小学生の自由研究のテーマに人気の「元素」。小学生向けに書かれた元素の本から大人向けの本まで、「小学生の子どもが読んでいます」という口コミのある元素の本を集めました。
元素に興味をもつきっかけに
身近な元素の楽しい図鑑
『図鑑NEO 元素のひみつ』
「元素」というものが何なのかがイメージしやすい初めての元素本におすすめの1冊です。
この本の良いところ
例えば、子どもには一番イメージしやすい「金」のページはゴールドで見開きが埋められていて、「79番 Au」の元素がとても強く印象に残ります。
「元素って何?」という基本的なところから、小学生向けに解説されています。
見開きページの印象がとても華やかで目をひくように工夫されています。
「元素」という言葉を初めて聞いたというお子さんのご家庭からは「毎日図鑑を開いている」「ページをめくる手が止まらない」など好評です。
何かと話題の放射性元素もこの通り、ばっちり掲載されています。
無料ダウンロードできるデジタルブック『元素を集めよう』は、およそ100ページもの量で圧巻。身近なものから元素を集めて、自分だけの周期表を作ることができ、夏の自由研究にもなります。
この本のデメリット
この本のねらいは「小学生が元素の世界を身近に感じられること」です。小学生に身近なものの元素が、小学生に分かりやすいように説明されています。
そのため、114種類の元素のうち紹介されているのは、小学生がイメージしやすいものに限られ、元素周期表全体を網羅したような解説はありません。
日頃から子ども科学博物館の催し物にかよっているようなご家庭からは「簡単すぎる」「他の元素本ばかりを読みたがる」などという口コミがあります。
化学や元素への興味をすでにお持ちのお子さんであれば、こちらの図鑑ではなく『ビジュアル大百科 元素と周期表』がよろしいかもしれません。(見開きページなどは「中学生になっても楽しめる本」の項でご紹介しています)
▼ 元素の入門書におすすめ!
めくる仕掛けが楽しい本
『元素の世界 しかけずかん』
[内容紹介より] めくりしかけで楽しく学べるイギリスの人気エデュケーションブック。周期表の見方や各元素の特徴、化学反応について、コミカルな元素のキャラクターたちがわかりやすく解説。▲ こちらの画像は原本である英語版です。日本語版は日英併記ではありません。
オールカラーのイラストと、125枚もあるめくりしかけで、難しい元素もわかりやすく、楽しく、学ぶことができます。
元素とは何かが分かりやすい
『ぜんぶわかる118元素図鑑』
こちらの本は、表紙のデザインが真面目な地味めなので小学生向けだとは思いにくいところはありますが、見開きページはこんなにポップです。
身近な元素から日本発の元素「ニホニウム」まで、
本格志向の小さなお子さんにおすすめ。
「元素とは何か」の説明はこの本が一番分かりやすいと思います。
多少は化学用語が出てくるものの、文体はやさしく、年中さんでも飽きさせない程度には十分に読み聞かせができる内容です。
小学校中学年以上であれば、内容をしっかりと理解できるはずです。漢字はすべて読み仮名つき。
元素を1番身近に感じられる本
『少し賢くなれる元素の話』
元素を身近に感じられるように工夫された本はたくさんありますが、この本で紹介される元素がもっとも生活に根付いています。
「鉛筆からダイヤモンドまで炭素」「ニンニクの臭いにおいは硫黄」「ナイター中継を支えるスカンジウム」など小さなお子さんでも楽しめる小ネタ話が満載です。
自由研究に特におすすめの本
実験コラムが自由研究に最適
『元素図鑑 宇宙は92の元素でできている』
「車と星、ロケットとハンバーガーに共通していること…それは、どれも同じ92の元素からできているということです」で始まる本です。元素でできているのは、人間も、毎日さわったり食べたりしているすべての物も、宇宙も同じだと教えてくれます。
しかし、「すべての物は元素でできている」とはどういうことなのか。元素はどうやってすべての物になっているのか…それは、この絵本を読めばわかります。
