2019年の青少年読書感想文全国コンクール小学生低学年の部。4冊の課題図書のうち、一番簡単に書ける本と、一番賞がとりやすい本をご紹介。
2019年課題図書のおすすめは
一番書きやすい本はコレ
『心ってどこにあるのでしょう?』
テーマは「心はどこにあるの?」。
「好きな人に会うとほっぺが赤くなるからほっぺにあるのか、胸もどきどきするから胸にあるのかな?」と考える女の子。「いろいろ考えると頭が痛くなるから頭にある」と思う男の子。心が動くときに体のどこがどんな感じになるのか思い起こして、たぬき、うさぎ、ねこなど動物たちが自分の考えを言い合います。
賞をねらって, じっくりと書きたいときは
本当に賞がもらえた! と話題の『読書感想文書き方ドリル』の著者である大竹氏は、2019年の課題図書の中ではこの本が「最良の感想文になる本」として挙げています。
▼ 大竹稽氏HP『感想文一日教室』より
『読書感想文書き方ドリル』の感想文テクニックは「6つの質問(詳細後述)」です。この本の読書感想文では「5つ目の質問」である、「読んだ本の内容と似た内容のお話や、自分が体験したことなどはあるかな? どんなことかな?」という問いが一番難しいでしょう。
この問いをじっくりと考えて、感想文を深く掘り下げることができれば、入賞レベルの感想文にすることができます。
この本の書きやすいポイントは、子どもが夏休み中に嬉しいことや悲しいこと、楽しいことや悔しいことなど、心の動きを感じる体験をたくさんすることができる点です。
「どうぶつえんでライオンをみて、すごいなとおもったときは、目でライオンを見ていたし、耳で声を聞いていたし、ライオンのにおいもしていました。あのとき、ぼくのこころは目とはなとみみにあったのかな」
「いっしょにたくさんあそんだお友だちとわかれるときに、わたしは『バイバイ』といいながら、ずっと手をふっていました。お友だちが見えなくなるまで、ずっと手をふりつづけました。あのとき、わたしの心は手にあったのだとおもいます」
などと、小さなエピソードをたくさん盛り込むことができます。その子だけの体験エピソードは読書感想文審査で最高評価を受ける対象です。体験談を探しやすい本はそれだけ賞をとりやすい本だと言えます。
賞がとりやすい本はコレ
しかし、体験談が得やすく「書きやすい」本というのは、他の子も体験談を「書きやすい」ためにライバルが多く、他の感想文と差をつけるためには文章の構成力と言葉の表現力が必要になります。
一方で、読書感想文が「書きやすい」わけではないけれど、「賞をとりやすい」本というのがあります。2019年の課題図書であれば『スタンリーとちいさな火星人』です。
大人が一読して「この本の感想文にいったい何を書いたらいいんだろう」と感じる本は、毎年、他の課題図書に比べると1.5〜2倍もの感想文が入選しています。
例えば、昨年の課題図書である『なずずこのっぺ?』は、虫の言葉「昆虫語」がテーマの本でした。
どちらかというとオノマトペ絵本に近く、日本語の音を楽しめる絵本で、夏休みは始まるまでは育児ブログや育児掲示板で「この本で感想を出す自信がない」「この本では感想文は書きにくい」「この本は選べない」とほとんど人気がありませんでした。
しかし、2018年の青少年読書感想文全国コンクールの結果は、1位から下位の賞まですべて(内閣総理大臣賞, 文部科学大臣賞, 毎日新聞社賞, 全国図書館協議会長賞, サントリー奨励賞の5つ)を見ると、なんと『なずずこのっぺ?』は7作品も入選していました。他の課題図書は少なくて1作品、多くても4作品でしたから、『なずずこのっぺ?』は審査員に人気だったことがうかがえます。
理由は容易に想像できます。『なずずこのっぺ?』は、多くのお母さんが「この本でどんな感想文を書いたらいいんだろう」と思ったくらいですから、きっと審査員も「この本でどんな感想文を書いたのだろう」と興味をもっていたはずです。本来ならば、書き出しを工夫して読み手の興味をひきつけなければいけないところを、『なずずこのっぺ?』ならば審査員自身が興味をもって感想文を読み始めてくれますから、読後の心象はかなりよくなるはずです。
さらに、感想文が「書きにくい」本であるということは、子どもから出てくる感想もステレオタイプのものではなく、非常に個性のあるバラエティに富んだ内容の感想文ばかりが集まるはずです。審査員も人間ですから一度にたくさんの感想文を読んでいると疲れてきます。似たような感想の文章をたくさん読む中で、内容のまったく異なる感想文に出会えば鮮烈な印象が残りやすくなります。他の課題図書の感想文と読み比べると、個性という評価点でかなり有利にはたらくはずです。
「賞がもらえる書き方」の本
「賞がもらえる」と話題のこちらの本をご存知ですか?
