教室で使った英語絵本を買いたいというご希望は毎年多かったのですが、12月初中旬ですでにAmazonや楽天ブックスなどネット書店では売り切れていることが多く、近くの書店で注文していただいてもクリスマスに間に合わないことが毎年ありました。大都会ではこのようなことはないのかもしれませんが、クリスマス絵本の中でも特にクリスマスの英語絵本は早めのご購入がよろしいようです。
1~3歳 初めての英語絵本に
英語で数字を覚える絵本
『Very Hungry Caterpillar’s Christmas 123』
あらすじ
サンタが1人、クリスマスツリーが2本、雪だるまが3つ…。
おすすめポイント
「1日英語幼児教室」という公開講座の1〜2歳児コースの導入絵本としてよく使っていました。大人気絵本「はらぺこあおむし」と一緒に楽しく数を数えられるクリスマス絵本です。英語絵本といっても主に1から10までの数ですから、初めて英語に触れるお子さんにもすぐに馴染めます。すべてのページに描かれた小さいはらぺこあおむしを探して楽しむこともできます。
ご自宅の読み聞かせでは、ママやパパと一緒に「ワン」「ツー」「スリー」と元気よく声を出して「英語を発話する」ことを楽しめる絵本です。英語の数字の絵本は他にもたくさんありますが、クリスマスシーズンならこの絵本がイチオシです。
絵本の中の英語
Let’s count, one Father Christmas, two Christmas trees, three snowmen, four holly leaves, five know flakes …
▼ ネイティブが読んでいました
仕掛けで英語を楽しむ絵本
『メイシーちゃんのクリスマス』
あらすじ
ねずみのメイシーちゃんはクリスマスの用意に大忙し。クリスマスカードを書いたり、友だちへのクリスマスプレゼントを買いに行ったり、クリスマスパーティーの用意をしたり…。
おすすめポイント
メイシーちゃんの仕掛け絵本で、1日英語幼児教室2〜3歳児コースの導入絵本です。クリスマスバージョンは仕掛けも飾りも豪華なので子どもたちの興味関心を一瞬で集めることができます。残念ながら絵本の対象年齢に対して仕掛けはあまり頑丈にできてはいません。この絵本をおうちで楽しむとなると、ママは「せっかくの可愛い豪華な仕掛けをお子さんが壊しちゃわないだろうか」とひやひやするかもしれません。
ふつうの絵本の大きさの通常版に加えて、手のひらサイズのミニ版もあります。ミニ版はお出かけに持っていくのも便利です。メイシーちゃんシリーズは英語併記なのでママは意味を調べる手間を省けますし、外出先では時間をつぶさなくてはいけない時に日本語で読んだり英語で遊んだりできて重宝します。この絵本で「ひらがな当てクイズ」「アルファベット当てクイズ」をして、クリスマスが終わるころには文字をぐんと覚えていたお子さんもたくさんいました。
絵本の中の英語
Hooray! It’s Christmas Day. Christmas is coming. The postman brings Daisy lots of cards. …
▼ ネイティブが読み聞かせをしてました
くり返し表現を覚える絵本
『メイシーちゃんのクリスマス・イブ』
あらすじ
クリスマスの準備をしましょう。あら?誰か一人足りません。みんなで探しに行くと…。
おすすめポイント
『メイシーちゃんのクリスマス・イブ』はクラスの流れを作るためではなく、絵本を読み聞かせることによって英語学習につなげるタイプの英語絵本で難易度は上がります。
くり返しの多い英語表現や友だちのためにみんなで力を合わせるストーリーなど、英語学習という点では「クリスマスイブ」の絵本の方がおすすめです。この絵本は読み聞かせなら3歳くらいから、お子さんが自分で英語絵本を音読するのなら小学校低学年くらいまで長く楽しめる絵本だと思います。
絵本の中の英文
It was Christmas Eve. Snow fell on Maisy’s house. Snow fell on Charley’s house. Snow fell on Cyril’s house. …
▼ ネイティブが読み聞かせをしてました
3~6歳 単語絵本を卒業しよう
英「文」を読める幼児絵本
