【小学生の自由研究】入賞作品を読めば納得! 夏休みのコンクールの6つの評価基準推論

【小学生の自由研究】入賞作品を読めば納得! 夏休みのコンクールの6つの評価基準予想
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夏休みの自由研究コンクールで入賞した自由研究作品をたくさん読んでみると、入賞作品には共通点がありました。ここではシゼコン全国1位の自由研究を例にとって、6つの共通点とは何かをご紹介します。

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入賞自由研究の6つの条件

全国1位の大臣賞受賞作品から市や区の入選作品まで、賞がとれやすい自由研究には次のような共通点があります。入賞しやすい条件をご紹介した上で、のちほど自然科学観察コンクール文部科学大臣賞受賞作品を例にとりまして具体的に見ていきたいと思います。

楽しい研究動機があること

入賞する自由研究には「ストーリー性のある楽しい研究動機」があります。

自由研究には大小のさまざまなコンクールがありますが、どのコンクールでもその目的は「子どもたちに研究の楽しさを知ってもらうこと」です。そのため、子どもながらの楽しい研究動機が書かれていれば、その自由研究はそれだけ高い評価を得ることができます。

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時間をかけていること

入選する自由研究には「時間」がかかっています。全国1位の自由研究は少なくとも夏休みが始まる2ヶ月前から、長いものであれば前年の秋から研究を始めています。

正直なところ、入賞を狙うのであれば夏休みが始まってから自由研究を始めたのでは遅すぎます。来年のコンクールを視野に入れて、今年は「〇〇の研究 1」をやってみましょう。来年は「〇〇の研究 2」というタイトルに変えて、同じ研究を発展させながら続けます。

市や県のコンクールには、このようなシリーズ物の自由研究ばかりが入賞します。なぜなら、審査員に小学校の先生が多いからです。コンクールによっては地元の大企業の役員など外部の審査員を招いている場合もありますが、一般的には各小学校で数名の「今年の自由研究担当」の先生が選ばれます。自由研究担当の先生の仕事は各小学校の学校代表作品を選ぶことと、選考会で審査員をすることです。

校長先生や副校長先生の中には、読書感想文や自由研究など夏休みの宿題のコンクールで入賞作品を出すことを過度に誇りに思っている先生もいて、学校代表作品にはそれなりの「理由」が必要です。学校の上層部にも自由研究担当の先生(最終選考会の審査員)にも実験や観察などに詳しくない先生もいますから、長く続けている研究は誰の目からも努力の跡が見えますので、選考理由が明確という理由で入選しやすい傾向があります。

市や県のコンクールには「新聞の天気予報の切り抜きを毎日スクラップしただけ」のような単調な自由研究が入選することがあります(但しその新聞の切り抜きは小学校の6年間毎日続けた、というような作品です)。継続研究は、たとえ内容が他の自由研究より多少劣っていても、一つのテーマをずっと続けられたという継続力を評価しないわけにはいかないというのが現場の先生たちの正直な気持ちでしょう。

今から「来年の自由研究」を始めれば、来年のコンクールには入賞できる可能性が格段に高まります。

発展研究をしていること

全国1位の自由研究は「応用発展研究」が非常に巧みです。例えば、「つかめる水」の体験キットは子どもたちに大人気で、夏休みの自由研究にもよく使われます。

市販のキットを使った自由研究を入選させることに躊躇する先生もいます。キットを使った自由研究よりもキットを使っていない自由研究の方が明らかに子どもたちが自分で考えているからです。

しかし、「つかめる水」キットで入選している自由研究もあります。何が違うのかというと基本の「つかめる水」を作ってからの応用発展研究がしっかりとなされているという点です。

水ではない他の液体で作って色を変えてみたり(トマトジュースやマンゴージュースでカラフルな「つかめる水」を作ったり)、粉を振りまぜる時間を変えてみたり、サイズや大きさを変えてみたり、成分であるアルギン酸ナトリウムと乳酸カルシウム(塩酸カルシウムの商品もあります)について調べてみたり。

全国1位になるような自由研究であれば、だいたい基本の研究に対して応用発展研究が10倍くらいの量になっています。「継続した時間」にせよ、「応用発展研究」にせよ、自由研究コンクールでは提出される研究量も審査結果に大きく影響すると言えます。