この絵本では、元素それぞれの性質を説明しながら、それがどう結びついて、地球上、いや全宇宙のあらゆるものをつくっているかを説明しています。周期表と簡単な実験コラムもあって、内容はもりだくさん。
身近にあるもの――例えば、石や岩、海、自分の体、絵の具などなど――が、どんな元素からできているのかもわかります。
コンセプトが自由研究に最適
『マンガでわかる元素118』
この本には、118の元素の発見者から
元素そのものや元素研究の意外な歴史、
最先端の応用テクノロジーまで、小学生の自由研究向きな情報がつまっています。
他の元素の本とはちょっと違った「元素のお話」がたくさん。
小学生の元素への興味づけにはぴったりの1冊ですが、
高校生が読んでも化学の成績はあまり上がらないかもしれません。
元素のキャラクターの本
街の住人が元素の元素シティ
『元素シティへGO! ぼくらの世界は何からできているのか?』
日本初の元素ニホニウムくんと一緒にめぐる不思議な元素シティの世界がコンセプトの本です。例えば、1番水素なら「キング・オブ・元素」で元素シティの市長さんです。
他にも「放浪癖がある「亜鉛」ファミリー」「元素シティの研究者一家「炭素」ファミリー」「元素シティの医者一家「窒素」ファミリー」「元素シティのセレブ「酸素」ファミリー」など。
元素シティで個性豊かな118の元素を楽しく学べます。ここでご紹介している元素キャラクター本の中では一番「解説文が短く簡潔」です。とても読みやすい反面、元素の表面的なことが学べるのみです。
キャラクター本シリーズ 元素
『元素キャラクター図鑑』
おぼえておきたい大切な元素や有名な元素がキャラクターになって登場します。
元素シティの本より若干詳しい内容で、それぞれの元素の特徴や存在する場所、なにに使われているかなど、
個性的でかわいいキャラクターたちと、(小中学生レベルですが)元素を多角的に学べます。
元素の住所ともいえる、元素周期表ももちろん掲載されています。
アルカリ金属やアルカリ土類金属など、
元素の特徴などによって分けたグループごとに紹介しているので、元素の特徴がつかみやすいのが特徴です。
すべての漢字にふりがな付き!
小学生が一人で楽しめる本
『マンガで覚える元素周期―元素くん118人の性格がわかる、見える、好きになる』
現在までに発見の報告がある118の元素をすべてキャラクター化し、周期表を元素たちが住むマンションに見立てた1冊。
他のキャラクター本と比べて、元素に人間の性格づけをしているところが独特です。元素にも「いいやつ」「ヤバいやつ」「誰かに似ている変なやつ」がいる…という世界観で元素の素顔に迫ります。読み終えれば確実に元素が「身近に」感じられる本です。
毎日を元素目線で見てみる本
『元素生活 完全版』
絵も文章も子ども向けではないのに、「小学生の子どもがハマりました」という口コミが意外と多い1冊。
こちらは「浮かぶ風船を作るためのヘリウムガスを吸い過ぎたら命に関わる」というエピソードを紹介したイラストです。ヘリウムで声が高くなる様子も空高くのぼる吹き出しで表現されています。
私たちの暮らしを「元素目線」で語ってみようというコンセプトの本です。
どこかユーモラスでウィットに富んだイラストでわかりやすく解説されています。
小学生から化学嫌いのオトナまで見て楽しめる、現代の化学履修学生の必読書かもしれません。
絵本のように楽しめる写真本
世界で一番美しい元素図鑑
『世界で一番美しい元素図鑑』
目で楽しむ元素図鑑といえばこの本。
『賢い子は「家」が違う』や『頭がいい子の家のリビングには「辞書」「地図」「図鑑」がある』など、読書系の育児書のほとんどで紹介されているリビング学習の本棚にはマストとされる1冊です。
写真満載のオールカラー図鑑
『学研の図鑑 美しい元素』
元素の性質だけでなく、その用途や歴史などをオールカラーの美しい写真とともに分かりやすく解説してくれています。『美しい元素』の増補改訂版です。
元素を風景で覚えられる本
『世界でいちばん素敵な元素の教室』
元素に関する素朴な疑問についてのQ&Aをはじめ、用途や名前の由来などを印象的な写真を添えて解説してくれます。例えば、「花火ってどうやって色をつけているの?」や、
