乳幼児連れ国際線長距離フライトは60回以上。子連れフライトのための体験談を発信中。【子供と飛行機】シリーズ、今回は、外国の航空会社で経験した国際線長距離フライトのトラブルをご紹介します。
【このページの目次】
記事を書いたのはこんな人
子連れで地球を20周!?
僻地赴任や緊急手術のための出国から親戚の海外挙式や家族の海外旅行まで、子連れで外国に出ること60回以上。興味本位で計算したら、飛行機での総移動距離はすでに地球を20周ほどでした。
外国の航空会社でのトラブル
ロシアの航空会社でのこと
「5時間以上フライトが遅れて乗り継ぎに間に合わず乗り継ぎの空港で12時間待たされたケース」というのはロシアの航空会社でした。
朝の5時にモスクワ空港に着陸しましたが、乗り継ぎ便はすでに出ていて次の飛行機をモスクワで12時間半待たなくてはいけませんでした。
冬のモスクワ空港は建物の中でもとても寒く、日本の防寒レベルしか準備していなかったので親も子どもも風邪をひかないかとても心配でした。特に、子どもの足が氷のように冷たくなってしまって、ずっとさすってあげていましたが1時間もすると腕が痛くなってしまって夫と二人で、子どもが凍傷にでもならないかと本気で心配していました。
遅延による食事のフォローなどもなく、朝5時で開いている店など一つもなく、空港内にいるのは同じ飛行機に乗ってきた人たちだけという状況で、他の人から離れすぎない場所の冷たい椅子に座ってモスクワの空港でとりあえず開店時間の午前8時を待ちました。(この時点でフライトが予定通りなら目的地へ着いている時間でした)
午前8時になり少しだけ人が増え、店が開くと凍てついた空気だけは緩みました。しかし、私たちは店が開いてもロシア語は分からないし、ロシアのお金は持ってないし、そもそもメニューの写真を見ても食べたいなんて思える食べ物は一つもなく、とりあえずクレジットカードが使えるカフェでパンと暖かい飲み物だけ買いました。
それから午後5時まで、心配だったのは着替えとおしめの数でした。乗り継ぎなのでスーツケースは手元にありません。手元にあるのは機内に持ち込んだ荷物だけ。おしめは残り3枚。朝食後におしめを替えて残り2枚。9時間でおしめ2枚というのは可哀想すぎますが、もし漏れてしまっても着替えはなかったのでギリギリまでおしめをしていてもらいました。肌の敏感な次男だったらおしりは真っ赤っかに腫れ上がっていたと思います。
お昼ご飯も食べず(食べられず)午後5時の搭乗をずっと待っていました。搭乗口を案内するアナウンスが聞こえたときには心底ホッとしました。が、悲劇は数分後に発覚します。
搭乗口に行くと、なぜか、床の上にしゃがみ混んでいる航空会社スタッフとそれを取り囲む大勢のロシア人たち。なんと、機内の座席指定をA4の紙一枚で処理していました。どうやら、12時間待っていた私たちの席はコンピュータでは認識されていなかった(?)ようで、予約していた席は無効。床の上で新しく席を決めさせられました。
しかし、その飛行機に乗る予定だった他の乗客の席はすでに押さえられており、私たちが選べるのは飛び石のように空席になっている一人席だけ。ロシア語は分かりませんが、私は英語でキレました。「12時間も待たせておいて、私たちの席を先に埋めておかないのはどういう了見だ」と。でも、目の前のスタッフにキレたところで夫と並んで座ることはもう無理で、私は一人で、12時間待たされて機嫌が最悪の1歳半の息子と機内で5時間乗り切らなければいけませんでした。
私がキレたからか、夫が「(書面で会社に報告するから)乗客アンケートをよこせ」と怒ったからか、客室乗務員の態度が一変して、妙に愛想を振りまく客室添乗員に私は機内用おもちゃを5人分くらいもらいました。でも、機内用の安いおもちゃを持ちきれないほどもらってもゴミになるだけで私は逆に腹が立ちました。
1本目のフライトが遅れて乗り継ぎに間に合わないという経験をしたことがありませんでしたし、60回乗った今でも乗り継ぎに間に合わなかった経験はこの時の1回だけなので通常はどのようなサービスを受けられるのが一般的なのかは分からないのですが、私たちは12時間も前から空港にいたのですから、私たちの席を先に取り、それから搭乗手続きをする一般客の席を埋めるのが常識なのではと思ってしまいます。夫は海外生活が長いので英語力は一応ネイティブ並みですが、もしかしたら私たちが重要なアナウンスを聞き逃していたのかもしれません。
中国の航空会社でのこと
「目的地の天候不順で着陸できず他の空港に一度降ろされ、そこで一泊して翌朝再び目的地へ向かったケース」というのは中国の航空会社でした。
北京に向かっていたのですが、機内で「北京での大雪により空港が閉鎖されたので青島に着陸します」とアナウンスがありました。
青島に着陸してから3時間ほどは空港で待たされました。
3時間待っている間に航空会社から食事が提供されました。その食事というのが黒いゴミ袋のような巨大なビニール袋に無造作に入れられたフタがきちんと閉まっていないお弁当と、同じく巨大なゴミ袋のようなビニール袋に詰め込まれたリンゴ(1人2個)でした。リンゴは消毒液のような臭いがしました。
お弁当はフタが3分の1以上開いていて気持ち悪かったので、きれいそうなところを2口だけ食べましたが塩気が強すぎて気持ち悪くなりました。リンゴも気持ち悪かったので皮を剥きたかったのですがナイフなどはありませんし、水で洗おうにも中国の水道水は臭くて飲めないので、ミネラルウォーターを買って、その水でリンゴを洗って、皮は歯で剥ぎ取って中身だけ食べましたが、消毒液のような味がしました。歯で皮を剥ぐたびに歯の隙間にたくさん詰まって気持ちが悪かったです。