『読書感想文書き方ドリル』
メディアでも話題沸騰!
2018年にはフジテレビ系「ノンストップ! 」サミットや朝日放送テレビ「おはよう朝日です」で紹介されて、すさまじい反響がありました。
本当に「賞がとれる」
『読書感想文書き方ドリル』は「賞がとれる」と話題ですが、この本の通りに書いてホントに賞がとれました!「『賞をもらいました!』の声続々! という宣伝文句も伊達じゃない!!
もうイライラしない!
全編を通して語り口調で解説される「感想文の書き方」は子どもが一人で読むことができます。
「さあ、やってみよう」「いよいよ、挑戦だ」「さて、できたかな」と、まるで大竹先生が目の前にいるかのような解説を読んでいるとつい感想文を書きたくなってくるから不思議です。
子どもが自分から書こうとしてくれるので、夏休みのママのイライラは激減します!
著者の経歴がスゴい!!
以下、「BOOK著者紹介情報」による著者略歴です。
お寺で作文! こちらが大竹先生!
東大医学部を中退して私塾!
1970年愛知県生まれ。旭丘高校から東京大学理科三類に入学するも、医学に疑問を感じ退学。その後、私塾を始める。
私塾での疑問を東大院で研究!
現場で授かった問題を錬磨するために、再度、東大大学院に入学し、そこでフランス思想を研究した。
現代の寺子屋作文教室講師!
現在は、東京・横浜・鎌倉で「てらてつ(お寺で哲学する)」やお寺での作文教室を開きながら、「共悦」「共生」のテーマに挑んでいる。『超訳モンテーニュ』編訳者、思想家、教育家、(株)禅鯤館代表取締役。
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この本の中身がスゴい!!
大竹氏の経歴も異色ですが、本の中身もこれまでの「感想文が書ける本」とは大きく異なります。「まえがき」を読んでみたいと思います(Amazon商品紹介より)。
子どもへの熱いメッセージ
読書感想文には、「正しい答え」はない。あるのは、「きみの答え」だけだ。
もちろん、テーマのおもしろさや説得力、着眼点などで上手い・下手はできてしまう。ただ、この上手い・下手は、審査員が評価しなければならないときに出てくる問題。どちらかと言えば、読書感想文の「おまけ」の部分だ。
まず、「きみの答え」を書く! それで満点が取れるのが、読書感想文なんだ。
東京や鎌倉で、ぼくといっしょに作文を学んでいる子どもたちは、今では自分の発想やアイデアを楽しめるようになっている。でも、最初は「正解強迫症」にしばられていた。だから、心配はいらない。
きみもまず、そこからぬけ出そう。作文の「型」を伝授するのは、その後だ。
この「型」は、武道の型と同じものだ。型を身につけて、ようやく対戦(作文では表現)できる。その型を、今年は「6段階」に設定している(これで、さらに書きやすくなっているだろう! )。6つのステップのうち、ぼくがいちばん読みたいのが「テーマ」だ。ここに、きみがちゃんと「考えたかどうか」が表れてしまうんだよね。
それと、この本のぼくの説明は正解じゃない。きみたちへのヒントでしかないんだ。きみの答えを見つけるために、きみといっしょにぼくは歩く。 でも、ゴールするのは、きみ自身だ!