『It’s Christmas Time!』
あらすじ
クリスマスに欠かせない雪だるまやクリスマスリースやクッキーやプレゼントを一つずつ紹介すると…。
おすすめポイント
この絵本はスライドさせて遊べる仕掛け絵本です。内容としてはクリスマスグッズを1ページに一つずつ紹介するもので簡単でシンプル。2~4歳児にはいつも大人気で、年中になっても年長になっても「ああ!あの絵本だ!」と楽しんでくれました。
ただ、5~6歳児でこの絵本を「初めて」読む場合には仕掛けの簡単さと英語の馴染めなさ(くり返しフレーズがありません)が少々ウケが悪いかもしれません。
絵本の中の英語
At Christmas time, we’ll build a nice, bright snowman! We’ll hang a wreath that sparkles and glows. …
色と形と形容詞の英語絵本
『Dear Santa』
あらすじ
手紙をくれた男の子にサンタが素敵なプレゼントを贈ろうとしますが「これは〇〇すぎる」「これは〇〇すぎる」と…。
おすすめポイント
平易な英文ながら英語独特のリズムを楽しめる絵本で、1日公開英語講座だけでなく小学生や大人向けの普段のクラスでも利用していた絵本です。英単語としては色と形の言葉を覚えることができます。
おうちで読み聞かせる時には、最後のちょっとした仕掛けはお子さんと一緒にめくって触って楽しめます。
絵本の中の英語
I wrote to Santa to send me something special for Christmas. So he wrapped up a …. (サンタがプレゼントを選んでみて)Too scary, thought Santa. I’ll send something else. …
▼ ネイティブが読み聞かせをしてました
疑問詞と前置詞を学べる絵本
『Where Is Baby’s Christmas Present?』
あらすじ
赤ちゃんがクリスマスプレゼントを探して、あっちへ行ったりこっちへ行ったり。クリスマスプレゼントは一体どこかな?
おすすめポイント
英語の音を楽しめる「初めての英語絵本」としては最も難易度が高い絵本で、単語の羅列ではなく、短いながら主語と述語のそろった完全な英文に親しめる絵本です。ママには毎年一番人気の絵本でした。
疑問詞の使い方や前置詞のもつイメージなど中学1年生が学習する英語学習の基本的文法構造が使われているので、この絵本が1冊あると幼児期から中学1年生まで使えます。疑問文の作り方や前置詞の使い分けは絵本をたくさん読んで「感覚的に」身につけるのが一番ですから、小さいうちからこのような楽しい絵本をたくさん読んであげると「英語脳」が自然とはぐくまれるのでおすすめです。
絵本の中の英語
It’s Christmas, and Baby is looking for his present. Is it in the closet? No! These are some ornaments! …
▼ ネイティブが読み聞かせをしてました
オラフと英語を学べる絵本
『Frozen Olaf’s Night Before Christmas Book & CD』
あらすじ
クリスマスを知らないオラフはクリスマスに興味津々。つるされてる靴下を疑問に思ったり、空飛ぶトナカイと橇を見て「あれえ?クリストフだー?なにしてるんだろ?」と言ったり…。
おすすめポイント
クリスマスを知らないオラフのクリスマスイブの物語です。CDに収録されているオラフの声は原作でもオラフを演じているジョシュ・ギャッド氏なので、まさにオラフが話しかけてくれる絵本です。英語はネイティブなら2歳児でも楽しめるレベルです。アナとエルザも2ページだけ登場します。
絵本の中の英語
He turned with a start, then let out such a giggle. I had to laugh, too, when I saw how he jiggled!…
5歳~小学生 英語「を」楽しむ
数を逆さに数える英語絵本
『Eight Jolly Reindeer』
あらすじ
トナカイがサッカーをしたり、ソリをしたりしています。でも、ページをめくる度にトナカイがどんどん減っていき…。
