6月の梅雨の時期におすすめの絵本。5歳になったらぜひ読んであげたい厳選9冊。
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【このページの目次】
5歳児におすすめの読み聞かせ
おすすめの読み聞かせ方
おすすめの絵本の選び方
5歳児へ梅雨に読みたい絵本9冊
お天気博士になれる知識絵本
『あしたの てんきは はれ?くもり?あめ?』
<あらすじ>
明日の天気は晴れかな、雨かな、くもりかな? 雲やお日さまや風の向きをよく見てごらん。空や野原には天気のヒントがたくさんかくれているよ。みんな簡単に出来る天気の観察のしかたを教えます。
ーAmazon商品紹介より
<おすすめポイント>
福音館書店『かがくのとも』傑作集絵本。気象研究家の根本順吉氏が監修した本格的な内容で、5歳児でも立派に天気予報ができるようになります。
学芸会の舞台の上で、天気に関する13の言い伝えが紹介されます。例えば「ゆうやけは はれ」は有名ですが、その理由はご存知ですか?理由は「西の空が晴れている」から。
「ほしが またたくと かぜ」の理由は空の上の方で強い風が吹いているから。他にも「おつきさんが かさを かぶると くもり」や「うろこぐもが ひろがると あめ」などよく目にする空の科学的根拠が分かります。
表紙の雲は写真のようにも見えますし、アマゾンではこの絵本が写真絵本であるかのように掲載されていますがこの絵本には写真は使われていません。そのため、知識絵本にありがちのお勉強色はほとんど感じられず、ふつうの物語絵本のように親しみやすいのも特徴です。
あじさい探しの友情物語絵本
『あめのもりのおくりもの』
<あらすじ & おすすめポイント>
おおきなクマさんとちいさなヤマネくんシリーズの4作目。梅雨明け間近の雷が鳴り響く大雨の日、ひとりであじさいを見に出かけていったヤマネくんを心配したクマさんは、雷が怖いのに捜しにいくのですが…。
最後にはこんなに美しい風景が! あじさい好きな子や、あじさいに興味を持ってもらいたい時にはイチオシ絵本。
あめのもりのおくりもの ― おおきなクマさんとちいさなヤマネくん (日本傑作絵本シリーズ)
パパを駅に迎えにいく物語
『かさもって おむかえ』
<あらすじ>
急に雨が降り始めた夕方、かおるは駅までお父さんを迎えに行きました。人でごった返す駅のベンチでお父さんを待っているとき、かおるは、ふしぎなオレンジ色のとらねこに出会います…。
ーAmazonの商品紹介より
<おすすめポイント>
作者の征矢清さんが子どものころ、仕事であちこち出張に行っていたお父さんをお迎えに行ったときに感じた期待や不安が、この作品の原点になっています。物語の主人公のかおるは、征矢さんの娘さんがモデルになっていて、かおるが怪しげな猫とともに乗る不思議な電車は、当時征矢さんが通勤で使っていた東武東上線の車両がモデルになっているそうです。
ーAmazonの出版社コメントより
Amazonには「読んであげるなら3才から」と紹介されていますが、現代の子どもたちには「お父さんを駅まで迎えに行く」という経験もありませんから「お迎え」という題材は身近ではなく、全体を通して文章が長めですので、読み聞かせを「楽しむ」のであれば5歳くらいからではないかと思います。
雨の日にお留守番をする物語
『あめがふるふる』
<あらすじ>
雨の日のおるすばん、ネノくんとキフちゃんの兄妹が窓の外をながめていると、意外なものばかりが現れて…。やさしい想いと楽しい思いがまじわる「雨の絵本」の決定版!
ーAmazon商品紹介より
<おすすめポイント>
雨の日のお留守番を想像力でたのしむ絵本。田島征三氏の生命力あふれる生き生きとした絵が魅力。「自然と対話し、創作を続ける絵本作家、田島征三による雨の日の楽しさを描ききった、笑顔がいっぱいの絵本 ー裏表紙の出版社コメントより」
なんとなくストーリー展開や作画が『崖の上のポニョ』に似ています。これが、この世代の方の「雨(水)のイメージ」なのでしょうか…。想像力が爆発しています!
雷を身近に感じられる絵本
『カミナリこぞうがふってきた』
<あらすじ>
ー以下、Amazon商品紹介より
雨宿りをしようと丘の上の一本杉の下にかけこんだ主人公・タケシ。すると、もの凄い落雷…と、カミナリこぞうも一緒に落ちてきた!! タケシは「カミナリこぞうを必ず元の場所に帰してやる」という強い想いで奮闘、そしてついには空の上へ!