(「まえがき」より)
親への熱いメッセージ
お母さん、お父さん。
ぜひ、子どもたちの力を信じてください。信じるということは、見守るということです。この本は、考えるための視点やプロセスを伝えるものです。正解を出して、丸写しさせるような代物ではありません。
作文指導をするようになって、はや20年以上が経ちました。私は、思考の入口とヒントを与えることしかしていません。そして、待ちます。すると、子どもたちは自ら作品を生み出します。
もちろん、宿題ですから期限があるでしょうし、夏休み終わりが近づいてもなお、何も手をつけていなかったら、ずいぶん心配されることでしょう。そんなときは、このテキストを参考に、子どもたちと一緒に考えてみてください。一緒に読む時間は、半日くらい。そして、一緒に考え、一緒に書くのは、2時間くらいでしょうか。つまり、一日、子どもたちとの読書体験をぜひ楽しんでください。
(「まえがき」より)
「書き方」は本格正統派!!
低学年から高学年まで、小学校の全学年に向けられたこの本の書き方は感想文テクニックの真髄です。だから、学年指定をする必要がありません。
「6つの質問」で論点を整理
感想文を書くための大切な「6つの質問」を使って、読書感想文を仕上げていきます。以下、Amazonおよび楽天ブックスに掲載されている「試し読みページ」より引用しています。
「6つの質問」
1. 「あらすじ」について
2. 「面白かったと思うところ」について
3. 「本のテーマ」について
4. 「考えてみたいこと」について
5. 「比べてみたいこと」について
6. 「自分の意見」について
面白かったところ
「この本の中で面白かったところはどこかな? その場面や登場人物、登場人物の言葉を挙げてみて」
本のテーマ
「この本のテーマは何だと思う?」
考えてみたいこと
「この本を読んでじっくり考えてみたいことは何かな? 質問の形で書いてみよう」
比べてみたいこと
「この本の内容を、きみが知っている昔話や寓話と比べてみよう。(中略)体験でもオッケーだ!」
自分の意見
「この本を読んでじっくり考えてみたいこと(4つ目の質問)で書いた問題に、きみならどのような答えを出すかな?」
言葉にできない子へは助け舟
「6つの質問」はどれも核心をついた質問です。十分な準備をせずに読書感想文を書き始めると、どれもが曖昧で、どれもを同時に漠然と考えてしまいがちな6つの論点です。
このような難しい論点がパッと思いつくはずはありません。そのことをこの本はちゃんと想定してくれています。
おっと、この6つの質問にどう答えればいいか、わからない人もいるよね。では、そういう人のために、ぼくがちょっとやり方をお見せしよう。
本書の中では『さかさまさかさま』という本を例にとり、「6つの質問」への回答の仕方を、実際の例文を添えて教えてくれています。こちらは4年生を想定して書かれています。
具体的には以下のように書かれています。(ここからもすべてAmazonおよび楽天ブックス該当ページからの引用です)
面白かったところ
「この本の中で面白かったところはどこかな? その場面や登場人物、登場人物の言葉を挙げてみて」
赤い星、青い星の人が最後に同時につぶやく言葉「ねえ、なにがいけなかったのか、きみにはわかる?おねがいだから、いっしょにかんがえて」
本のテーマ
「この本のテーマは何だと思う?」
「正しさ」「正義」
考えてみたいこと
「この本を読んでじっくり考えてみたいことは何かな? 質問の形で書いてみよう」
ある行動が「正しい」かどうかは、だれが決めるのか
比べてみたいこと
「この本の内容を、きみが知っている昔話や寓話と比べてみよう。(中略)体験でもオッケーだ!」
「アリとキリギリス」
夏の間、ずっと遊んでいたキリギリスは、冬に食べ物がなくなり、ありに食べ物をもらおうとした。しかし、アリはそれを断った。このアリの態度は、アリからすると正義かもしれないが、キリギリスにとっては残酷だ。
自分の意見
「この本を読んでじっくり考えてみたいこと(4つ目の質問)で書いた問題に、きみならどのような答えを出すかな?」
「正しさ」は絶対のものではない。何が正しいかは人によってちがう。私が正しいを思っていることが、ほかのだれかにとっても「正しい」とは限らない。自分が思う「正しさ」を、人に押しつけないようにしようと思う。
課題図書以外は感想文例あり
「6つの質問」への答え方を示してくれた後は、親切にも感想文に仕上げてくれています。例えば『さかさまさかさま』の例では次のような感想文が書かれています。
『さかさま』を読んで
4年1組 大竹けい「赤い星」と「青い星」の人々は、それぞれ幸せにくらしていました。
しかし、赤い星の人は青い星からくるにおいが、青い星の人はあかいほしからくるけむりが気になってきました。
このにおいとけむりは、元はと言えば、それぞれ自分たちの幸せを追い求めた結果、生まれたものでした。でも、お互いにとっては、とても迷惑なものなのです。
そのうちにがまんできなくなり、戦いが始まってしまったという話です。
わたしは、この本の最後で、赤い星、青い星の人が同時につぶやく、「ねえ、なにがいけなかなったのか、きみにはわかる?おねがいだから、いっしょにかんがえて」という言葉が印象に残りました。
そこで、わたしは「正しさ」「正義」ということについて考えてみたいと思います。ある人の行動が「正しい」かどうかは、だれが決めるのでしょうか?