おすすめポイント
くり返しフレーズの典型的な幼児英語絵本です。トナカイの数が減っていくので数を逆さに数える練習ができます。数字の英語以外はトナカイの動作を説明している英文なので、ページの前半の英文を読みにくく感じる方もいらっしゃるかもしれません。すべてのページで1ページずつ「トナカイの動作」と「くり返しフレーズ」という組み合わせなので、何度か練習をされてリズムよく読むことができれば、単語は少々難しくとも子どもは飽きずに楽しんでくれます。絵本自体はクリスマスらしくキラキラと華やかで、小さめサイズで持ち運びがしやすい絵本です。
英語のできるママなら赤鼻のトナカイが「ルドルフ」という名前なのはご存じでしょう。「まっ赤なお鼻の」の曲の英語の歌詞は「ルドルフという名前のトナカイさんが」ですが、サンタには8頭のトナカイがいて、ルドフルはそのうちの1頭に過ぎず、8頭みんなに名前がついていたことはご存じでしたか?この絵本を読めば8頭のトナカイみんなの名前が分かります。
絵本の中の英語
Eight jolly reindeer stretching up to heaven. Up goes Dasher and then there are … Seven jolly reindeer start their kicks. Up goes Dancer and then there are …
▼ ネイティブが読み聞かせをしてました
英文併記の間違い探し絵本
『どこどこ?セブン2 クリスマス』
冒頭抜粋:英文併記
「どこどこ?セブン」へようこそ。ここには となりどうしおなじにみえる ふたつのせかいがあるよ…。/ Welcome to “Doko Doko Seven”. There are two pictures which look the same…
おすすめポイント
洋書ではないのですが、クリスマスで英語を楽しむ絵本として非常に評判がよかった絵本をご紹介させてください。見開きページの左右2枚の写真にはクリスマスの様子が写っています。そっくりの2枚の写真から7つの違いを見つける間違い探し絵本シリーズのクリスマスバージョン。
幼児教室では、まず左右2枚の写真の見開きページの片方を隠しながら最初から最後まで通して読み聞かせを行い、そして改めて間違い探しをしながら簡単な英会話を練習しました。
英会話は「どこが違うと思う?」「こことここが違うんじゃない?」などと間違い探しに関することだけではなく、「ここにはペンがあるよ、このペンは何色かな?」「これはクリスマスリースっていうんだよ、この木の枝の形はなんて言うんだっけ?」などと、物の名前や色や形など子どもたちがすでに知っている英単語を引き出せるような質問がけをしていました。
絵本を使った英会話練習をする時のコツは同じ質問を何度もすることです。質問の中の言葉を少しだけ変えたり、聞くタイミングを変えたりしながら、お子さんが慣れない単語をたくさん発音する練習ができるよう上手にエスコートしてあげてください。
この絵本は絵本ナビで全ページ試し読みをすることができます。
絵本の中の英語
This decoration made by Mom looks like a doughnut. Green leaves, pine cones, pretty ribbons, holly tree… Christmas will be soon! Moms wish for their families happiness during this time…
少し長い英文の仕掛け絵本
『The Sweet Smell of Christmas』
あらすじ
ある朝、くまくんが起きるといい匂い!「このいい匂いはなあに?」お母さんのところへかけて行って聞いてみると…。
おすすめポイント
普段より1レベル上の英語絵本に挑戦したい時におすすめのクリスマス絵本です。可愛らしくシンプルなストーリーながら、英文自体は比較的長めで英語の読み聞かせに慣れていないお子さんは途中で飽きてしまうかもしれません。
しかし、絵本の仕掛けがそんな「ちょっと難しく感じる1レベル上の英語絵本」に挑戦しやすくしてくれています。この絵本の仕掛けはなんと香り!