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チャンスを逃していないこと

応用発展研究には「チャンスを逃さないこと」が大切になります。

入選する自由研究にはほぼ必ず「たまたま」が含まれています。たまたま変なものが混ざっていたり、たまたま悪天候だったり、たまたま落として壊してしまったりするなど、たまたま想定外の何かが起こって「それを不思議に思ったので研究することにしてみました」などという研究が多数あります。

シゼコン(自然科学観察研究コンクール)で審査員をするある研究者によれば、夏休みの自由研究は「研究を深められるチャンス」を見逃さないことと、研究し逃さないことが大切なのだそうです。

自由研究を楽しんでいること

最後に「自由研究を楽しんでいること」を挙げたいと思います。

これまでご紹介しました入賞条件は、どれも子どもが自由研究を心から楽しんでいれば自然とやってしまうことでした。自由研究を楽しんでいれば「時間もかけてしまう」でしょうし、「次から次に新しい研究内容を思いつく」ことでしょう。自由研究が好きならば「普段の暮らしの中で面白い研究テーマを見つけること」もできることでしょう。

先生が審査員をする市や県のコンクールでは、その年の自由研究担当の先生たちが何を重視する先生なのかで評価が大きく変わることがありますが、企業や大学の研究者が審査員をしている民間のコンクールなどでは(淡々と毎日同じ作業を繰り返してデータを集める研究よりも)子どもたちが楽しそうな様子が手に取るように分かる自由研究の方が好まれます。

研究内容が少々つたなくても、研究考察が十分ではなくても、手書きの文字を読みながら「この研究の間はこんなことを考えていたんだろうな」「これをしている時にはきっと目がキラキラしていたんだろうな」と感じられる自由研究作品は、プロとして微笑ましく、つい「がんばったね」「〇〇だったんでしょ、わかるよ」「研究って楽しいよね」という気持ちを込めて賞をあげたくなってしまうのだそうです。

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様々な場所で考えていること

全国1位をとる自由研究にはもう一つ、大事な共通点がありました。それは「親が子どもをいろいろな場所に連れて行っていることです。

観察研究であっても、実験研究であっても、ほぼ必ず、どこかの場所に子どもを連れて行っています。観察研究であれば研究テーマの動植物に似ている生き物を探すために動物園や植物園に連れて行ったり、実験研究では実験で使った材料を使って食品や製品を作っている工場見学に行ったり。

金賞や大賞をとる自由研究作品は、研究テーマに少しでも関連する何かに注目して必ず「そこで〇〇に行ってみました」という記述を見つけることができます。また、近所で一番大きな総合図書館くらいであれば夏休み中に何度も足を運んでいたことがうかがえる書き方がなされています。

賞をねらうのであれば「不思議に思ったからやってみた」に加えまして、「不思議に思ったから〇〇に行ってみた」という記述は必要だと思われます。

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コンクール1位はこんな感じ

具体的に自由研究コンクールの1位作品を見ていきたいと思います。

シゼコン文部科学大臣賞作品

自然科学観察コンクール文部科学大臣賞受賞作品

まず、第59回シゼコン(自然科学観察研究コンクール)小学校の部の文部科学大臣賞(全国1位)を受賞した自由研究を見てみたいと思います。

テーマは「ハリセンボンとフグノエ」

こちらの自由研究は沖縄県からの出品でした。審査員の講評欄にも書かれていますが、普段の暮らしの中で子どもが自分でハリセンボンを獲ることができる環境だからこそ可能なテーマでした。

他の子ができない自由研究ができるという点では、北海道や沖縄の小学生、東京や各県の離島に住む小学生などは、都市に暮らす小学生よりも大きなアドバンテージを持っていると言えます。

研究したのは2年生と4年生の姉弟

学年の違う兄弟で全国1位でした。兄弟で共通した自由研究ができるとなると親にとっては楽なのかもしれません。

この自由研究作品の場合は実物を読んでいただくと分かりますが、一般的な小学生の自由研究の2人分以上の研究をしていますので、手間と時間を考えると兄弟だからといって決して「楽」になっていない自由研究ではありますが。