たとえば、「アリとキリギリス」で、夏の間ずっと遊んでいたキリギリスは、冬に食べ物がなくなり、アリに食べ物をもらおうとしました。しかし、アリはそれをことわりました。このアリの態度は、アリからすると正義かもしれませんが、キリギリスにとっては残酷なものです。
「正しさ」は絶対のものではなく、何が正しいかは人によってちがうということでしょう。わたしが、正しいと思っていても、ほかのだれかにとって「正しい」とは限らないということに気づきました。
この本を読んで、わたしは、自分が思う「正しさ」を人に押しつけないようにしようと思いました。
こちらの感想文例は4年生向けの感想文とされていますが、字数はおよそ700字です。4年生の読書感想文は通常1200字以内なので、950字~1100字は書かなければいけないので字数は大幅に足りません。また、4年生が書くべき漢字やすべき改行など、このまま丸写しをすることはできません。
書きたくなる仕掛けが巧い!!
「6つの質問」について詳しく解説をしてくれたら、本書はいよいよ「課題図書の感想文を書こう」に突入します。
課題図書の解説ページになると、とたんに例文が少なくなります。「この本のあらすじを考えよう。どんなお話だったかな?」と聞かれて、答えを書くスペースを前にしても上手な要約文はなかなか出てこないものです。「ああ、ここからは自分で考えなきゃいけないんだな…」「やっぱり感想文は難しいじゃん!」と少し後ろ向きな気分にもなります。
しかし、ここでも丁寧に導いてくれます。
「あらすじの解答例と解説」
あらすじの答えの例は、あえて書かないでおこう。
さあ! ここからが本番だ!
きみは『魔女ののろいアメ(低学年の部の課題図書)』をえらんだか! ふむふむ。
で、どうかな? かんそう文、書けそうかな? まあ、あれだ。「ぜんぜん書けるぜ!」って答えがかえってきたら、たのもしすぎてぼくはふるえてしまう(お母さん、お父さんも、きっとね)。
でも、どちらかというと、「え? まだぜんぜん書けそうにないよ…」という答えが多いかな。じゃあ、これからいっしょにすすめていこう。
まず、きみがすべきこと、それはこの本の「あらすじ」を書くことだ。あらすじというのは、いわばレストランのメニューになる料理の写真と名前だ。
たとえば…、「今日は『ブラオブリア=サバラン』を食べてもらうよ! 味わってね!」と友だちがとくいげに言ってきたら、きみはどう?「え?」となってしまうよね。
食べる前に、その「ブラオブリア=サバラン」を教えてよ! ってなるよね。写真を見せてもらえると、その料理がどんなものかだいたいわかるはずだ。
この「だいたいわかる」っていうのが大切なんだね(ちなみに「ブラオブリア=サバラン」は、ぼくがフランス語でかってに作ってみたことば。ブリア=サバランはフランスの有名作家だ)。
そこで、あらすじがひつようなんだよね。
あらすじというのは、きみが読んだ本が「だいたい」わかるように、きみの作品を読む人に伝えるものだ。「読む人に伝える!」、この気もち、大事にしてね。
「どうせだれも読まないや!」という気もちでは、よい作品にはならないし、きみじしんの考える力や書く力をレベルアップさせることもない。
「ぼくの友だち、わたしの家ぞく、クラスメイトが読むんだ」という気もちであらすじを書いてみよう。……
課題図書もギリギリまで解説
小学校の部の課題図書は、低学年、中学年、高学年のそれぞれに4冊ずつ指定されていますので、小学生の部には合わせて12冊の課題図書がありますが、さすがに課題図書の感想文例はありません。
しかし、12冊の課題図書のすべてにやさしい語り口調の解説が載っています。
続きは、こちらからどうぞ。
