絵本の読み聞かせで絶対知っておきたい子どもが嫌がるタブーと対処法

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絵本の語りかけとは

今、大注目の語りかけ

「語りかけ」は知育メソッドの1つで、「大人が子どもの成長のために目的をもって言葉をかけること」です。

特別な教具を使わずにできて経済的な負担がありませんから、特に家庭での知育に向いている手法です。語りかけは、いつでもどこでも誰でもできる手軽さと、何について話してもいいという簡単さが特徴です。

絵本の後に語りかけをすると、お子さんは語彙も知識も増やせますし、言葉の発達のためにも論理的な思考のためにも非常によいだけでなく、親子の絆づくりにも子どもの精神的安寧にも効果があります。

「読みっぱなし」は古い

以前は「絵本は読みっぱなしが一番。余計なことは言わない方がいい」などと言われていました。

確かに不用意な言葉かけをしてしまうと絵本の余韻を台無しにしてしまうばかりか、子どもを絵本嫌いにしてしまう可能性があることは否定できません。

しかし注意点はたったの一つ。子どもが「読みたい」「話したい」と思っていないときに読み聞かせや語りかけをしないこと、これだけです。

絵本の語りかけの落とし穴

《語りかけ》自体は手軽で簡単なのですが、実は、絵本の語りかけは少々慣れが必要です。

語りかけはいつ何を話してもいいので、例えば公園やお買い物のときに目の前にある植物や食べ物について話すことが基本です。

絵本の時間の語りかけは絵本という格好の話題が目の前にあるために、大人は絵本のことばかりを話したくなってしまいます。特に絵本に登場した「知識」や「新出単語」は、つい子どもに押しつけてしまいがちです。

言葉の説明をする時にクドくなってはいけません。子どもの興味を新しい知識へと向けながら楽しく会話を膨らませることができれば、子どもは自分でどんどん学ぶようになります。

 

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タブーはたった1つ

「感想を聞くこと」

絵本の語りかけをするときに絶対にしてはいけないタブーは「感想を聞くこと」です。

どんなに素晴らしい絵本を読んでも、どんなにお子さんが気に入っているように見えても、絵本を読んだ後に「この絵本、どうだった?」とは決して聞かないであげてください。

感想を聞けない3つの理由

  • 漠然とした質問の圧迫感

「どうだった?」という『はい』か『いいえ』では答えられない質問は子どもに大きな圧迫感を与えてしまいます。

子どもが「えっと…あれがこうだったから…」と頑張って論理的に考えようとしているところへ「早く何か答えなければいけない」という焦りが生じてしまい、子どもはストレスを感じてしまうのです。

会話の中で子どもにあまりに強いストレスを与えてしまうと、吃音と呼ばれる「どもり」の遠因になることもあります。絵本も会話も楽しいことが大前提ですので、与えずにすむストレスは与えない方がよろしいでしょう。

  • 子どもの感情の複雑さ

子どもは感性がするどく絵本の隅々までを味わって楽しんでいます。「どうだった?」と聞かれても短い言葉ではとうてい答えられないほど子どもは複雑で多くのことを感じています。それほどの思いを子どもの拙い言語能力で表現させようとするのは幼児には少々ハードルが高すぎてしまいます。

4歳から5歳くらいになると「この絵本、どうだった?」と聞かれて「おもしろかった!」などと答えらる子どももいます。もしお子さんが「おもしろかった!」のあとに言葉があふれてこないようなら、もしかしたら日頃から「おもしろかった!」と答えさせすぎているのかもしれません。

絵本を読んでも「おもしろかった!」、お芋ほりをしても、「おもしろかった!」動物園に行っても、「おもしろかった!」…言葉をいくらでも吸収できる幼児期に、何をしても感想が「おもしろかった!」で満足してほしくはありません。乳幼児期は言葉の力をつける基礎づくりの時期です。子どもにはもっと豊かで美しい日本語を知ってもらいたいと願ってしまいます。

語りかけでは答えさせるのではなく、いろいろな言葉を使ったさまざまな答え方を教えてあげてください。

  • 子どもの思考の雑然さ

「この絵本、どうだった?」と質問すると子どもが混乱するのは、子どもの感性が鋭いからだけではありません。

「はい」か「いいえ」では答えられない質問に答えるにはとても高い言語能力が求められますが、言語能力は話すためだけでなく、考えるためにも必要な力です。

高い感性で多くを感じとることはできても、それを整理する言語能力はありませんから、子どもの頭の中はおそらく印象の強弱だけで記憶されているに違いありません。それは仕切りのない引き出しのように、少し刺激を与えると中のものがぐちゃぐちゃになってしまうのでしょう。

絵本の語りかけをするときに漠然とした質問をしてしまうと子どもが混乱するのは、子どもは絵本を味わっていた心の動きから論理的に考えようとする思考へと、スムーズに自分の意識を移すことができないからです。

 

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語りかけのおすすめ対処法

簡単な質問をたくさんする

乳幼児期にはまず「『はい』か『いいえ』では答えられる単純な質問」をたくさんしてあげてください。登場人物の心情や印象的な小物などについての当たり前な質問がおすすめです。

「ネズミさん、パンを食べられて嬉しそうだね」とか「ウサギさんのワンピース、とってもステキだったね」とか。子どもが迷わず「うん!」と答えられる質問から始めてみてください。

そして質問する内容を少しずつ、ほんの少しずつ難しく本質的なものに変えていきます。

すると子どもはどんどん長く、どんどん詳しく、しゃべれるようになります。たくさんしゃべれるようになると、子どもの興味は文字へ、創作へと広がっていきます。子どもの可能性は無限大です。

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