化学の勉強もどんどん先取りに! 小学生の自由研究に「元素記号」「元素周期表」がテーマに人気急上昇です。「元素の自由研究」まとめ方や賞をとるコツなど。
【このページの目次】
「元素」が人気!
化学の先取り学習も急増
「理系脳育児にいいと聞いたので」「高校に入って化学嫌いにならないように」…。今、自由研究に「元素」が人気なのをご存知ですか? 私が知っている例では、小学2年生が自由研究をしていたりしました。親に買ってもらった教育CDに「すい、へーりーべー」と入っていて、その歌がとても気になったのだそうです。
「元素」自由研究のコツ
自由研究のコンクールは、どのようなテーマのコンクールであれ、大切な評価基準が6つあると考えられます。その中でも自由研究の深みを出すのが「応用発展研究」です。お子さんのやる気と集中力が続くのであれば、できるだけたくさんの種類の研究をした方が入賞に近づきます。
基本レベル:小学1〜2年生向け
「元素」の自由研究でまず調べたいのが「元素とは何か?」「周期表とは何か?」です。小学1~2年生ならば、元素と周期表について調べたことをまとめて、自分で元素周期表を作れば自由研究になります。
▼ 初めての「元素の本」と言えばこちら! 見開きページを大きく使って元素をイメージできるようになっています。例えば「金」なら1面まるまるゴールド!
無料ダウンロードできるデジタルブック『元素を集めよう』は約100ページもの量で圧巻。身近なものから元素を集めて、自分だけの周期表を作ることができ夏の自由研究には最適です。
対象は「小学生」なので低学年でも大丈夫です。少し手を加えれば立派な高学年の自由研究にもなりますので、兄弟で取り組むのもおすすめです。
▼ めくりしかけで楽しく学べるイギリスの人気エデュケーションブック。周期表の見方や各元素の特徴、化学反応について、コミカルな元素のキャラクターたちがわかりやすく解説してくれています。
▲ こちらの画像は原本である英語版です。日本語版は日英併記ではありません。
▼ 「元素とは何か」が一番分かりやすい本。化学用語もやさしい文体で分かりやすく解説されています。
「年中さんの読み聞かせに使っている」という口コミも。
読みやすいけれど内容はしっかりとしているので、小学校中学年以上にもおすすめです。漢字はすべて読み仮名つき。
中身はこんなにポップで可愛らしいのに、地味で味気ない表紙デザインでずいぶん損をしている気がします(要らぬお節介でしょうが…)。
応用レベル:小学3~4年生向け
小学3~4年生ならば、低学年レベルの基本情報に加えて「その元素でできた身近なもの」の元素周期表を作ってみてはいかがでしょうか。3番Liならばリチウム電池とか、16番Sならばマッチとか、48番Cdならば絵の具とか、身近なものの絵を描いたり写真に撮ったりなどして自分なりの元素周期表を作ってみましょう。あの有名な「すいへーりーべーぼくのふね」のように、自分だけの元素周期表の歌づくりをして、とても面白い研究発表をしていた子もいました。
▼ 「元素でできている?」の意味とは
元素それぞれの性質を説明しながら、それがどう結びついて、地球上、いや全宇宙のあらゆるものをつくっているかを説明してくれている本です。
▼ 現在までに発見の報告がある118の元素をすべてキャラクター化。
「元素の住所」と呼ばれる周期表を、元素たちが住むマンションにして周期表を解説してくれています。
▼ 元素を身近に感じられるように工夫された本はたくさんありますが、この本で紹介される元素がもっとも生活に根付いています。
「鉛筆からダイヤモンドまで炭素」「ニンニクの臭いにおいは硫黄」「ナイター中継を支えるスカンジウム」など小さなお子さんでも楽しめる小ネタ話が満載です。
発展レベル:小学5~6年生向け
小学生も高学年になると、多角的な観点から元素を調べてみてはいかがでしょうか。「元素の名前の由来」「元素を発見した人」「元素が発見された年」「元素が発見された場所」など、元素の小ネタ話や裏エピソードを集めると非常に個性的な自由研究に仕上がります。
▼ 118の元素の発見者から意外な歴史、最先端の応用テクノロジーまで、小学生の自由研究向きな情報がつまっています。
他の元素の本とはちょっと違った「元素のお話」がたくさんです。
▼ 「ニュートン式超図解」シリーズは高校生になるまでに読破しておきたい名著ぞろい。
小学生には少々難しい内容も含まれていますが、夏休みの自由研究に「元素」を選ぶお子さんであれば小学生でも読めると思います。
▼ 科学雑誌Newtonの人気特集をやさしく再編集した「Newtonライト」シリーズは、文字数も少なく、読み切りやすいページ数で、価格もお手頃です。化学の先取り学習をするならNewtonライトシリーズまでは読ませてあげたいところです。
『Newtonライト 元素とイオン』
いたるところに存在するイオンを、たとえば調味料の食塩(塩化ナトリウムは「ナトリウムイオン」と「塩化物イオン」が結合したもの)や鉄のサビ、漂白剤など、とても身近なものでイオンの世界を見せてくれます。
『Newtonライト 周期表にひそむ元素のヒミツ』
周期表は実は、元素それぞれについてその性質やふるまい方を推測することができる虎の巻。周期表にかくれた法則や奥深さをやさしく紹介してくれています。
自由研究の参考になる元素本
「元素」は高校生の履修内容ですが、現在は小学生向けの「元素の本」もたくさんあります。おすすめの18冊をこちらでご紹介しています。
「元素」自由研究のまとめ方
自由研究の動機
自由研究の動機は、元素であれば「新聞でニホニウムの記事を読んだので」あたりが王道ですが、できればお子さんの心の機微を含めたほうが(研究動機は評価にはあまり影響しませんが)心象が良くなります。
先取り系の自由研究では親が意図的に興味をもつような仕掛けをする場合もありますが、自由研究で元素を取り上げてみようとする場合なら近くの科学センターや科学博物館の子どもイベントに参加して、「どこどこに参加してみて、こういうところに興味を持ったので」や「どこどこで、こういうことを質問してみるとこのような答えをもらったので」などの体験をさせてあげると研究動機を書きやすくなります。
ちなみに、全国区で入賞するような作品の自由研究にはたいてい(人や動物や昆虫などとの)心の交流が感じられるエピソードが書かれています。
自由研究の目的
自由研究の目的とは「ねらい」とも書かれたりしますが、「自由研究でどんなことを知りたいのか」を書きます。
興味深いことに、全国区のコンクールほど自由研究を始める前に考えていた「自由研究の目的」と自由研究をしてみて得た結論である「自由研究の考察」が必ずしも一致しない作品が多く入賞しています。市や県など地区コンクールほど、自由研究の「目的」と「考察」の一貫性が重要視されている印象を受けます。
自由研究の方法
自由研究の方法は、自由研究をすすめた手順を一つずつ丁寧に書き出していきます。自由研究の方法の欄では、できるだけ写真を添付するのがおすすめです。
実験ではなく調べ研究や観察研究で「たくさんの本を調べただけ」「ただ植木鉢を観察しただけ」などという場合でも、調べた本の表紙や見開きページ、植木鉢を置いていた庭やベランダの写真などを添付することをおすすめします。
自由研究の考察
自由研究の考察は、自由研究の結果をまとめて、それに対するお子さんの感想や気持ちを書き加えてみましょう。
さらに、「これをこう変えてみると、このような結果になるのではないかと思うのですが、これからも研究を続けて、その点が明らかになればいいと思います」のように、研究の続きを示唆するコメントを付け加えてあげると「自由研究を楽しみました!」というアピールになる場合があります。
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