読書感想文と「書き方」
読書感想文には確かに「正しい書き方」というものが存在します。それはいくつもの型のようになっていて、本書の「6つの質問」もその一つですが、読書感想文の型のいくつかは小学生のうちに身につけておくことをおすすめします。そして中学生になると、小論文を意識した文章術へとステップアップすべきです(いつまでも感想文の型ばかりで文章を書いていると高校生になって小論文でかなり苦労することになります、特に優秀な学生ほど…)。
書き方次第で地頭がよくなる
読書感想文は書き方次第でグンと成長できるいい機会です。読書感想文を書くといろいろな力を鍛えることができます。複合的なスキルが伸びるので学校のテストだけではなく生きる力そのものが育まれ、結果的に「地頭が良くなる」という効果につながります。
「地頭」や「論理的思考力」という言葉は最近では新しい教育要綱のキーワードのようにも扱われますが、地頭が良いとは頭の回転が早いことであり、頭の回転が早いということはものごとを論理的に理解できているということです。。
グンと伸びるのは「会話」
お子さんが読書感想文を書いていてグンと成長するのは、試行錯誤している瞬間です。考えをまとめるのは、親と話をしながら自分の考えを一つひとつ言葉で説明することでより効果的になります
。
これからに必要な書く力とは
読書感想文は文章力と語彙力を伸ばしてくれますが、読書感想文自体は社会であまり役に立ちません。高校生の小論文授業は、まず体に染み込んでいる感想文の書き方がなぜダメなのかを説明するところから始めますが、それでも何度書いても感想文の型から抜け出せない学生が少なくありません。特に優秀な子ほど感想文の書き方が染み付いていて小論文に苦労する傾向があります。
お子さんが今後必要とする書くスキルのうち、小学校低学年の今のうちに伸ばしておきたいスキルが3つあります。
要点をまとめる力
一つ目は「要約力」です。
文章を読んで内容をまとめる力は大学に入学すればレポート提出という形で、社会に出れば調査書や報告書という形で求められるスキルです。ちなみに要約力は欧米諸外国では大学生の基礎能力で、多くの国で小論文力と同じく中学高校で徹底的に鍛えられます。
すぐに目に見える成果で言えば、国語の試験で「筆者がこの文章で伝えたかったことは何でしょう」などの記述式問題に強くなります。
理由をさがす力
そして、大切なのが「理由を探す力」です。
優秀な学生は国語の読解問題として「理由を示した箇所を抜き出しなさい」という抜き出し問題はすぐにできるのに、自分の意見や感想の理由を探すのに非常に時間がかかります。読書感想文を書くときには「どうしてそう思うのか?」を常に考えるのがおすすめです(詳細後述)。
相手を想定した文章術
最後は「誰に向けて文章を書いているのかを常に意識するスキル」です。
小・中学生時代に読書感想文でたくさん賞を獲っている学生ほど、この視点を忘れがちです。読書感想文は担任の先生や審査員など、感想文の内容に興味を持っている人が読むものですから仕方がないのですが、大学では、また社会人になってからは相手を想定していない漠然として文章はほとんど意味がありません。
小学生のうちは「お父さん」がおすすめです。「お父さんに読んだ本のことを教えてあげよう」「お父さんはこの本を読んだことがないから、もう少し詳しく説明してあげたほうがいいんじゃない?」などと会話をすすめてあげてはいかがでしょうか。おばあちゃんや親戚のおじちゃんでも構いませんが、できるだけ親しい人物の方がよろしいと思います。
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