2016年度から新形式になった英検2級を初受験する方へ、新英検2級の基本データのまとめ。試験内容や試験時間、配点、合格率、過去問などを調べたくて公式サイトを見てみたのですが、情報が散っていて知りたいデータを探すのにとても時間がかかったので、一箇所にまとめておきたいと思いました。ついでに英検2級攻略のコツやおすすめの勉強法も加えました。
【このページの目次】
【1分で分かる】新・英検2級
▼ 英検2級の試験時間:110分
筆記試験:85分
リスニングテスト:25分
計1時間50分
▼ 英検2級の合格点:1520点/1950点
筆記試験(85分)
リーディング問題:650点
ライティング問題:650点
リスニング試験(25分)
リスニングテスト:650点
満点1950点
▼ 英検2級の試験形式
《リーディング試験:全38問》
大問1. 短文の語句空所補充 20問
大問2. 長文の語句空所補充 6問
大問3. 長文の内容一致選択 12問
全38問
《ライティング試験:全1問》
4つの採点基準と配点
内容:25%
構成:25%
語彙:25%
文法:25%
全1問
《リスニング試験:全30問》
第1部. 会話の内容一致選択 15問
第2部. 文章の内容一致選択 15問
全30問
▼ 英検2級の合格率
非公表
旧試験の合格率は35%~45%
▼ 英検2級の過去問
過去3回分の試験問題が公式サイトにて公開されています。
[PR]各データの詳細を以下に改めてまとめます。
新形式 英検2級の詳細データ
試験内容や試験時間、配点、合格率、過去問など2016年度から新形式になった英検2級の基本データをまとめています。
英検2級の試験時間と配点
英検2級の新形式や試験時間については公式サイトでは「2級の試験内容」というページに載っています。配点に関しては公式サイト「2016年度からの新しい合否判定方法について」の「各技能ごとの満点スコア」より。
英検2級の試験時間
2016年度から始まった新形式に合わせて、試験時間は長くなり、筆記試験の試験時間は85分になりました。
筆記試験:85分
リスニングテスト:25分
筆記試験にはリーディング試験とライティング試験があるのですが、両方を85分で回答しなければいけません。英検2級に初挑戦する場合、一応の目安になるのはリーディング試験を55分で、ライティング試験を30分で解けるようになることです。慣れてきたら
リーディング試験を50分(見直しに5分)
ライティング試験を25分(見直しに5分)
で回答することを目標にして時間配分を考えてみてください。
英検2級の配点と合格点
英検2級の1次試験はリーディング試験、ライティング試験、リスニンク試験の3技能において各650点満点です。1950点満点のうち、約6割半取れれば合格できます。
筆記試験(85分)
リーディング問題:650点
ライティング問題:650点
リスニング試験(25分)
リスニングテスト:650点
試験勉強をするときには、それぞれ7割近くを正答できるように準備しましょう。
英検2級の合否判定と合格点
合格点は1950点満点中1520点
2016年度から英検2級は「1950点満点」という何とも馴染みのない点数の試験になってしまいましたが、これは「英検CSEスコア」という名前の新しいスコア尺度を採用したからです。
CSEスコアという合否判定
CSEスコアというのは偏差値のようなもので、平均点や他の受験者の正答率などさまざまな要素によって計算されるスコア(英検公式サイト「英検CSEスコアのご紹介」より)です。大きな特徴は2つあります。
特徴1. CSEスコアは比較しやすい
CSEスコアは比較しやすいのが特徴です。試験を何度か受験した場合に、たとえ試験が難しく4割程度しか正答できなかった回や易しめの問題が多く6割近く正答できた回などがあっても、自分の現在の英語力をほぼ正確な数値で把握することができます。頑張れば頑張った分が数字で現れるわけです。
さらに、CSEスコアでは「読む、書く、聞く、話す」の4技能の得意不得意を数値で把握することもできます。(公式サイト「よくあるご質問」より)リーディング試験、ライティング試験、リスニング試験、スピーキング試験の4試験すべてが650点満点に換算されます。リーディング問題は38問、リスニング問題は30問あるのですが、どちらも650点満点ですから1問あたりの配点はリーディング問題よりもリスニング問題の方が高いということになります。
特徴2. CSEスコアはバランスが大事