自由研究のきっかけ

動機の部分は非常におもしろいストーリーが書かれていました。

海遊びでハリセンボンを捕まえて、一晩で海にかえすつもりだったのに死んでしまって、もったいないから食べようとしたら、口の中に見慣れない寄生虫が入っていたことがきっかけでした。

さらに、ハリセンボンの口にいた虫が寄生虫だと思ったのは、以前、誕生日祝いの鯛にタイノエという寄生虫がついていたことがあったから、と書かれています。

そして、まだ生きていたその虫をすぐに水を入れたコップに放してみると、泳げるわけではなかったので、なぜ、泳げない虫が泳ぎまわるハリセンボンに寄生できるのか不思議だったので自由研究をした、と書かれています。

ただ「虫を見つけたので調べたいと思った」ではなく、虫を見つけるとすぐにコップに水をいれて観察してみた結果、虫が泳げないことを発見した上で「なぜ、泳げない虫が泳ぎまわるハリセンボンに寄生できるのか不思議だった」という動機につなげています。

魚の口に虫が寄生することがあるという知識や、不思議なことを見つけるとすぐに行動にうつせる実行力、虫を見つけて泳げるかどうかを調べてみようと思える探究心など、たくさんのアピールポイントを含んだ研究動機になっていました。

研究の目的と方法

「今回の観察で調べていのは」という書き出しで、フグノエの寄生時期や寄生方法、フグノエの繁殖方法、フグノエの餌、宿主についての4点を挙げていました。

観察方法としての「ハリセンボンを網で捕まえて口の中を調べる」というやり方が沖縄という地の利があらわれています。

さらに、フグノエと似ている虫であっても観察して「フグノエの一生を想像してみることができればよい」としているところも、小学生の好奇心を満たす自由研究であることが伝わります。

ここに、子どもたちが海でハリセンボンを探している微笑ましい写真が添付されています。

ハリセンボンの観察

海に入ってハリセンボンを捕まえるけれど、寄生虫のいるハリセンボンがなかなか見つからず、仕方がないので寄生虫のいないハリセンボンを飼育することにしています。ちなみに、ハリセンボンを捕獲した日付はしっかりと記録されています。ここからは寄生虫観察ではなく、ハリセンボン観察が始まっています。

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持ち帰ったハリセンボンは「ハリセンボン1号」と命名しされました。が同じ水槽で飼っていたケブカカニやソライロスズメダイを食べてしまうので、「ほかの生き物がかわいそうなので」1号は海にかえされました。

その後も寄生虫のいるハリセンボンは見つからず、ハリセンボン2号を家に持ち帰って再びハリセンボン観察が始まり、1号と2号を観察した結果を「ハリセンボンの飼育からわかったこと」としてまとめています。

ハリセンボンはケブカガニが大好物らしいことや、アサリやシーフードミックスのエビも食べるというデータ、アサリは割ってやらなければ殻からでているところしか食べないという観察からの「歯が丈夫で何でもバリバリ食べるのかと思ったが、硬いものはあまり好きではなさそうだ」という考察など、ハリセンボンの餌について書かれています。

加えまして、ハリセンボンが寝るときのようすも「何かに挟まるのが好き」なことなど、ユニークな視点で観察されています。

ハリセンボン収集の捕獲量がこちらで紹介されています。1匹も獲れない日も多かったことや、波浪注意報が出ている日はあまり獲れなかったことなどが書かれています。多く獲れた日はいずれも小潮だった書かれていた点は、ただハリセンボン探しに連れて行くだけではなくて「今日はこういう日なんだよ」とお子さんに声かけをしていた親御さんの心遣いを感じました。

フグノエの幼虫の観察

ハリセンボン3号を捕まえて4日目。3号が「機嫌が悪そう」にしていた夜、フグノエの幼虫を見つけます。フグノエの産卵期は「たまたま」初夏でした(親御さんの事前調査によって「たまたま」ではなかった可能性もありますが)。

これ以降は、孵化から孵化後7日までは毎日、8日以降は例えばフグノエ「ボス」が脱皮した日など大きな変化があった4日間、フグノエの幼虫や寄生され続けているハリセンボ3号のようすが詳細に観察されています。

