絵本の子ども向け定期購読サービスには『市販絵本タイプ』と『月刊絵本タイプ』の2種類があります。
福音館書店の定期購読サービス「こどものとも」「かがくのとも」は『市販絵本タイプ』の特徴も『月刊絵本タイプ』の特徴も持ち合わせていて定期購読サービス業界の中では変わり種。そこで福音館書店の絵本定期購読サービスを他社と比較して検討してみました。
【このページの目次】
福音館はとにかく安い!
なんと1冊420円なり
この画像は福音館書店ホームページの「こどものとも」のページです。お値段を見てください。なんと1冊420円です。中古ではない普通の絵本がワンコイン以下で買えてしまいます。乳幼児向け絵本の定期購読サービスは通常平均で年間15,000円前後です。福音館の「こどものとも」「かがくのとも」は破格の年間6,000円弱です。
▼参考記事
福音館が安い2つの理由
福音館書店の定期購読サービスがこれほど安い理由は主に2つあります。
理由① 書店の新刊絵本のみ
福音館書店の定期購読サービスでは「福音館書店の絵本のみ、しかも新刊絵本しか送られてきません」。自社で発行している絵本を宅配しているため大変安い値段が設定されています。
理由② 福音館はソフトカバー絵本
福音館書店の定期購読サービスで配本される絵本はすべてソフトカバーの絵本す。「ソフトカバーの絵本」というのは絵本の背表紙がなく表紙も裏表紙もペラペラとやわらかい絵本のこと。この画像を見てみてください。図書館や児童館などでこのような薄い絵本を見たことがありますでしょうか。これがソフトカバーの絵本です(写真は All About『おすすめ! 定期配本の雑誌絵本』より)。福音館書店の「こどものとも」「かがくのとも」はすべてソフトカバーなので製本コストも配送コストも抑えることができます。
でも、安い理由もメリットに
「福音館書店の新刊絵本しか選べない」「すべてソフトカバー」という2つの安い理由は、私たちにとってメリットでもあります。福音館書店の新刊絵本しか選べないサービスは、絵本の出版社も作家も出版年代もバラエティに富んだ他社の配本絵本に比べて物足りなく感じるかもしれませんが、一概にデメリットとは言えないところが長年絵本出版界を牽引してきた福音館書店の実力でしょう。
『福音館の新刊』というメリット
こちらは福音館書店HP「こどものとも」のバックナンバーのページです。ご覧のように福音館書店の「こどものとも」や「かがくのとも」からは多くのロングセラー作品が生まれています(詳細後述)。
新刊絵本と聞くと「聞いたこともない作家」の「聞いたこともない」絵本であることに不安を感じてしまいます。しかし「こどものとも」と「かがくのとも」が実際に長年ロングセラー絵本を生み続けていることを考えますと、絵本の質の高さは認めざるを得ません。他社の定期購読で配本される絵本が一般の市販絵本である中で、福音館の配本絵本は「質の高い絵本」であり、かつ「図書館では借りることができない絵本」である点はお金を払って購入する意味が大きく感じられます。
『ソフトカバー』というメリット
「すべてソフトカバー」の絵本であるというのもメリットがあります。ソフトカバーであるということは絵本が軽いということです。確かに見た目は少々貧相にも見えますが、軽い絵本は持ち運びには便利なのはもちろん、どんな体勢で読み聞かせをしていても腕が疲れにくく、廃棄しやすいのもマイナーながら嬉しい利点です。
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安いのに質が高い!
福音館絵本の質
福音館書店の定期購読サービスを具体例で見てみましょう。福音館絵本の特徴は「かがくのとも」に顕著に見ることができます。
例えば2017年6月号の「かがくのとも」は『はなむぐり』がテーマです。福音館書店HPでは
以前10円切手のデザインに採用されていた身近な昆虫、はなむぐり。花にもぐるようにして花粉や蜜を食べる様子からその名がつきました。(中略)はなむぐりの生態を通じて昆虫と植物の見事な共生的関係をも浮かび上がらせる作品。
と紹介されています。
写真のような『絵』の絵本
中は非常に写実的な『絵』です。身近な生き物を『絵』で『物語』にすることができるのは福音館書店の「かがくのとも」の大きな特徴です。仮に他の月刊絵本で「はなむぐり」というテーマを扱えば、おそらく中身は写真が使われるのではないでしょうか。
写真のような『絵』の効果
ここでちょっと考えてみたいと思います。動物や昆虫をテーマにした乳幼児向け絵本は多くありますが、本物のように見える写実的な『絵』と本物を収めた『写真』とでは何が違うのでしょうか。
違いは「何を見せたいか」です。『絵』はどんなに本物そっくりに見えても、作家が「見せたいもの」を「見せたいように」描いた生き物たちです。絵で描かれた「はなむぐり」は本物ではありませんが、絵本の物語として主人公になることができます。「かがくのとも」6月号の『はなむぐり』も、当然ですが、どのページも主役は「はなむぐり」です。読者である子どもたちが主役の「はなむぐり」になりきったり、「はなむぐり」の友だちになったような気持ちで読んだりすることができます。