CSEスコアでは「読む、書く、聞く、話す」の4技能のバランスが大切です。CSEスコアの計算方法では、試験で何点取れたかによって1問あたりの配点が大きく変わり、平均点に近い人ほど1問当たりの配点が小さくなり、反対に平均点から遠い人(満点に近い人か0点に近い人)ほど1問当たりの配点が大きくなるからです。
例えば、9割以上正答している場合は1問正答したかどうかで10点以上変わることがありますが、正答率が5割程度の場合は1問正答したかどうかの違いはせいぜい5点程度です。つまり、8割以上正答している場合は1問のケアレスミスでCSEスコアが大きく変わり、逆に正答率が4割以下の場合にはCSEスコアが極端に低い場合があります。
目標は苦手分野なしで7割正答
ですので、試験勉強をするときには苦手分野(例えばリスニング問題)がある場合にも最低でも4割は死守できるように勉強計画を立てましょう。苦手分野で点を落としても、その他の得意分野(例えばリーディング問題)で高得点を取ることができれば合格することが可能な試験です。
合格点の目安は正答率65%
合格点は1950点満点中1520点ですから、CSEスコアを78%獲得しなければ合格できないことになるのですが、すでにご紹介したようにCSEスコアというのは偏差値のように計算方法がとても複雑な数値です。一応の目安として(有名英語教室がこぞって公表している換算表を見比べてみると)およそ
65%の問題に正答できれば合格
できると言えるようです。もちろん誤差はありますが。
英検2級の試験形式
英検2級のリーディング試験
リーディング問題は3種類の問題が出題されます。
大問1. 短文の語句空所補充 20問
大問2. 長文の語句空所補充 6問
大問3. 長文の内容一致選択 12問
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リーディング試験は語彙力
リーディング試験攻略の秘訣は何と言っても語彙力UPなのですが、広く浅く「見たことがある単語」を増やすのではなく、狭くとも深く「使いこなせる単語」を増やすことが大切です。難しい単語を見て「あぁこの単語は何ていう意味だったかな〜」などと考えてしまっては語彙力不足です。リーディング試験では速読力が必要になりますから、読むスピードを上げるために「絶対に間違わない単語」をたくさん身につける必要があります。
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語彙力を向上させる勉強法
矛盾するような表現になりますが、語彙力を向上させるには「見たことがある単語」を増やす練習をつむことが大切です。「見たことがある単語」こそが語彙力UPの下地になります。なぜなら、リーディング試験の長文の中で単語を覚えられるのは、30%くらい知っている「見たことがある単語」を「あぁこの単語は何ていう意味だったかな~」と思い、前後の文脈から意味を推測できた瞬間だからです(この時の推測が間違っていても構いません)。推測した単語の意味が合っていれば嬉しくて忘れることはほぼありませんし、たとえ推測が間違っていても「こういう意味だったのかぁ、ああ推測したのが間違いだった…」という思考回路が記憶を定着させてくれますので、次に同じ単語に出会った時にはおそらく「あぁこの単語は前回間違って推測した単語だったな」と記憶とともに日本語訳も思い浮かべられると思います。
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語彙力UPならパス単と文単
「見たことがある単語」を増やす練習には『英検2級 でる順パス単』がおすすめです。さらに、この『パス単』に加えて『文単』すなわち『CD付 英検2級 文で覚える単熟語』で単語を確認しながら、長文を読み込めれば合格に必要な語彙力を効率的に身につけることができるのでおすすめです。
▼まずはパス単で底力をつける
英検2級のライティング試験
2016年度から導入されたライティングテストでは指定されたトピックに関する英作文をします。
▼採点基準は以下の4点
内容:25%
構成:25%
語彙:25%
文法:25%
650点満点
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ライティング試験は文章構造
ライティング試験は初めての場合にはやや敷居が高く感じるかもしれませんが、正しい勉強法で準備することができれば実は一番安定して高得点が狙える試験です。英語の文章というのは癖があり、日本語の文章構造とは全く違います。英語独特の「高得点が取れる文章構造」を覚えてしまえば、あとは指定されたトピックに合わせて内容を変えるだけです。ライティング試験は慣れてしまえば、一部で言われている「考えなくても解ける試験」などという表現もあながち大げさではありません。