子どもはまだ離乳食だったので、用意していた最後の一つを食べさせました。子どもはときどきギャーギャー泣きましたが、中国の空港は他の客がうるさいので全く気になりませんでした。あやしたり、授乳したりして乗り切ることができました。
弁当やリンゴが入っていたビニール袋で弁当のゴミが回収され1時間ほどすると、突然、他の乗客が一斉に外へ歩き出しました。アナウンスはおろか、指示も案内も何もなく不安でしたが、空港に取り残される方が不安だったので人の波に着いて行きました。外に出るとマイクロバスが4台止まっていて、他の乗客はマイクロバスに乗り込んでいるようだったので私たちも乗り込みました。
青島も外は雪が降っていましたし、地面には30センチほど雪が積もっていました。マイクロバスに乗り込んだものの、他の空港に連れていかれるのか、このマイクロバスで北京まで行くということなのか、何も分からなかったのですが30分ほどバスに乗っていると3階建ての小さな学生寮のような建物に着きました。建物に入ると小さな受付らしきカウンターがあったので、そこがホテルだと分かりました。
その小さなホテルの受付にマイクロバス4台分の人間が入ると一気に気温が上がり、むせ返るようで気持ちが悪かったです。ここでも情報が伝わってこないので何も分からなかったのですが20分ほどすると、カウンターのあたりがざわつき始めたので夫が見に行ってくれました。さらに30分ほど待つと夫が鍵を持って帰ってきました。その鍵の部屋に1泊しろということらしいです。
他の乗客のほとんどは中国人でしたが、20人くらいでしょうか、欧米人らしき外国人も混ざっていました。その人たちはずっと「ノー インフォメーション」と怒鳴っていたので、きっと何の連絡もされなかったのだろうと思います。
鍵はもらっても、いつ部屋に行っていいのか、明日は何時に何が起こるのか何も連絡がなく、誰に聞けばいいのかも分からないままとりあえず部屋に入りました。夫が「明日は6時に起きればいいみたいだ」という情報を他の客から聞いてきました。ただ、その情報が正しいのかその客も知らないとのこと。とりあえず朝6時に目覚ましをセットして寝ました。
翌朝は6時前に目が覚めました。起きると他の部屋はもうザワザワしていました。ドアがバタンバタン開閉する音が聞こえるので、外の様子を確認すると他の乗客は荷物をすべて持ってロビーへ向かっていました。私たちも急いで準備して荷物をもって部屋を出ました。
またマイクロバスに乗るのかと思ったら、どうやら受付カウンターの左手にある大部屋に入っているようでした。その大部屋には朝食が用意してありました。朝食といっても中国式の塩気のないお粥とお粥にのせる4種類の具材だけでしたが。とりあえず子どもにお粥を食べさせました。子どもの離乳食はもう持っていなかったので、ちょうど塩気もありませんし、中国のお粥は子どもには良かったです。一口食べましたが私は食べられませんでした。
食堂の窓から、ホテルの外にマイクロバスが3台止まるのが見えると約半数の人が席を立ったので、私たちもすぐに外に出ました。昨日は4台で来たのに、外に見えるマイクロバスは3台だけ。乗りそびれて置いていかれたらいけないと思いました。他の人もそう思ったのか、バスまではみんな早足でした。
ホテルを出たところで、ドアの外側に立っている人に搭乗券を見せている人がいました。全員が搭乗券を見せているわけではなかったのですが、その人に近づいて搭乗券を見せると数字が書かれた半券をもらいました。どうやらこれが今日の飛行機に乗るためのチケットらしく、中国人は中国語で何かをしゃべりながら搭乗券を見せていました。しかし、欧米人は誰も搭乗券を見せていなかったし、数字が書かれた半券も受け取っていませんでした。何に必要なのか半信半疑でしたが、とりあえずバスに乗り込みました。
マイクロバス4台分の人数にバス3台では足りるはずもなく、この時は通路に多くの人が立ったままぎゅうぎゅう詰めにされて空港まで向かいました。空港に着くと、入口から何も検査されないまま搭乗口に直通でした。スタッフ専用入口からでも入ったのでしょうか。
朝8時前に飛行機も到着し、搭乗口ではほとんど待つことなく機内に案内されました。あんなに全く情報がない中でホテルやバスに取り残されて飛行機に乗れない人がいないのか不安で仕方ありませんでしたが、他人の心配をしている余裕もなかったので、夫と二人で「あの状況でよくまた飛行機の中に戻ってこれた」と幸運(?)を喜びました。数分後に飛行機は離陸し、私たちは無事に北京につけましたし、荷物もきちんと手元に戻りました。でも、情報が一切もらえない移動はもう嫌だと思いました。中国系の航空会社は安いですが、これ以降私たちは一度も使っていません。
トラブル体験から得た結論
日本の航空会社がおすすめ
やっぱり日本の航空会社が安心です。子連れで乗った60回のフライトのうち、ご紹介したような「困った」状況になったのはたった2回です。飛行機の遅れは10回ほどでしょうか。乗り継ぎに間に合わないほど何時間も遅れたのが上記の1回、機内に案内されて1時間から2時間ほど機内で待たされたことが5回ほどあります。その他の遅延は遅れても30分以内くらいで、さしたる影響もありませんでした。
機内に着替えを持ち込む
以来、ずっと機内に家族全員分の着替えを持ち込むようにしています。一度、普段は吐き癖のない子どもが機内で嘔吐したことがありまして、機内に持ち込んだ着替えに親子ともども助けられたこともあります。荷物は多くなりますが、安心のために「機内持ち込み手荷物に家族の着替え」、おすすめです。
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