空の上に広がる雷さまの世界は驚きの連続で…。
思いやりの心がそだつ絵本
『あめがふってよかったね』
<あらすじ>
楽しみにしていた運動会は雨で来週に延期になりそう。残念がるけんちゃんですが、かたつむりのデンデンに出会って、デンデンが楽しみにしているかたつむりの運動会は雨の日じゃないとできないことを知ると…。
<おすすめポイント>
かわいい小さなけんちゃんの異文化交流とでも言えるでしょうか。晴れた日がいいとは限りません。自分にとっては残念なことが、誰かにとっては嬉しいこともあります。けんちゃんが、かたつむりのデンデンのために「わかったよ。もう『あめ、やめ。あめ、ふるな』なんていわないよ」と言える心づかいが温かい絵本です。
レオ=レオニの哲学的な絵本
『せかい いち おおきな うち』
<あらすじ>
世界一大きなうちをほしがる、ちびかたつむりに、お父さんかたつむりは話してきかせました。世界一大きなうちを持ったばかりに、動けなくなってしまったかたつむりのことを。動物を愛したレオ=レオニの視点を幻想的に表現した作品です。
ーAmazon商品紹介より
<おすすめポイント>
一見すると「貝」の図鑑か何かのようにも見える表紙ですが、動物を幻想的に描き出すことに定評のあるレオ=レオニの「かたつむり」絵本です。
この絵本には壮大なテーマが詰まっています。「大きくて立派な家を手に入れて、みんなに褒めそやされたかたつむりが、家が大きすぎて身動きが取れなくなり一人孤独に消えていく」という物語に人は何を思うでしょうか。
人生は身の丈にあった生き方が一番?自意識にとらわれると身を滅ぼす?夢は叶えるだけで幸せ?不幸せになる夢には価値がない?父親かたつむりは子ども夢を受け入れなくて良かったのか、夢を捨てて小さな家に住み続けたちびかたつむりは幸せな人生だと思えたのか…。
読めば読むほど考えさせられる美しい絵本です。レオ=レオニの豊かなストーリーに谷川俊太郎氏がすてきな日本語をつむいだ親子で楽しめる名作絵本。
幼児が楽しめる写真絵本
『かたつむりの ひみつ』
<あらすじ>
カタツムリの体の仕組みや体を伸ばして移動する様子、食事の仕方や食べ物とふんの関係、日本で見られる仲間など、知っているようで知らない様々な特技や秘密を、連続写真や拡大写真で紹介。
ーAmazon商品紹介より抜粋
<おすすめポイント>
幼児でも楽しく読める貴重な「かたつむり」写真絵本。写真絵本は図鑑への導入にもなることで人気が再燃している作品が多いものの、実は、幼児には難しいジャンルです。写真絵本は写真を撮った写真家が絵本の文章も書いていることが多く、昆虫愛・動物愛があふれすぎていて文章が難しいためです。そんな中、この絵本は小さな読みやすい文章で書かれている貴重な絵本です。
新しいてるてる坊主の絵本
『あっぱれ! てるてる王子』
<あらすじ>
読むと、きっと空を見上げたくなる絵本。遠足の前日、台風が近づいてきました。子どもたちは、てるてる坊主を作ります。その数が100個になったとき……、てるてる王子の出番です。さて、あしたは晴れるかな?第30回講談社絵本新人賞受賞作。
ーAmazon商品紹介より
<おすすめポイント>
作/コマヤスカンさんからのメッセージ
今年ももうすぐ夏がやってきますね(暦の上では、立夏は5月5日)。夏といえばやっぱり入道雲。モクモクモクモク育っていくさまを見ているとほんとにワクワクしますね。まるでほんものの巨人を見ているようです。雲って不思議ですよね、クジラに見えたり、お城に見えたり、でっかい飛行船に見えたり……。
いえいえ、それは見えているわけではないのです。本当に、クジラやお城や飛行船なのですよ、空の世界ではね。そして、その空の世界の王子さまが“てるてる王子”なんです。
でも、てるてる王子って、いつもは何しているんでしょうね。空のうえで、昼寝ばっかりしているのでしょうか。まあ、昼寝もよくするし、ジュースばっかり飲んで、おしゃべりばかり夢中になるし、あんまり仕事はしないのですけど、けれどひとつだけ、きまりがあるのです。
それは、“てるてる坊主が100個あったら、あしたぜったい晴れにしないといけない”ということ。いやな雨雲がなければいいのですけど、台風なんかがやってきたら大変です。あれっ、ちょっと雲行きが怪しいですよ。
ーAmazon商品紹介より
担当者のうちあけ話
表紙をごらんになっていただいただけでも、わかると思うのですが、とっても不思議な絵本です。いちばんナゾなのが、ゆる~い感じで旗をもってる主人公、てるてる王子ですよね。で、表紙を開くと、まるで自然科学絵本のような見返し。さらに海から台風が近づいてくる街のパノラマがすごく細かく描かれています。そしてページをめくるたびの大胆な構図のきりかえ。宿敵・台風殿下との対決シーンをへて、再び雄大なパノラマで大団円。なのに漂ってくるのは、のんびりのんきな、ゆる~い空気。そして読み終わったときには、雲の住人をさがして空をながめたくなります。
どうやらこの新人は、絵本界に不思議な空気を運んでくる大型台風、ではなくて大型新人なのではあるまいか。
ぜひ書店で手にとって、できれば買って、存分にこの不思議なコマヤスカンワールドにハマってください。きっとくせになりますよ(たぶん)。(ほろほろ鳥)
ーAmazon商品紹介より
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