英検2級のリスニングテスト
第1部. 会話の内容一致選択 15問
第2部. 文章の内容一致選択 15問
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リスニング試験は音→意味
リスニング試験を攻略するコツは、聞き取れなかった英語を聞き取れるようにする手順にあります。例えば、リスニング原稿を見て、聞き取れなかった英語表現が
I’m used to〜
という単語だったと確認したとしましょう。英文を確認した上で何度も音源を聴き直し「何度聞いても I’m used to~ の『’m』が聞き取れないなぁ…」と思っていては、もしかしたら聞き取れるようになる日は遠いかもしれません。
聞き取れるようになるコツは、音源を聞いて真似をして「アイッユーストゥ」という音を覚えてから聞こえた音をそのまま受け入れることです。「何度聞いても I’m used to~ の『’m』が聞き取れないけど、『’m』ってネイティブはアイッユーストゥの『ッ』って発音するんだーへー」などと軽く考え、次の問題へ進みましょう。 I’m used to~ の『’m』が聞き取れなくても「アイッユーストゥ」の『ッ』が聞き取れれば、それは「私は慣れています」という意味ですから。
「聞き取れない、聞き取れない」と思うのではなく、「へーこういう風に聞こえる英語ってこういう意味なんだ」「へーこの英文はこんな風に聞こえるんだ」などと、あたかも初めてその音を聞いたかのように素直に受け入れていると(ストレスがなくなるせいか、さくさくと勉強が進められるせいか)ある日突然英語が聞き取れるようになる(いわゆる「ブレイクスルー」の)瞬間が訪れます。その瞬間を楽しみに、ぜひ英文をたくさん聞いてください。
英検2級の試験内容
英検2級は「高校卒業程度」とされています(公式サイト「各級の目安(一覧内の英検2級の欄)」より)。教育や科学を始め、医療やテクノロジーなど社会性のある英文読解も出題されますが、社会生活に「必要な」英語が出題範囲(公式サイト「各級の審査基準」より)ですので、社会性の高い内容や幅広い話題についての英文は出題されません。判断の目安としては「小学生でも理解できる程度の社会問題・時事問題」と考えてみてはいかがでしょうか(これは英検2級の小学生の合格率が40%を超えていることからも分かります)。
英検2級の合格率
合格率は40%前後(非公開)
公式サイト「試験結果・各種証明」の「一次試験解答速報」の下に小さく「合格率に関するお問い合わせにはお答えできません」と書かれており、合格率は非公表になっています。ちなみに、新試験に移行する前の合格率は毎回およそ35%〜45%の範囲で推移していました。しかしながら、2016年度第1回の高校生の合格率は速報として公表されています。2015年度第1回の合格率が27%だったのに対し、2016年度の新試験では34%にアップしています。
英検2級の過去問
過去問は過去3回分の試験問題が公式サイト「2級の過去問・対策」で公開されています。ちなみに、2017年第1回のライティング課題は「若者の起業の是非」でした。
過去問集は必須アイテム
英検2級というレベルを知る
2級の難易度と必要な勉強時間
英検2級の難易度と英検2級合格のために必要だと思われる勉強時間についてまとめています。
2級に合格した人の英語力
「英検2級」は高校卒業程度
英検2級は「高校卒業程度」という英語力です(公式サイト「各級の目安(一覧内の英検2級の欄)」より)。
「英検2級」でできること
英検2級合格者の「Can-doリスト」というものが公式サイト上で公開されています。英検2級合格者を対象に、実際に英語を使う場面で自分の英語にどのていどの自信を持っているのかをアンケート調査したものです。英検2級の「Can-doリスト」によりますと、英検2級に合格している人はこのような場面であれば、ほぼ問題なく英語で対応できる自信があるということです。
「英検2級」に必要な語彙力
英検2級に必要な語彙力は4000語程度と言われています。英検準2級に必要な語彙力は3000語程度ですから、新しく1000語を覚える必要があります。ちなみに、英検3級の語彙数が1500語ですから2倍以上の語彙が必要です。
新形式の英検2級に初挑戦する方のお役に立てば幸いです。
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