『絵』はこのように対象物を切り取れるのに対し、『写真』が切り取るのは時間です。『はなむぐり』というテーマの写真絵本があったとします。写真絵本で描かれているのは「はなむぐり」自体ではなく、はなむぐりが生息する自然の一瞬の姿です。今は加工技術も進んでいますから写真のみで素晴らしいストーリーを作ることもできますし、実物の写真には臨場感と躍動感が感じられるという長所もあります。しかし絵本の物語として読むと、写真絵本は写実的な挿絵の絵本と比べて主人公である「はなむぐり」のインパクトに欠けることは否めません。
福音館の定期購読の種類
配本コースと対象年齢
おはなし絵本の『ものがたり絵本』タイプと科学絵本コースの『かがく絵本』タイプの中で、対象年齢別にそれぞれコースがわかれています。
各コース詳細は専用ページで
各コースの詳細は『雑誌のオンライン書店Fujisan.co.jp』で確認できます。『雑誌のオンライン書店Fujisan.co.jp』とは福音館が発送を委託している正規の会社です。こちらのサイトは福音館の定期購読コースの種類と対象年齢を非常に見やすくまとめてくれているので、コースに迷った時や他者と比較検討する時には福音館書店のホームページよりオススメです。
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ためになる賛否両論口コミ集
ブログをはじめとするYahoo!知恵袋や発言小町などの口コミ情報の中から「これは役に立つ!」と思った口コミをご紹介。すぐに削除されたり頻繁にアクセスできなくなったりするため情報の出典元は掲載していません。ご了承ください。では先輩ママの口コミを見てみましょう!
この他にも絵本の定期購読選びをする時にとても役に立つと感じた有益な口コミをたくさん集めています。賛否両論の口コミ集にご興味があれば、ぜひどうぞ。
福音館を他社と比較検討する
イチオシの福音館書店の定期購読ではありますが、購読を決める前に一度は検討しておきたいオススメの定期購読をご紹介します。
「こどものとも」に迷ったら
他の市販絵本の定期購読
と思った方に比較検討していただきたいのは他の市販絵本の定期購読です。おはなし絵本であれば私は福音館書店の絵本である必要はないと思っていますので、他社の定期購読の内容もぜひチェックしてみてください。特に「童話館」と「絵本ナビ」はチェックしておきたい定期購読です。
▼おすすめ定期購読ランキング
▼各社を徹底比較をしたい方へ
「かがくのとも」に迷ったら
そもそも科学絵本って?
そもそも「科学絵本」を見たことはありますか?乳幼児向けの絵本の「科学」とは広義の「科学」であり、例えば動物絵本や料理の絵本なども科学絵本と呼ばれます。こちらのページにおすすめの科学絵本を一覧にまとめています。どのくらいご存知でしょうか。
科学絵本コースは他社にも
科学絵本の定期購読コースは「メルヘンハウス」にもあります。「メルヘンハウス」の科学絵本コースでは各出版社の科学絵本をバランスよく選んでいますので、上で紹介した科学絵本一覧ページ『プロが選んだ乳幼児&子どもにおすすめの科学絵本一覧』でご紹介している有名な科学絵本も何冊も入っています。
【メルヘンハウスの科学絵本例】
『おもしろ科学コース』の配本予定絵本の一部。このコースの絵本は出版年こそ少々古いが、どれも名作ぞろいでオススメ。どの作品も一度は子どもに読んであげたい絵本ばかり。
【福音館書店の科学絵本例】
『かがくのともコース』のバックナンバーの一部。科学を物語で魅せてくれるのが特徴。バックナンバーは購入できるが店頭のみの販売でオンラインでは購入できないので少々不便。
参考)科学絵本を選ぶコツ
科学絵本はおはなし絵本に比べるとどうしてもお子さんが退屈してしまうリスクが高くなりますから、読み聞かせではママやパパのサポートがより必要になるジャンルの絵本です。おすすめの科学絵本はママやパパ自身が「読みたい!」「(読んでて)楽しい!」と思える絵本です。ママやパパが楽しいと感じているとお子さんへの知育効果は高まるは知られていますし、好きな絵本であればあるほど絵本を通じての親子の会話も弾みます。
さいごに
福音館書店の定期購読サービス「こどものとも」「かがくのとも」は値段、質ともに満足度の高いオススメ絵本です。幼稚園などで購入する機会があればぜひご検討されてください。一方お子さんへもしくはお孫さんへ購入する場合は一度他社の定期購読サービスと比較することをオススメします。
効果的な読み聞かせ方
絵本の中でも特に科学絵本は「じっくりと読み聞かせる」と多方面での成長が期待できる複合的な知育ができます。「じっくり読み聞かせる」とはどのような読み聞かせ方と指すのか、具体的な方法は記事を改めていますのでご興味があれば是非どうぞ。
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