観察の結果としては、寄生しているフグノエも寄生されているハリセンボンもどんどん弱っていき、結局ほとんどが死滅してしまっています。

孵化後29日目に寄生されていたハリセンボン3号が死んでしまいます。さらに、5日後に再びフグノエに寄生されたハリセンボン4号が見つかり飼育が始まりますが、4日後に4号も死んでしまいました。原因は水槽の水かもしれないとして「当分ハリセンボンは飼わないようにしようと思う」と書かれています。

この自由研究の考察

「自由研究の考察」は読書感想文でいうと「おわり」の部分にあたり、自由研究を締める大切な部分です。どのように書いたらいいのか分からないという方が多かったので、ここでは各段落の内容を具体的に見てみたいと思います。

2018年全国1位の自由研究の「考察」は、8つの段落から書かれていました。

第1段落は、フグノエの幼虫に関する観察結果。観察日記とは違い、こちらの考察ではフグノエの孵化後の大きさや形態、体の特徴などがまとめられていました。

第2段落は、フグノエに似た虫の特徴について。2文のみ。

第3段落は、寄生後のフグノエの特徴について4点。

第4段落は、フグノエは一度寄生した魚からは動かずに「別の宿主につくことは一生ないのだろう」という推察。

第5段落は、フグノエの繁殖方法。フグノエの繁殖方法については「この研究の目的」で提示していた大切な研究テーマなはずだったのだけれど、結論として「考察」で書かれていたのは「父にたずねると……ことがわかった」というもの。研究結果としてはこの上なく貧相ですが、それでもこの自由研究が全国1位を獲れたのはその他の要素が審査員を魅了したからでしょう。

第6段落は、さらに「お父さんが教えてくれたこと」の続きで、フグノエの性別について書かれていました。第6段落は3文のみで、内容としても第5段落から改行せずに書いても良いと思えるくらいのものでした。

第7段落は、面白い考察だと思いました。フグノエの幼虫は小さな水槽の中で親と同じハリセンボンに寄生したものの、孵化直後の幼虫は「光のある方向へ一生懸命泳いでいた」ことから、海で孵化する野生のフグノエの幼虫は親と同じハリセンボンへ寄生するのを避けるために「遠くへ離れていくのではないか」という推測に至っています。

「考察」の最終段落は、次の研究へ向かえる考察がなされていました。今回の研究では水槽の中に親が寄生しているハリセンボン1匹しかおらず、孵化したフグノエの幼虫は親と同じハリセンボンに寄生したものもいた(他の魚に寄生した幼虫もいたことは観察記録で触れられている)ことから、「同じ寄生虫だけにわかる『私はここよ』というサインを出しているとしたら面白い」という仮定を述べた上で、自分の仮定に対して「面白そうだ」という感想も書いています。仮定に対して個人的なただの感想を書き記すなどということは学術論文ではありえない記述なので、子どもの自由研究ならではの「考察」だと思えますし、このあたりを審査員をするプロの研究者たちは微笑ましく感じるのかもしれません。最後の一文は「もっと観察して、本当のことがわかればよいと思う」で締めくくっています。

全国1位の理由はやはり…

この年の下位賞を受賞している自由研究作品には、この自由研究よりも「研究の目的」と「研究の考察」に一貫性があり、もっとプロの「研究」にちかい本格的な自由研究もありました。にもかかわらず、この自由研究が1位に選ばれたのはこの作品が「もっとも楽しそうだったから」だと思います。

たまたま捕まえたハリセンボンの状態から、次々に新しい「不思議」を見つけ出して、それをじっくりと観察したり、調べたりしています。親子ともにとても長期的な好奇心と集中力が必要な自由研究でした。

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「観察」の自由研究のコツ

夏休みの宿題としての自由研究では、どのような内容でもOKです。メジャーなのは「観察」「実験」「工作」の3つでしょう。

今回はシゼコン(自然科学観察コンクール)の受賞作品を取り上げましたので、観察タイプの自由研究をご紹介しました。観察タイプの自由研究コンクールはシゼコン以外にもたくさんありますが、どのコンクールの受賞作品も似たような特徴を持っています。

それが冒頭でご紹介しました6点です。

1. 研究動機が楽しげなこと
2. 時間をかけていること
3. 研究を発展させていること
4. 研究チャンスを逃さないこと
5. 研究を楽しんでいること
6. いろいろな場所で考えていること

以上、夏休みの宿題の参考になれば幸いでございます。

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