ネイティブの先生の中には小さい時に読んでもらったこの絵本が忘れられないという人も多くいました。嗅覚は人間の五感の中でも特に記憶に残りやすい感覚ですから、今年のクリスマスはこの絵本の香りと一緒に英語の音と英語にふれる楽しさをお子さんに残してあげてはいかがでしょうか。
絵本の中の英語
One morning, Little Bear sat up in bed and sniffed and sniffed with his nose. “Something wonderful is going to happen,” he said. “My nose tells me so.” Little Bear ran downstairs to the kitchen. “Mommy, what do I smell?” he asked. “Christmas is coming. I think …
▼ ネイティブが読み聞かせをしてました
英語力が試される!?英語絵本
『Dream Snow』
あらすじ
おじいさんが畑仕事から帰ってウトウトしていると雪がしんしんと降り積もります。目を覚ましたおじいさんは急いで外へ…。
おすすめポイント
ある程度の英語力があれば何倍も楽しめるクリスマス絵本です。表紙の、まるでサンタクロースを彷彿とさせるおじいさんもサンタクロースではありません。ストーリーは一般的なクリスマス絵本とは少し違うため、読み聞かせで読み上げられる英語を理解できれば理解できるほどエリック・カールの魅力的な世界を味わえます。表紙を見せると子どもたちが必ず「はらぺこあおむし(と同じ作者)だ!」と喜びます。あおむしではないのに「はらぺこあおむし」だと分かるほどエリック・カールの絵には独特の味があります。
読み聞かせをしていると、子どもたちがストーリーを理解しづらそうにする箇所も見受けられますが決して絵本から目を離すことはありません。子どもたちが途中で飽きることなく聞いてくれているのは「はらぺこあおむし」で見慣れた色合いの絵のおかげなのかもしれないと思うことが多々ありました。その分、大人は「絵本」として読むことを楽しむことができると思います。
英語学習としては色や動物の名前などに親しむことができます。動物あてゲームをすると子どもたちはいつも喜ぶと思います。また最後のページに簡単な音の仕掛けも付いています。夜静かに読み聞かせをする時には仕掛けの音色もいっそう美しくお子さんの心に響くことでしょう。
絵本の中の英語
On a small farm there lived a farmer. He had only a few animals. He could count them on the fingers of one hand. So the farmer named his animals One, Two, Three, Four, Five …
▼ ネイティブが読み聞かせをしてました
小学生〜 英語「で」知る
クリスマスの由来を英語で
『Christmas Is…』
あらすじ
なぜクリスマスを祝うようになったのか、なぜサンタクロースがプレゼントを配るようになったのか、なぜ靴下にプレゼントを入れるようになったのか…。
おすすめポイント
ベツレヘムでキリストが生まれたお話しやクリスマスで使う装飾品の数々の意味など、クリスマスの行事の由来や経緯が英語で読めます。少し大人になった子どもにおすすめしたい英語絵本です。
クリスマスの由来や歴史が書かれているので、サンタクロースを本気で信じている小さなお子さんに読み聞かせるとお子さんの気持ちを台無しにしてしまうかもしれません。
絵本の中の英語
CHRISTMAS IS… THE CHRIST CHILD. Christmas celebrates the birth of Jesus Christ. It is on December 25th. Many years ago in the town of Bethlehem, the baby Jesus was born in…
▼ ネイティヴが読み聞かせをしてました
6歳〜小学生「使える」英語を
“The Night Before Christmas”
年1回12月に毎日詩を詠もう
12月は毎日英語の詩を詠むことを毎年恒例の習慣にしてみませんか?おすすめの詩はもちろんクレメント・C・ムーアの「The Night Before Christmas」です。
絵本で本物の英語力を
単語も文法も英会話も「使える」本物の英語力を身につけるには暗唱が一番です。暗唱すると劇的に英語力がUPするのに英語学習法として浸透しないのは時間がかかりすぎるからでしょう。高校生になってからでは受験勉強で忙しくなりますし、おとなになってからではそれこそ時間を捻出するのが難しくなります。暗唱は「英語を楽しむ」ための時間がたっぷりとある幼児期にこそおすすめしたい、というより「すべき」英語学習法だと思います。
さいごに
英語絵本は「お子さんの英語レベルよりほんの少し上のレベル」であり、かつ「一つ上のレベルの英語を読み切れるだけの魅力がある絵本」が理想なのですが、お子さんと絵本の英語レベルを測るのも絵本の絵本としての魅力を見極めるのもなかなか難しいものですよね。しかしクリスマスは英語の国の文化ですから12月こそ英語絵本の読み聞かせをしたい!そんな時にこの記事がヒントになれば幸いです。
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