです。この赤い三角を見ると、作家が込めたこの絵本への情熱や心意気なども伝わってきて、何だか、やさしいエネルギーを感じます。

次に左ページを見てみます。三角が一番上から一番下に変えられています。色も赤から紫に変わりました。紫は静かで落ち着いたイメージを与える色です。

赤い三角が一番上にあると、飛び跳ねるようなイメージの元気な印象ですが、紫の三角が一番下に置かれることで、少し知的で神秘的な重厚感のある印象に変わる…

はずなのですが、上に乗っている丸と四角が大きすぎて全体のバランス感がまるでありません。丸も少し中心から右に寄っていますし、まるでゆらゆら左右に揺れている様子の一瞬を切り取ったかのように感じられます。

丸のピンク色が変わっていることには気付かれたでしょうか。左ページの大きくなった丸に、右ページのピンクをそのまま塗ってしまうと、四角のオレンジの鮮やかさとケンカしてしまっていたかもしれません。

少しだけ薄くなったピンク色と大きくなった丸という形は、どんどん膨らんでいく風船を思わせられます。

この色も形も大きさも、おそらく作家が「これが一番『心地いい』」と感じたから、このようになったのでしょう。ですから「これが『心地いい』変化というものなんだなぁ」と思ってみてください。

  • ステップ3 

「変化を見つけて、「これが『心地いい』っていうことなんだと思う」ことをくり返すだけです。

絵本を通して読んで、全体を通して「どこがどのように変わっていっているのか」を確認します。気付いた変化を感じようとしながら、絵本を通して読んで「これが心地いい変化なんだ」と思ってみてください。

そして、お子さんに絵本を読み聞かせた後にはいつも「読んでいて心地良かっただろうか」と考えてみてください。1冊を通して読んで「へぇ、これが『心地いい』っていうものなんだな」と感じられたら、いつもの読み聞かせの時にお子さんが感じていることを少しだけ共有できたのかもしれません。

絵本の楽しみ方としては邪道だが

この記事は、幼児教室で以前、この絵本をどうしても楽しめないと相談された時にお答えした内容の一部です。その方は「少しだけ、子どもが感じている『楽しさ』が分かったような気がします」とおっしゃってくださったので、こちらでご紹介しました。

絵本の読み方としては間違っているでしょう。楽しく味わうべき絵本を使って、何かを鍛えようとか何かの練習をしようなどと考えてはいけないのかもしれません。煩雑なことに頭を悩まさずに、ただ絵本を楽しめたらそれに越したことはありません。

上の「感性を鍛える3ステップ」の内容は、ぜひ、お子さんには内緒にしていてくださいね。お子さんの方がずっとずっと多くを感じ取って、お子さんはじっくりと味わっています。しかしママやパパの言葉の力は強いので、お子さんはママやパパに説明されると「この絵本はそうやって読むものなのか」と学習してしまいます。お子さんの自由な想像と感性の足かせになってしまうかもしれません。

絵本の楽しみ方としては邪道であっても、こういったことがきっかけになって、『まる さんかく ぞう』のような抽象的な絵本をママやパパも一緒に楽しめるようになったら、お子さんにとっては幸せなことに違いありません。

感じるためのおすすめ絵本

最後に、『まる さんかく ぞう』のように「親にはあまりおもしろいと思えない(?)」抽象的な絵本をいくつかご紹介します。

  • 『もこ もこもこ』谷川俊太郎、元永定正/文研出版
  • 『あかいふうせん』イエラ•マリ/ほるぷ出版
  • 『よあけ』ユリー•シュルヴィッツ、瀬田貞二/福音館書店

親が楽しめないからという理由で、絵本を選り好みしてしまうと、お子さんの絵本経験を狭めてしまいます。絵本を『買う』のは親ですから仕方のないことではありますが。

多様な絵本をより楽しく味わえたら、きっとお子さんの大きな糧になると思います。

 

 

 

この記事がお子さんとの読み聞かせに役立てば嬉しく思います。

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