「英語ではSilverなのに、なんで元素記号はAgなの?」 「マグネットとマグネシウムは、関係あるの?」「肥料にはなにが含まれているの?」など。
お子さんと一緒に読んでも楽しめますが、親が「化学」の家庭教育環境を整えてあげるヒントになる1冊です。この写真のような場所に行った時に元素のことやこの本の話をしてあげたり、この本の写真に似た場所へ連れて行ってあげたりしてあげてはいかがでしょうか。
▼ 「世界でいちばん素敵な教室」シリーズでは「科学の教室」もおすすめです。
中学生になっても楽しめる本
1000点以上の写真と分かりやすい解説
『ビジュアル大百科 元素と周期表』
元素のアート的な面だけでなく,「サイエンス」「知的好奇心」のスポットライトを元素にあてた1冊。
1000点以上の美しい写真が満載。やさしい文体で書かれているので小学生にもおすすめです。
一番最初にご紹介しました『図鑑NEO 元素のひみつ』が簡単だと感じるお子さんにはこちらの本がよろしいかもしれません。
漢字の読み仮名は振られていません。
周期表にフォーカスした本
『ニュートン式超図解 最強に面白い!! 周期表』
「ニュートン式超図解」シリーズは高校生になるまでに読破しておきたい名著ぞろいです。
こちらの「ニュートン式超図解」シリーズの元素の本は、小学生には少々難しいかもしれませんが、
すでに元素の図鑑などを持っていて、元素への知的好奇心をお持ちのお子さんには大変おすすめです。
元素についての解説や周期表の読み方だけにとどまらない興味深い解説ばかりなので、夏休みの自由研究で「自由に自分の好きなことを突き詰められる時間」にはぴったりです。
好奇心のままに自由に探求できる状況という意味では、中学受験を終えてホッとしてるお子さんにもおすすめできます。
また、次にご紹介します「Newtonライト」や「Newton別冊」リシーズへの足がかりにもなる1冊です。
Newtonライトシリーズ 元素
科学雑誌Newtonの人気特集をやさしく再編集した「Newtonライト」シリーズは、文字数も少なく、読み切りやすいページ数で、価格もお手頃です。化学の先取り学習をするならNewtonライトシリーズまでは読ませてあげたいところです。
『Newtonライト 元素とイオン』
[内容紹介] イオンはいたるところに存在しています。たとえば調味料の食塩(塩化ナトリウム)は「ナトリウムイオン」と「塩化物イオン」が結合したものです。鉄のサビも漂白剤もイオンでできています。イオンはとても身近なものなのです。
『Newtonライト 周期表にひそむ元素のヒミツ』
[内容紹介] 周期表を見れば、元素それぞれについてその性質やふるまい方を推測することができるのです。周期表にかくれた法則や奥深さをやさしく紹介します!
元素を学べるストーリー漫画
『元素に恋して マンガで出会う不思議なelementsの世界』
このマンガ本は、元素の説明文にイラストをつけてマンガ仕立てにしたものではなく、漫画としてのストーリーが楽しめる元素マンガです。
ストーリー性のある漫画に元素が組み込まれていますので、小学校高学年から中学生、高校生にもおすすめの1冊です。
「Element(要素)」の複数形「Elements」で、英語では「元素」の意味になります。
宮沢賢治に出てくる元素の本
『宮沢賢治の元素図鑑 作品を彩る元素と鉱物』
幼いころ「石っこ賢さん」とよばれたほど石に熱中した宮沢賢治が残した作品から、「元素」に触れた文章を写真とともに紹介しています。
例えば『やまなし』という作品には「水銀」「銀」「黄金」「金剛石」「水晶」などが登場しますが、宮沢賢治の作品には多くの元素や鉱物が登場します。この図鑑は、科学者であった宮沢賢治の作品を「元素」の視点から解説した本です。
宮沢賢治が残した数多くの短歌や詩、童話、手紙、メモが手がかりとされていて、宮沢賢治作品に登場する元素以外にも、現在知られている118の元素すべてを取りあげられています。
ここでご紹介した本一覧
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